乗り物酔いや飲み過ぎ、食べ過ぎなど心当たりがあって 吐き気 を催したり、実際に吐き戻してしまう場合は別として、心当たりがないのに吐き気や吐き戻してしまうことはそうそうあることではありません。でも実際にそのようなことがご自身やご家族に起きたら注意が必要です。
今日は、吐き気を催すときの身体の状態や、同時に 頭痛 や 肩こり を伴っている場合には怖い病気のシグナルである可能性があるということについて説明します。
頭痛と吐き気を同時に感じたら病院絵へ、長引く肩こり頭痛も要注意!
悪心・嘔吐の原因
吐き気のことを、それぞれ医学的には悪心(おしん)、嘔吐(おうと)と言います。悪心は吐きたいという感覚であり、嘔吐は胃などの内容物が口から外に押し出されることを言います。
悪心や嘔吐は、胃腸など消化管の内部の状態のみならず、消化管外部の状態や薬物・毒物の摂取によっても生じることが知られています。特に悪心は意識された感覚を伴っており、その発生機序はあまりわかっていません。
消化管など腹部の臓器が原因となっている場合には、腸に異常を来した場合(腸閉塞や食中毒、食べ過など)や、肝臓や膵臓、胆嚢などに異常を来した場合(肝炎、膵炎、胆嚢炎なbど)などが考えられます。
一方、消化管外部の状態が悪心・嘔吐を引き起こす場合には、心肺疾患、乗り物酔い、頭蓋内疾患、悪性腫瘍、精神疾患、妊娠に伴うものなど、多くの原因が知られています。また、お薬によっては悪心・嘔吐を引き起こすことが知られているものもあります(抗癌剤、抗生物質、経口避妊薬など)。
悪心や嘔吐を引き起こす疾患や状態は沢山あり、中には恐ろしい病気の一症状である可能性もあり、冒頭で述べたように心当たりのない悪心・嘔吐があった場合は注意が必要であり、迷わずお医者様に相談すべきでしょう。
頭痛に悪心や嘔吐を伴っていたらすぐに病院に行きましょう!
国際頭痛学会・頭痛分類委員会が発酵している国際頭痛分類(第2 版)では、頭痛の症状を見る上で悪心や嘔吐を伴っているかどうかは、数ある頭痛を鑑別する上で重要な指標となっています。
悪心・嘔吐を伴う頭痛としては、脳卒中(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)、偏頭痛、てんかんによる頭痛、精神疾患から起きる頭痛、外傷性の頭痛、頸の疾患から起きる頭痛などが上げられています。これらの疾患はどれも大変重大な疾患であり、放っておくと命の危険を伴うものもあります。頭痛に悪心・嘔吐を伴っている場合は、是非とも病院を受診してください。
頭痛と肩こりが長引いた場合、「頸性神経筋症候群」かもしれない!
肩こりや首筋の痛みがあり、それに伴う頭痛がある場合、緊張型頭痛であることが多いでしょう。緊張型頭痛は肩こりや首筋の痛みを解消することで、頭痛も次第に消えていきます。また通常、緊張型頭痛には悪心・嘔吐は伴いません。
しかし、どんなに肩こりの治療をしても頭痛が消えなかったり、逆に悪化してしまったり、何年もの長期間に渡って頭痛に悩まされているという方が時々います。緊張型頭痛では見られない悪心や嘔吐を訴えることもあります。
おかしいなと思って病院に行き様々な科で診ていただいても「どこも悪くありません」と言われ、長い間、本人しかわからない頭痛の苦しみが続き次第に「うつ」症状が現れるという疾患があります。
このような症状の方がいらっしゃったら、「頚性神経筋症候群(けいせいしんけいきんしょうこうぐん)」の可能性があります。この疾患は「頸こり病(くびこりびょう)」とか「頸性うつ(けいせいうつ)」とも呼ばれ、パソコンやスマートフォンなどの操作などで何時間も頸がうつむきがちの姿勢を保つことで頸のコリが発生し、そこから副交感神経に異常を来し全身に様々な症状が現れるという疾患です。
頸性神経筋症候群は、近年増加しています。未だこの疾患を専門に診ることができるお医者さまは少ないのですが、思い当たる症状のある方は、まずお近くの病院にご相談ください。
まとめ
頭痛と吐き気を同時に感じたら病院絵へ、長引く肩こり頭痛も要注意!
悪心・嘔吐の原因
頭痛に悪心や嘔吐を伴っていたらすぐに病院に行きましょう!
頭痛と肩こりが長引いた場合、「頸性神経筋症候群」かもしれない!