「軽い頭痛だから、薬でも飲んでおけばすぐ治るさ」と気軽に利用される 頭痛薬 ですが、今日は頭痛薬の 副作用 についてお話しします。
どんな薬にも副作用が起きるリスクがあること、頭痛薬にはどんな副作用があるのか、副作用が起きた時にどうすればいいのかについて解説します。
頭痛薬と副作用 薬にはリスクがあることを知って利用しよう
薬の副作用って何?
お薬を飲んで(使って)から起きた身体にとって不利益な現象で、飲んだお薬との関係性(因果関係)がある現象や、その可能性が否定できない現象を副作用と呼んでいます。
これらの現象には、お腹が痛いとか蕁麻疹が出たなどの症状や症状はなくても血液検査の値に変化が生じたなどの検査値異常、飲んだ後に行動がいつもと違うと人から言われたなどの行動異常など様々な現象が対象になっています。
私たちが利用できるお薬には、薬屋さんで購入できる市販薬(OTC薬とも言います)と病院などでお医者様に処方していただいて渡される処方薬(医療用医薬品とも言います)があります。
処方薬の方が効き目は強いのですが、副作用が現れる頻度や副作用の重さも強いのです。しかし、市販薬にも副作用が現れることは知られていますので、注意が必要です。
薬を正しく使おう(適正使用情報を知ろう)
どの薬にも適正使用情報といって、製薬会社が作成した正しい薬の使い方の説明文書があります。医薬品の添付文書に記入されています。
処方薬の場合は、お医者さままたは薬剤師さんが患者様に説明することが義務付けられています。一方、市販薬の場合は薬の箱の中に入っている添付文書に記載されています。薬剤師さんの説明や市販薬の添付文書をきちんと理解したうえで、正しく薬を利用することがとても重要です。
自分勝手に量を増やしたり減らしたり、飲むのを中止することは、副作用の発現を高める原因になりますので決してしないで下さい。
万一、適正使用情報通り薬を使用しないで重篤な副作用が発現した場合、国の「医薬品副作用被害救済制度」の給付対象にならないこともありますので、ご注意ください。
頭痛薬にはどんなものがあるの?
頭痛薬と言っているのは、市販薬にせよ処方薬にせよ解熱鎮痛薬と呼ばれる種類の薬剤です。頭痛の緩和に使われる解熱鎮痛剤の多くは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID,エヌセイドと読みます)です。
NSAIDはプロスタグランディン(PG)と言われる私たちの体内で作られる炎症性物質の合成を抑制することで鎮痛作用、抗炎症作用、解熱作用を現します。
主なものとしては、アスピリン(アスピリン)、ジクロフェナック(ボルタレン)、インドメタシン(インダシン)、イブプロフェン(フルフェン)、ロキソプロフェン(ロキソニン)、アセトアミノフェン(タイレノール){( )内は代表する商品名}などがあり、これら以外にも多数のNSAIDがあります。
頭痛薬の副作用にはどんなものがあるの?
NSAIDは炎症性物質のPGの産生を抑えることを説明しましたが、PGは炎症物質という以外にも体の中でいろいろな役割を持っています。NSAIDはPGの身体にとって必要な役割も抑制してしまいますので、さまざまな不利益(副作用)が生じることが知られています。
たとえば、胃腸の障害(高頻度)、 腎臓の障害(むくみ、腎炎など)、 肝臓の障害(薬剤性肝炎、劇症肝炎)、 呼吸器の障害(喘息、間質性肺炎など)、 その他(高血圧、造血障害、蕁麻疹などの皮疹、頭痛の悪化など)が知られています。
これらの症状はお薬を飲んだ直後から発現するもの、飲み続けることで数日~数年たってから発現するものまで多様です。
また、これら以外にも未知な副作用が発現する可能性もありますので、薬を飲んでいるときにはご自身が自覚を持って、身体の様子を観察する必要があります。
副作用かな?と思ったら
お薬を飲んでから、明らかな異常が発現したり「いつもと違うな」とか「なんか変だな」と感じたら躊躇なく服用を停止し、すぐに病院に行きましょう。市販薬でも同じことです。最寄りの病院に飲んでいる薬のすべてを持って行ってください。
先にも述べた通り副作用が発現するタイミングは、その薬を飲んだ直後とは限らず、しばらく立ってから発現することがあります。市販薬を何年も常用していて、数年後に深刻な副作用が発現したという事例もあります。
市販薬を常用(数カ月以上)している場合にも、その市販薬での長期の治療が適切なのか、常用していることで問題が発生していないかなどをお医者様にご相談ください。
まとめ
頭痛薬と副作用 薬にはリスクがあることを知って利用しよう
薬の副作用って何?
薬を正しく使おう(適正使用情報を知ろう)
頭痛薬にはどんなものがあるの?
頭痛薬の副作用にはどんなものがあるの?
副作用かな?と思ったら