頭痛は我慢できればそのまま様子をみますが、痛みがひどくなりそうなら市販の鎮痛薬を服用します。しかし、鎮痛薬を服用しても改善しない時は、病院の脳神経外科や神経内科などを受診し検査を受けます。
そして、“特に悪いものはありません”と診断され医療用の鎮痛薬などを処方されて帰宅したという経験はありませんか?
そんな時、 頭痛外来 という外来があることを“知っているか”“知らないか”では、その後の生活の質が大きく違ってくるのです。
頭痛外来をご存じでしょうか?!
異常がない頭痛と言われても悩みがある
頭痛の原因には、クモ膜下出血・脳内出血・脳梗塞・脳腫瘍といった命にかかわる重大な病気があります。このような病気を発見するためには脳神経外科や神経内科といった専門医の診察を受けることは必須です。
頭部のCTやMRIで脳や頸部の器質的な異常がないことを確認することが最優先されるからです。ただ、 “異常がない”と診断されれば安心しますが、それで全て解決するわけではありません。
それは頭痛が一時的なもので治ればいいのですが、長引いて苦痛が継続すると『なぜこんなに続くのか、異常がないと言われてもこんなに痛みがあるのはおかしい、自分で治すしかないのか』などと悩んでしまうのです。
しばらくして再度受診しますが、同じ結果で次回からは病院に行きにくくなってしまったことはありませんか?
頭痛外来はどこにどれくらいあるのでしょう
長引く頭痛に悩んでいる人にとって救いとなるのが頭痛外来です。正式名称は頭痛専門外来です。Web上の情報だけでも、日本全国(北海道から沖縄県)で、現在1,074の医療機関に頭痛外来があります。
病院の中に専門外来としてある場合と頭痛専門のクリニックとして独立している場合があります。ほとんどの都道府県にあり、多い順にあげると福岡県(218)、東京都(178)、大阪府(62)などです。
頭痛で悩んでいる人は、年齢層も幅広くかなり多くの人が潜在していると思われます。今後、需要はもっと増えていくと予測されます。
頭痛の原因を見極める
頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛があります。
一次性頭痛は片頭痛・緊張型頭痛・群発性頭痛・混合型などで、首や肩など頭部周辺の筋肉のコリからくるもの、頭部の血管が拡張して引き起こされるものなどが原因と言われています。
二次性頭痛は、クモ膜下出血や脳腫瘍などで起こる頭痛で生命にかかわる重大な病気です。従って、頭痛は病気の徴候や前兆として見逃せないものであり、医療機関に受診してしっかりと原因を見極めることが重要です。
頭痛外来には頭痛専門医がいる
頭痛外来は、日本頭痛学会が認定した頭痛専門医が担当しています。頭痛専門医は検査や問診によって頭痛の原因をつきとめ的確な診断をして、その人に合った治療や生活指導を行います。
特に一次性頭痛の診断は、脳内の神経伝達物質や炎症変化などのメカニズムを細かな問診によって頭痛の型や特徴を捉えていくという、より高度な専門性が欠かせなくなってきています。
現代は慢性の頭痛で悩む人たちが増えてきています。今までも多くの人が頭痛を抱えていたのに表面化していなかったとも考えられます。
頭痛の研究は2,000年頃から飛躍的に進み注目されるようになってきました。そんな経過の中で、頭痛に精通した専門の医師が輩出されてきたことはとても心強いことです。
頭痛を我慢せずに楽に過ごしてみませんか
今までは、頭痛はもうしかたがないと諦めて過ごしていた人が多かったのではないでしょうか。もう我慢しなくてもいいのです。気軽に受診して自分の頭痛の原因をしっかりとつきとめ、自分に合った治療法をみつけることができます。
例えば、自分に一番適した薬を処方してもらうこともできます。また、コンサルテングによって精神的なフォローをしてくれるところもあります。
さらに、頭痛日記をつけて、いつ、どんな時に、どのような痛みが起こってくるのかを書き留めて、自身の生活リズムや生活習慣との関係を見つめなおすことも治療の一環として推奨されています。
頭痛外来を活用し、自らも積極的にセルフケアを行い、楽になって有意義な日々を過ごしてみませんか!
まとめ
頭痛外来をご存じでしょうか?!
異常がない頭痛と言われても悩みがある
頭痛外来はどこにどれくらいあるのでしょう
頭痛の原因を見極める
頭痛外来には頭痛専門医がいる
頭痛を我慢せずに楽に過ごしてみませんか