皆さんは、腰痛ベルトを使用されたことはおありでしょうか。装着が面倒くさそう、ベルトをしていることを気づかれたくないなど、様々な理由で敬遠している方も少なくはないのではと察せられます。今回は、 腰痛ベルト を使用する際の心構えとコツをご紹介いたします。
快適に腰痛ベルトを使いこなす
腰痛ベルトの基本的な役割
まず最初に頭に留めておいて頂きたいのは、「腰痛ベルトで腰痛は治らない」ということです。あくまでも腰痛をサポートし、日常生活を少しでも楽にする目的以上の効果は望めません。期待できる役目は大きく3つあります。
一つは、「姿勢のサポート」です。腰を固定することでからだにとって不自然な姿勢になるのを制御してくれます。背骨を反った姿勢や前かがみの姿勢は腰の負担になります。
長年のクセのついた姿勢をベルトを巻くことで、矯正的に骨盤に本来の正しい位置を覚えこませるのです。腰痛よりも姿勢の矯正に重点を置く場合は、コルセットのほうがより効果があります。
二つめは、「腹腔圧の上昇効果」です。「腹腔」とは胃腸や肝臓などが納まっている空間のことです。重いものを持ち上げるときに、腹腔圧が上昇してからだ全体を支えています。ベルトを装着することによって、腹腔圧を出やすくして腰痛や腰の負担を軽くします。
つまり、ベルトを装着していないときよりも重いものを持ち上げられるようになります。ただし、ベルトを過信して気が大きくなり、いきなり重すぎるものを持ち上げようとするのはぎっくり腰などを発症する危険がありますので、お控えください。
三つめは、「からだの保温効果」です。試しにお腹を触ってみてください。ストレスの多い方やデスクワーク中心の方々は、お腹が冷えている方が多いようです。
これは、血液の循環が偏っているためです。頭を働かせるため、血液が脳にばかり通っていてお腹には巡ってこないのです。お腹が冷えると腰も冷えます。ベルトが腹巻きの代わりになり、腰周辺の筋肉を温めることで緊張を緩めて、腰痛を軽減するはたらきがあります。
ベルトの装着位置
ウエスト部分に巻きつけます。取扱説明書をよく読んで、ひとまず素直に従いましょう。腰椎部分をしっかり固定することで動作を制限し、腰をサポートします。
左右のどちらか片側にのみ痛みがある場合は、巻き付ける際の引っ張る方向がポイントです。痛む側のベルトひもを引っ張ってきて、中央で止めます。緩すぎてもきつすぎても効果が薄れます。これで痛みが増す場合は、逆で行ってみてください。
ところで、腰痛ベルトには予防効果はほとんどありません。あくまでも腰痛が発症してから巻くものです。全く腰痛のない方が、経験のないような重そうなものを持ち上げる前に腰痛ベルトを装着しても、果たして効果があるかどうか、効果があったとしたらそれは気分の問題かもしれません。
ベルトに依存しないで自立する
腰痛ベルトを装着すると、確かに楽にはなりますが腰周りの筋力があっという間に低下します。いつかはベルトを外して卒業するという強い意思を持って、少しずつ運動やストレッチに励みましょう。
ベルトをすることによって動きやすくなったのですから、今まで困難だったウォーキングなどにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。「筋肉を鍛えるためにベルトを着けた」と考えて、気持ちをしっかり持ちましょう。
また、ふだん着けっぱなしでいきなり外すと弱りきった筋肉に負荷が掛かり、ヘルニアを発症する恐れがあります。そうならないためにも、少しずつ筋肉を鍛えておくことは欠かせません。
腰痛ベルトのお値段はピンからキリまでありますが、あまりにリーズナブルなものは効果を実感しにくいかもしれません。3,000円のものを3回購入するよりは1万円のものを購入したほうが後悔が少ないと思われます。
まとめ
快適に腰痛ベルトを使いこなす
腰痛ベルトの基本的な役割
ベルトの装着位置
ベルトに依存しないで自立する