ランニングなどをはじめ、運動中にだんだんと膝に痛みを感じることはありませんか。実は、それは 腸脛靭帯炎 といって靭帯に炎症が起きてしまっている可能性があるのです。怪我を早期に治すためにも、腸脛靭帯炎とはどのような怪我なのか、治療法はあるかなどを知っておきましょう。
膝の曲げ伸ばしが痛い!腸脛靭帯炎が起きているかも!?
腸脛靭帯炎とは?
腸脛靭帯炎とは、骨盤から脛骨の右上部にかけて付着している靭帯である腸脛靭帯が炎症を起こしている怪我です。炎症部分は、膝の屈伸動作により大腿骨外側上顆の部分で起こると言われています。
この腸脛靭帯炎の発症には、性差や競技別の差があり、性差では、男性のほうが多いと言われています。また、競技では、陸上の中・長距離の選手に多くみられると言われています。これは、下肢のアライメントや、競技特性に原因があると考えられています。
腸脛靭帯炎の症状は?
痛みは、運動の始めよりも運動時間が経過した後や、ランニング距離の増加に伴って痛みが出てきます。また、動作では膝の曲げ伸ばしの動きで痛みが誘発され、膝を刺すような痛みが感じられると言われています。
痛みがある部分では、外側上顆部分にある腸脛靭帯の圧痛や軽い腫れ、屈伸動作時の轢音などがみられると言われています。
識別方法
腸脛靭帯炎の識別方法には徒手的検査や病院での検査があります。徒手的検査としては、腸脛靭帯に圧迫をかけながら膝の屈伸をし、痛みの有無の確認をするgraspingテストが適応される場合が多いです。
病院での検査では、MRI撮影によって外側半月板損傷や外側側副靭帯滑液包炎との識別を行います。
怪我をした直後は、徒手的検査を行い怪我の可能性を絞ることは大切ですが、半月板などのほかの組織にも損傷が起きていないかを確実に確認するためにも、病院での検査を行いましょう。
痛みを感じた際の応急処置
痛みが発症した際(急性期)には運動を中止し、痛みが引くまで患部を安静にしながら、アイシングを行い、炎症を抑えていきます。
アイシングを行う際には、患部に少し圧迫を加えながら足を心臓よりも高い位置にあげる(この場合は、寝転がってアイシングを行うと足の挙上が楽になります。)ことで炎症をできるだけ早く抑えることができます。
運動をしながら治療していく場合
慢性期になり、運動を行いながら治療していく際には、足の動かし方を改善しながら行うことがお勧めです。例えば、ランニングを始める場合、開始時には歩幅の大きいストライド走法は避け、なるべく歩幅の短いピッチ走法を心がけることがおすすめです。
また、腸脛靭帯周辺に負担のかかる坂道や路肩に斜度のある場所は避け、土や芝生などの地面が柔らかい場所でトレーニングをすることがおすすめです。
練習が終わった後には、アイシングを必ず行い、すぐに炎症を抑えるようにしましょう。さらに、痛みを感じ筋肉が拘縮している可能性があるので、太ももの外側にある大腿筋膜張筋から腸脛靭帯にかけての部分のマッサージやストレッチを意識して行いましょう。
もともとのアライメントに問題がある人(スネの骨が内側にねじれている場合や明らかなO脚の場合など)は、テーピングを施すことや、インソールを使ってアライメントの改善から行うことが必要です。
以上に、腸脛靭帯炎の原因や治療法などさまざまなことをご紹介しましたが、あくまでも参考ですので、自身の症状にあった治療法を専門家の方に処方してもらうことが早期に治す最大のポイントになります。
特に、アライメントを改善する方法は、自分の身体にあったものを使用することが重要になりますので、市販のものよりも、自分の身体に合わせた専用のものを作成することをおすすめします。
まとめ
膝の曲げ伸ばしが痛い!腸脛靭帯炎が起きているかも!?
腸脛靭帯炎とは?
腸脛靭帯炎の症状は?
識別方法
痛みを感じた際の応急処置
運動をしながら治療していく場合
膝の曲げ伸ばしが痛い!腸脛靭帯炎が起きているかも!?