頭痛 と 腹痛 を同時に発症することがあります。またお腹が痛いのに片頭痛と診断されることもあります。食中毒においてはその症状は腹痛に始まり、頭痛を併発します。対処や判断に迷うこともしばしばです。出来るだけ症状と発症の経緯を把握して、丁寧に対処していきましょう。
頭痛と腹痛の同時発症
食中毒
食中毒は摂取した食品の中に含まれる細菌やウイルスが体内で増殖することによって発症します。主な症状は下痢や嘔吐、さらに発熱、頭痛を伴う場合もあります。細菌の種類によって潜伏期間が異なり、原因を特定できる場合とそうでない場合があります。
腸炎ビブリオ菌やサルモネラ菌などは24~48時間以内に発症しますので、原因となる食材を特定することが出来ます。
これに対しカンピロバクター菌による食中毒は発症までに一週間もかかることがあり、さらに38℃以上の高熱が出ることから原因を特定しにくく、風邪と間違われたりします。
自宅療養で済ますことの出来ない痛みは、無理をせずに医師へ相談することが大切です。食材の衛生管理、調理人の衛生管理、加熱等により食中毒は予防することができます。
反復性腹痛
反復性腹痛とは、月に一回もしくはそれ以上の腹痛が三ヶ月以上続く病気のことを言います。おへその周りを痛がることが多く頭痛、嘔吐を伴います。おおむね一時間くらいで症状は治まり、普段は全く症状および兆候すら表れることはありません。
中学生の15%が経験すると言われている反復性腹痛ですが、その原因は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、クローン病などの内臓系の疾患を原因とする場合と、ストレスや心因性による場合とがあります。
反復性腹痛を引き起こす原因として最も多いのが心因性の過敏性腸症です。およそ60%の患者が過敏性腸症を原因とし、次いで原因不明が20%、そして内臓疾患による発症率が10%となっています。
過敏性腸症はストレスを原因とする場合が多いので、過剰な対応はかえってプレッシャーを与え、悪化することにもなりかねません。はっきりと症状が認められてから医師の診断を仰ぐことをお勧めします。
反復性腹痛のうち過敏性腸症を原因とする場合、完治することは難しく再発の可能性もあります。通院においては70%ほどの回復で好しとし、薬の服用によって日常に支障のない範囲で付き合っていくこともあります。
心身症
心身症は頭痛と腹痛を同時に発症する病気としてよく知られています。心身症と診断する特別な基準があるわけではありません。物理的なことを要因としない何らかの疾患が身体に表れたときに、直近の外部ストレスや内面の変化と関連付けます。
そして仮説を立ててある特定のストレスを取り除いたときに症状が緩和された場合、その病気は心身症と診断されます。
心身症は呼吸器系や循環器系、消化器系などあらゆる部位に様々な形で発症します。前述した反復性腹痛、あるいは神経性嘔吐症などは消化器系に表れる心身症です。また高血圧症や心臓神経症などは循環器系に表れる疾患です。
呼吸器系心身症には過喚起症候群(過呼吸)、気管支ぜんそくなどがあります。
腹部片頭痛
腹部片頭痛という病気があります。子供に多い病気です。頭痛という名の病気なのですが、子供には頭痛は無いことが多く、主に腹痛や吐き気が症状となって表れます。
やがて大人になると頭痛と同時に腹痛を発症し、便秘や下痢の症状が表れるようになります。さらに排便の後などに頭痛が悪化したりします。
片頭痛は血管の収縮拡張が周囲の神経を刺激することにより起こるもので、セロトニンという物質の過剰分泌が大きな役割を占めています。セロトニンは血液中の血小板に8%、脳に2%、胃腸には90%もあります。
それぞれの部位でセロトニンの分泌が過剰になることによって腹痛と頭痛を発症するのです。このセロトニンの分泌をコントロールするにはトリプタン製剤という薬が効果的と言われています。
しかしながら薬に依存していくとセロトニンが不足する事態を招くこともあります。セロトニンが不足すると、うつ病や統合失調症などの精神的な疾患を誘発することもありますので注意が必要です。
まとめ
頭痛と腹痛の同時発症
食中毒
反復性腹痛
心身症
腹部片頭痛