仕事中や授業中に退屈な講義を聞いているうちに あくび をして怒られた経験をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
緊張感の無さの代表格のように扱われがちなあくびなのですが、実は身体にとって必要に迫られての現象であり、とても重要な呼吸動作なのです。
眠くないのにあくびをするのは頭痛の前兆
あくびと生あくびの相違
眠い時に出るのをあくびと言い、眠くないのに出るあくびを生あくびと言うそうです。どう違うかというと、生という接頭語が中途半端で未熟な様を言い表しているらしいのです。生乾き、生焼け、生返事、生意気、生半可などなど。
生あくびとは中途半端な軽いあくびということになります。
繰り返しになりますが、眠い時に出るのがあくびです。身体が睡眠を要求しているわけです。ですから授業中や退屈な講義のときに出るのはあくびということになります。
では眠くないときに出る生あくびというのはどういう状況で出るのでしょう?
生あくびの出る状況
例えば極度の緊張に包まれたときにあくびをする方もいらっしゃいます。敢えて緊張をほぐそうとしているパフォーマンスのようにも見えますが、脳が活性化しようとして大量の酸素を必要とするためという説もあります。
あるいは食事の後など頻繁にあくびをする方もいらっしゃいます。これは満腹感によって眠くなることも確かなのでどちらとも言えないのですが、消化器官にエネルギーを奪われた脳が酸素を取り込もうとしているとも考えられています。それぞれの状況において、脳が活性化しようとしていることは間違いではないでしょう。
けれども最近ではあくびが脳への酸素供給手段であるという説に疑問符が打たれています。ですからその発生メカニズムに関しては未知なのですが、緊張した時や食事の後にあくびが出やすいことは確かです。
また精神的なストレスや肉体の疲労が蓄積されることによってもあくびが頻繁に出ます。十分な睡眠をとって休息しているつもりでも、本人の気付かないうちに、いびきや無呼吸症候群のために睡眠障害に陥っているケースがあるのです。
さらに様々な病気の予兆として、あくびが頻繁に出ることも知られています。眠くないのにあくびが頻繁に出るようでしたら、一度病院へ相談に行かれることをお勧めします。
片頭痛の兆し
片頭痛を発症する前には、かなりの確率であくびが出るそうです。しかも止まらないほどにあくびを繰り返すそうです。
片頭痛は血管の拡張による三叉神経への刺激から発症します。あくびが脳への酸素供給手段ではないにせよ、酸素不足を感知しての動作ではあると言えます。酸素不足のために脳内血管は拡張しようとします。そして片頭痛を発症するのです。
生あくびが片頭痛の予兆信号であるならば、信号が赤に変わる前に、速やかに対処していくことが望ましいでしょう。
やがて脳梗塞
頻繁な生あくびの後に、激しい頭痛、吐き気やめまいなどに襲われるようになったら、脳にとって非常に危険な兆候です。速やかに専門医に相談するなり、もしくは救急車の手配をして下さい。
脳梗塞の予兆として生あくびが頻繁に出ることは知られているところです。脳梗塞は脳内の血管が詰まることによって細胞が壊れてゆく非常に恐ろしい病気なのです。
脳梗塞に限らず、脳出血、脳腫瘍など脳の病気全般に対して、その初期症状として頻繁な生あくびが見られます。かなりの頻度であくびが繰り返されるようでしたら、医療機関で精査な診察をされることをお勧めします。
あくびは貴重な予兆信号
片頭痛の予兆として、あるいは脳出血、脳腫瘍、脳梗塞の初期症状として、あくびは我々に様々な病気の発症を教えてくれます。
日常的には緊張感の無さの象徴のようにさえ扱われ、あくびをすることで軽率な人間とレッテルを貼られることすらあるのです。そんな偏見もどこ吹く風とばかりに、あくびは今日も、我々の気付かない脳や身体の微細な変調を鋭敏に感知し、報せるという貴重な信号の役割を黙々と遂行しているのです。
まとめ
眠くないのにあくびをするのは頭痛の前兆
あくびと生あくびの相違
生あくびの出る状況
片頭痛の兆し
やがて脳梗塞
あくびは貴重な予兆信号