頭痛と共に鼻血が出てしまうと、多くの方が恐ろしい病気を想像してしまいがちです。確かに恐ろしい病気である可能性も全くないわけではありません。けれども意外と 頭痛 に 鼻血 というのは、そう遠くない関係にあり、様々な病気において併発します。いくつかの例をご紹介します。
頭痛に鼻血ときたら
鼻血の発症および対策
鼻血が出る原因のほとんどは鼻孔の中の毛細血管が傷つくことにより、鼻出血とも呼ばれています。傷つく要因は様々で、鼻を噛む際に強く噛みすぎたり、直接触ったりすることによって出血しやすくなります。
子供に鼻血が多いのは、鼻孔に指を入れることが多く傷つきがちなことが理由に挙げられます。これらは鼻孔の損傷ですので、出血が治まるまで顔を上向きにするか、何らかの詰め物をすることで対処します。出血が治まってもしばらくは詰め物を抜かないようにしましょう。
また、なかなか出血が治まらないときには医師の診断を仰ぎましょう。鼻血は鼻の粘膜の損傷だけにとどまらず、身体全体に及ぶ何らかの病気の兆候であったり、症状のひとつとなることも多くあります。
片頭痛と鼻血
こめかみが脈打つように痛む片頭痛は、その主な原因は血管の収縮と拡張にあります。ストレスや気圧の変動により血管が急激に収縮、そして拡張すると、周囲の神経を刺激して頭痛を引き起こします。連動した鼻孔の中の毛細血管が傷つくことも多くあります。
そうして頭痛の発症と共に、あるいは前兆として鼻血が出る場合も多くあるのです。何より予防に努めることが一番なのですが、発症してしまったら部屋を暗くして安静に過ごして下さい。
副鼻腔炎(ふくびくうえん)からの頭痛・鼻血
副鼻腔というのは、鼻の穴の入り口から咽喉の辺りまでの鼻腔につながる骨の空洞のことを言います。その副鼻腔の中に細菌やハウスダスト・花粉などを原因として、炎症が起き膿(うみ)が溜まっていくことを副鼻腔炎(ふくびくうえん)と言います。蓄膿症(ちくのうしょう)とも呼ばれています。
副鼻腔炎の主な症状は鼻水・鼻づまりです。鼻を強くかんだり、何度もかむことにより鼻孔内部の毛細血管が傷つき鼻血が出ることは多くあります。また炎症の場所によっては頭痛・歯痛を伴うこともあります。
特に眼の周囲における炎症には注意が必要です。視覚の異常から激しい頭痛を伴い失明への危険もあります。頭痛・鼻血から眼窩周囲への異常が見られるようになったら、ただちに医師の診断を仰ぎ、適切な治療を受けて下さい。
自律神経失調症からの頭痛・鼻血
自律神経失調症というのは、身体が活動するときに使われる交感神経と、休息に使われる副交感神経との切り替えのバランスが上手くゆかずに心身のあらゆるところに異常をきたしてしまう病気です。主な要因としては、不規則な生活や過渡なストレスが挙げられます。
自律神経のバランスが崩れると高血圧や不整脈、多汗症、睡眠不足など興奮状態が続いてしまったり、あるいは長すぎる安静状態から無気力、うつ病など精神面への影響も大きくなります。血管は収縮と拡張を繰り返し、頭痛と鼻血を併発することが多くあります。
自律神経失調症から片頭痛へと移行することもあるのです。出来るだけ規則正しい生活を送ること、ストレスを溜めないように心がけることが予防につながります。適切なカウンセリングを受けることや精神安定剤の服用により、症状が改善することもあります。
危険な病気の兆候としての頭痛・鼻血
高血圧の方は心臓疾患や脳卒中を招いてしまうと共に、血管の損傷によって鼻血も出ます。その結果、動脈硬化や他の重大な病気を招いてしまう危険性もあります。また鼻血・頭痛の他に、痛みの無い首の腫れ、聴覚や視覚の異常を感じたら、上咽頭がんの可能性もあります。
上咽頭がんは鼻の奥に腫瘍が出来る病気です。切除の難しい場所ですので、放射線治療と抗がん剤の服用によって対処していきます。
さらに頭痛・鼻血・めまい・吐き気の症状の他に、歯肉からの出血や、どこにもぶつけてもいないのに痣(あざ)が出来ていたら、もしかしたら白血病という可能性も否定できません。
このように、頭痛と鼻血という症状の併発は、比較的身近な片頭痛、副鼻腔炎から白血病などの重大な病気にいたるまで、様々な身体の異変を報せてくれるのです。出来るだけ早い段階で発見できるように定期検診を受けたり、生活習慣には充分配慮し、適切な対処に努めましょう。
まとめ
頭痛に鼻血ときたら
鼻血の発症および対策
片頭痛と鼻血
副鼻腔炎(ふくびくうえん)からの頭痛・鼻血
自律神経失調症からの頭痛・鼻血
危険な病気の兆候としての頭痛・鼻血