ばね指 は、痛みのともなわない初期段階においては見過ごされがちなのですが、その時点で対処していくことによって、後々の治療経過が大きく変わっていきます。手・指という部位は人間の身体でもっとも良く使われるパーツです。だからこそ テーピング などの保護固定が必要とも言えます。
ばね指治療におけるテーピング、その効果と必要性
ばね指の診断
ばね指になる原因は手指の酷使です。やがて曲げた指が戻らなくなり、痛みと腫れが目立つようになって初めて病院を受診し「ばね指」と診断されるといったケースがほとんどです。そのため処置が遅れ、いつまでも完治しなかったり、手術をしなければならないこともあります。
ばね指が重症化する前に早期に対処するためには、症状の兆候を見逃さないことが大切です。指の付け根のふくらんだ部分を軽く押さえて、指の曲げ伸ばしをしたときに抵抗や痛みを感じるようなら「ばね指」の可能性があります。その時点で適切な対処をしましょう。
治療におけるテーピングの必要性
症状の初期段階においてなら、痛む部分をテーピングして治していく方法があります。治すといっても保護固定することにより、余計な刺激を与えず安静を保つということです。ばね指の原因は、おもに手指の酷使による疲労、腱鞘炎の悪化です。
ですから早い段階での安静がいちばんの治療なのです。テーピングによる保護固定は、自宅で手軽にできる治療のひとつです。
ばね指かもしれないと早急に自己判断してしまうことも危険ではありますが、痛みの原因が骨折やねん挫であってもテーピングによる保護固定という処置方法に間違いはありません。
応急処置においてRICEという言葉があります。R(Rest=安静)I(Icing=冷却)C(compression=圧迫固定)E(Erevation=挙上・心臓より上にあげること)、これら四つの応急処置のうち、テーピングは圧迫固定にあたります。
テーピングにおけるある程度の知識をたくわえておくと、何かと便利です。
それぞれの指への対処とテーピング
テーピング専用のテープというものが市販されています。できればご自宅やカバンの中などに常備しておくことをお勧めします。このようなテーピング用のテープは、伸縮性があり、粘着力も強くはがれにくいのが特徴です。何より長時間の皮膚への粘着に対してかぶれにくい構造になっています。
とはいえ、皮膚呼吸をうながすために定期的にはがして、貼りかえたりすることを忘れてはなりません。またあまりきつくテーピングすると血流が滞ってしまいますので、ほどほどの力でテーピングしましょう。基本的には患部を中心に三回ほど巻き付けて固定しておく方法がとられます。
くすり指は比較的ばね指になりやすい指と言われます。しかも中指と小指をともなって動きが鈍くなる傾向にあるようです。これらの指がばね指になりやすいのは、指自体の筋力が、親指,人差し指に比べて弱いためでもあります。
テーピングの方法としては、薬指だけテーピングすることは難しいので、中指・小指とセットでテーピングするのが望ましいでしょう。固定するときには決して無理な体勢はとらないようにしましょう。
指にとって正常な状態だからといって無理に伸ばしたりせずに、逆に曲がった状態でも痛みのない、いちばん楽な状態でテーピングしましょう。矯正するわけでなく、あくまでも保護固定なのです。
小指がばね指になるのは、くすり指同様、もともと力の要らない指に急激に負担をかけてしまうことによります。とくに野球のバッターやテニス・ゴルフ選手など何かの道具をしっかりと握らなければならないスポーツをする方に多く見られます。
人差し指のばね指はスマホのせい?
もっとも良く使われる人差し指と親指も、ばね指になることが増えてきたようです。もともと5本の指の中でも主力となり日常の中で多様な動きをしているために、指自体の筋力もあり、へこたれる指ではなかったのです。
しかし近年のスマホの普及にともない、人差し指と親指だけの単調なタッチパネル操作が増えて、酷使されるようになったのです。スマホの利便性と経済効果は大きな魅力ではあります。ゲームアプリなどに熱中するのもわかります。しかしほどほどのところで加減をできるのが人間です。
人差し指がばね指になるということは、手がほとんど使えなくなるようなものです。当然テーピングの方法も手のひら全体を覆うような形になります。スマホが必要不可欠の日用品として定着している以上、うまく付き合っていく方法を身に付けなければなりません。
まとめ
ばね指治療におけるテーピング、その効果と必要性
ばね指の診断
治療におけるテーピングの必要性
それぞれの指への対処とテーピング
人差し指のばね指はスマホのせい?