コーヒー の効能の多様さは広く知られているところです。 頭痛 にも効果を発揮します。しかしながら全ての頭痛に効くというわけではありません。逆に頭痛の原因となることもあります。また、依存性の高い飲み物ですので飲みすぎないよう注意が必要です。
コーヒーを飲むことにより治る頭痛と悪化する頭痛
コーヒーという飲み物
多くの方が朝は必ずといっていいほどコーヒーを飲みます。コーヒーは寝起きのぼんやりした頭をシャキッとさせてくれる飲み物であり、くつろぎの時間を演出するための嗜好品でもあります。
その歴史は古く、16世紀に中東イエメンのスーフィー教徒が眠気覚ましに飲んでいたという記録が残っています。その後17世紀になると、医薬品としてヨーロッパで急速に広まっていったということです。
コーヒーという飲み物がどうしてこのように人気を博するのか、なぜ様々な効能があるのか、という研究が進み、カフェインが発見されたのは1819年、ドイツの化学者フリードリーブ・ルンゲによります。
ルンゲは、コーヒーからカフェインを純粋抽出することに成功し、この成分がヒトの中枢神経系を刺激し、覚醒させ、心地良い気分を演出することを突き止めたのです。
カフェインについて
カフェインとは、アルカロイドという天然由来の有機化合物の一種です。コーヒーに多く含まれることから、カフェインと命名されたと言われています。具体的にはコーヒー100ml中に60mgも含まれています。
ちなみに紅茶は3mg、緑茶が20mg、コーラですと10mgですので、含有量の多さは群を抜いています。カフェインは疲労回復や覚醒作用があり、思考や集中力を高める作用があるということはルンゲの研究通りのデータです。
また呼吸や運動機能をアップさせます。消化器系にも働きかけ、利尿・利便作用もあります。さらに心臓の収縮力を高めます。脳内においても血管を収縮させ、血流を良くする働きがあります。
アセトアルデヒドの分解を助ける働きもあります。このように多様な効能を持つカフェインは、現在では頭痛薬にも含有されています。
二日酔いによる頭痛とコーヒー
二日酔いによる頭痛の際、コーヒーを飲むと落ち着くと言われます。コーヒーに含まれるカフェインが二日酔いの原因であるアセトアルデヒドの分解を促す働きがあるからです。アセトアルデヒドとは、飲酒により体内に摂りこまれたアルコールの分解途中の物質のことを言います。
この物質が血液中にいつまでも残ることによって、血管が拡張し頭痛その他の二日酔いの症状が出るのです。カフェインを摂取することによりアセトアルデヒドの分解は促進され、血管は収縮していきます。
分解されたアセトアルデヒドは酢酸になり、最終的には水と炭酸ガスになり身体から排出されます。
片頭痛とコーヒー
コーヒーは、片頭痛の症状にも効果を表します。片頭痛は、血液の流れが悪くなり急激に血管が拡張することによって発症する頭痛です。発症しそうなとき、あるいは発症したときにコーヒーを飲むと、血管は収縮へ向かいます。
コーヒーに含まれるカフェインには、神経への鎮静作用もあります。血管の収縮と鎮痛効果により、片頭痛の症状は次第に治まっていきます。
緊張型頭痛とコーヒー
二日酔いや片頭痛に効果を発揮するからといって、コーヒーが全ての頭痛に対して効くというわけではありません。緊張型頭痛という、肩こりや首の痛み・ストレスを原因とする頭痛があります。緊張型頭痛発症のメカニズムは片頭痛とは全く異なります。
緊張型頭痛は、筋肉が緊張し膨張することにより周囲の神経や血管が圧迫され収縮することによって発症します。緊張型頭痛の発症時にコーヒーを飲むと、血管は収縮しますので、ますます痛みはひどくなります。
「コーヒーを飲むと頭痛がする」と言う方はおそらく緊張型頭痛の傾向があるかもしれません。
まとめ
コーヒーを飲むことにより治る頭痛と悪化する頭痛
コーヒーという飲み物
カフェインについて
二日酔いによる頭痛とコーヒー
片頭痛とコーヒー
緊張型頭痛とコーヒー