皆さんは 坐骨神経 についてどのくらいの知識をお持ちですか。腰痛と関係があるらしいと知っている方もおいででしょう。腰を痛めたときに、神経を痛めたと意識する方は多くはないかと察せられますが、この機会に坐骨神経について理解を深めて生活の改善を図ってはいかがでしょうか。
坐骨神経を良好に保つには
坐骨神経の位置と役割
坐骨神経は末梢神経の一つで、脊髄から伸びています。末梢神経は全身の運動を制御していて、脊髄と全身のからだの筋肉との伝達を担っています。
そのうちの腰から骨盤、お尻側から足先まで張り巡らされているのが坐骨神経です。からだの中で最大の神経でペン軸ほどの太さです。
この坐骨神経が正常に機能しなくなると、腰痛や肩こり、頭痛、種々のからだの不調につながります。坐骨神経に限らず、神経を使うと疲労します。
それではじっと安静にしていれば良いのかというと、そうでもありません。同じ姿勢で長時間じっとしていることは、生物学的に不自然であるため神経も疲れます。適度に動いてリラックスできる環境が理想ではありますが、現代人にはなかなか困難です。
坐骨神経が痛み出す原因
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎は背骨とつながっています。背骨は椎体という骨で作られていて、この椎体と椎体の間にある軟骨が椎間板です。この組織はとても繊細で、クッションの役割を果たしています。この椎間板が飛び出したり、はみ出してしまうのが椎間板ヘルニアです。
腰部の椎間板で発症すると、神経が圧迫されて坐骨神経痛を起こします。デスクワークよりも農林水産業や運送業、理容美容業など、同じ姿勢で長時間作業したり、重いものの上げ下げを継続的にしていると発症しやすくなります。
変形性腰痛症
腰椎が変形し、神経を圧迫して足のしびれや腰の痛みを発症します。運動などで腰に過度の負担をかけるとなりやすいです。加齢、同じ姿勢を長時間続けるのもリスクを上げます。また、脊柱管狭窄症の原因にもなります。
腰部脊柱管狭窄症
先天的な原因の場合もありますが、多くは加齢によるものです。腰の痛みや足のしびれなどは、腰椎の変化と脊柱管が狭まると発症しやすくなります。
坐骨神経痛の予防・解消法
正しい姿勢を身につける
猫背やバランスの崩れた姿勢がクセになっている方は多いと思います。筋肉や関節に無駄な負担をかけ続けて、坐骨神経痛の原因になります。
椅子に座るときは背もたれに背中をつけて深く座りましょう。姿勢を良くするのは一日二日で身につくものではありませんし、猫背になっているなと気がついたときにこまめに姿勢を正すなどの日々の積み重ねが欠かせません。
肥満の改善
ご自身が「ポッチャリ」ではなく「肥満」であるという自覚があり、もしくは周囲の方々にダイエットをするように再三言われている方は、間違いなく痩せる必要があります。
すでに坐骨神経痛になっている方もそうではない方も、足腰や背骨にかかる負担を減らさなくてはいずれ後悔します。極端なダイエットは長続きしませんから、まずは半年計画で10kg落とす計画を立てましょう。
冷えを防ぐ
冷えは筋肉を硬直させて緊張状態を招き坐骨神経痛の原因となります。下半身を冷やさないように厚手の靴下やブランケットを用意しましょう。オフィスでは足が楽なスリッパを履くなどして、血液の循環を滞らせないように心がけましょう。
また、冷たい飲み物や食べものもできる限り控えて、口にするときには一気に流し込むのではなく、ゆっくり少しずつ飲み込むようにしましょう。
ストレッチ
慢性的な運動不足によって筋力が低下しているとなりやすくなります。筋肉というのは鍛えないと衰える一方です。ふだん全く運動しない方であれば、ラジオ体操だけでも息切れするケースもあります。習慣にできる運動やストレッチを見つけて、継続してください。
まとめ
坐骨神経を良好に保つには
坐骨神経の位置と役割
坐骨神経が痛み出す原因
坐骨神経痛の予防・解消法