皆さんは自分の就寝時の姿勢をご存知でしょうか。仰向け、うつ伏せ、横向き、人によって様々な寝方があります。
その中でも特に、 うつ伏せ が 腰痛 に悪い、ということは意外と知られていません。1日の約1/3を占める就寝時間、姿勢を正して快適な睡眠をとりましょう。
うつ伏せは腰痛に悪いって本当?
うつ伏せによる影響
人の身体は一本の脊椎(背骨)によって支えられており、その脊椎は周囲の筋肉によって補強されています。この身体を支える脊椎の中でも特に重要なのが、文字通り身体の要である“腰”になります。
脊椎はまっすぐ一直線になっているわけではなく、ゆるやかにカーブしてS字状の形をとっています。脊椎における腰の部分は腰椎と呼ばれ、腰椎部分では前方にゆるやかなカーブを描きます。
うつ伏せが腰痛に悪いといわれるのは、うつ伏せの姿勢がこの腰椎の前方カーブを過度に増強してしまい、“反り腰”といわれる姿勢を作ってしまうためです。
反り腰と腰痛の関係
反り腰とは前述の通り、腰椎の前方カーブが過度に増強してしまった状態です。
この状態になると、腰周りの筋肉が常に収縮した状態になってしまい、疲れやすくなっていきます。この過度な筋収縮は筋筋膜性腰痛の原因となります。
また、同時に腰椎自体や椎間板への負担が増強するため、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの神経圧迫を引き起こすことになります。
これらの原因によって腰痛が引き起こされるのです。
また、腰椎の前方カーブが増強すると、腹筋を上手に使うことができなくなるため、余計に腰の筋肉への負担が増強します。さらに、下腹部が前方に出てきてしまうため、見映えも悪くなってしまいます。
反り腰の確認方法
自分が反り腰になってしまっているかどうかは、簡単に確認することができます。
まず、仰向けになって寝てみましょう。この姿勢で、自分の腰の下に両手を入れてみます。先ほど言った通り、人の脊椎は自然にゆるやかなS字カーブを作っているので、普通の人であっても指先くらいは腰の下に入っていくと思います。
しかし、反り腰になっている人だと、手首まですっぽり腰の下に入ってしまいます。
これは同じように立ってでも確認することが可能です。壁際に立って、背中をぴっちり壁に引っつけます。この際に、腰と壁の間に手を入れてみましょう。反り腰になっていれば、同じように手首まで腰の下に入ってしまいます。
仰向けでは反り腰ではないけど、壁際に立つと反り腰になってしまう、という人もいるかと思います。これは、力を抜くと自然な姿勢ととれているが、立っているときの筋肉の使い方が間違っているために、立っている時のみ反り腰になっているということです。
この姿勢を放っておくと、間違った筋肉の使い方を強いられたままとなり、腰痛を引き起こすことになります。
反り腰の改善方法
では、この反り腰の治し方をご紹介していきます。
まず、先ほどと同じように仰向けになって腰の下に手を入れましょう。反り腰のある方は、手首まですっぽり入ってしまうと思います。そして、腰の下に手を入れたまま、自分の腰を床に近づけるように姿勢を調整します。腰と床で自分の手を圧迫する感じです。
最初は難しいかもしれませんが、慣れてくると徐々にスムーズにできるようになってくると思います。この時、腹筋に力を入れるように意識すると、より上手にできるようになります。スムーズにできるようになってきたら、次は手を腰の下から出して、何もない状態で腰を床に押し付けていきましょう。
仰向けでこの動きができるようになったら、次は立って動いていきましょう。壁際に立って、同じように腰の下に手を入れます。そのまま、腰を壁に押し付けます。手にかかる圧力でしっかり腰を動かせているか確認しましょう。
これも、慣れてきたら手を使わずに腰を壁に押し付けます。この時も腹筋を使うように意識することが重要です。
反り腰の姿勢では腹筋が上手く使えておらず、腰周りの筋肉に負担が集中している状態になります。これが腰痛の1つの原因です。そのため、腹筋に力を入れることを意識するだけでも、反り腰は若干改善することができます。
まとめ
うつ伏せは腰痛に悪いって本当?
うつ伏せによる影響
反り腰と腰痛の関係
反り腰の確認方法
反り腰の改善方法