かけ離れた症状のように見える 頭痛 と 鼻水 なのですが、風邪をはじめとして、決して無関係なわけではありません。他には副鼻腔炎、群発性頭痛といった病気が考えられます。それぞれに発生の原因とメカニズムが違うので、しっかりとした知識を蓄え、適切な治療が必要になってきます。
鼻水の出るメカニズムと頭痛との関係
鼻水について
鼻の粘膜は外気に触れる位置にあるので、ウイルスや細菌の影響を受けやすく、最も敏感に体調の変化を察知します。普段から適度に鼻水を蓄えてはいる鼻の中なのですが、溢れるほどではありません。
しかしひとたびウイルスや細菌が侵入して来たら、それ等を洗い流そうとして大量の鼻水が分泌されるのです。鼻水が出るということは、身体の防御反応ということになります。つまり鼻水は一種のアレルギー症状であり、体調不良時のバロメーターとして軽視できないものなのです。
鼻水が出た場合にはくれぐれもすすることはせず、出し切ってかんでしまいましょう。とは言っても、さらりとした透明な鼻水をかむことは容易なのですが、膿性の黄色や緑色の鼻水は、キレが悪くすっきりとはかめないこともあります。
これはやむを得ないことなので、くれぐれも鼻血が出るほどかまないように注意しましょう。
風邪の鼻水と頭痛
風邪を引いた場合には、先ず鼻水・鼻詰まりが症状として表れます。これは鼻から入ったウイルスや細菌を鼻水によって追い出そうとする身体の防御反応ということは先に申し上げました。
それでも入り込んでしまった細菌やウイルスが頭部へ侵入することを防ぐために、今度は血液中の白血球が活躍します。そうして頭部に血液が集まることによって、発熱と頭痛が起こるのです。
副鼻腔炎の頭痛
副鼻腔炎(ふくびくうえん)は風邪や花粉症などのアレルギー性鼻炎を始まりとし、症状が長引くことによって発症します。抵抗力の低下した鼻孔から、原因となるウイルスが副鼻腔内へと入り込み炎症を起こすのです。
副鼻腔とは、鼻の周りにある骨の中の空洞のことを言います。したがって炎症のある部分の顔の痛みや、頭痛が引き起こされることになります。特徴的な症状としては、頭痛の発症と鼻水・鼻詰まりの症状がほぼ同時に表れるということ、寝起きがいちばん痛むということ、顔面痛を伴うことなどが挙げられます。
副鼻腔炎には蓄膿症と呼ばれる慢性副鼻腔炎と急性副鼻腔炎とがありますが、頭痛の症状が表れやすいのは急性副鼻腔炎です。急性副鼻腔炎の症状が長引いて炎症が固まってしまうと、慢性副鼻腔炎や菌性上顎洞炎や真菌性上顎洞炎などを発症しますので、速やかに適切な治療を行うようにしましょう。
副鼻腔炎の治療は、先ずは溜まっている鼻汁や膿を吸引して鼻の中をきれいに洗浄します。そこで鼻水を抑える薬や、抗生剤を服用することによって再発を防ぎます。症状によっては鼻水をもっと出しやすくする薬を処方されることもあります。
注意が必要なのは、症状が一時的に治まったからと安心しないことです。しばらく様子を見つつ、しっかりと完治するまでは治療を続けましょう。
群発性頭痛の鼻水
慢性頭痛の中でも特に症状の激しいと言われる群発頭痛ですが、その発作が起こった時に鼻水が止まらなくなるとことがあります。この場合、必ずしもそうでない場合もあるということですので注意が必要です。
頭痛の発作と共に鼻水が出て、治まるときも同時であれば群発性頭痛を原因とする鼻水であると特定できます。そうでなければ風邪やアレルギー症状ですので、それにふさわしい治療が必要になります。
もともと頭痛薬を常用されているようでしたら、薬をあまり多く服用することにならないよう医師の診断を仰ぐことが必要です。群発性頭痛は、目の奥にある内頸動脈(ないけいどうみゃく)が拡張することによって周囲の神経を圧迫し、発症すると言われています。
圧迫された周囲の神経のうち、三叉神経が刺激されることによって鼻水が分泌され続けることが原因と考えられています。頭痛が治まれば、鼻水も出なくなります。頭痛と共に急に鼻水が出たからと言って、混乱せずに冷静に判断することが大切です。
まとめ
鼻水の出るメカニズムと頭痛との関係
鼻水について
風邪の鼻水と頭痛
副鼻腔炎と頭痛
群発性頭痛と鼻水