副鼻腔炎 を発症すると発 熱 することがありますが、風邪と判断してしまうことで治療が遅れることも少なくありません。特に高熱が続く場合は、失明の可能性や髄膜炎を発症する危険性があるため要注意です。
侮ってはいけない、発熱を伴う副鼻腔炎について解説します。
副鼻腔炎による発熱は危険なサイン!?
発熱を伴うことがある、副鼻腔炎のさまざまな原因と症状
副鼻腔炎は副鼻腔の炎症によりさまざまな症状が引き起こされる疾患で、原因の多くは細菌やウイルスの感染、またはアレルギーによるものです。
副鼻腔炎に多くみられる症状は、黄色や緑色の鼻水、鼻づまり、圧痛、頭痛です。そのほかに、発熱、痰を伴う咳、口臭がする、歯が痛む、嗅覚の低下などの症状が起こり、中耳炎を併発することもあります。
急性副鼻腔炎は風邪などをきっかけに発症することが多く、アレルギー性鼻炎を引き起こすことがあります。反対に、アレルギー性鼻炎から副鼻腔炎を発症することもあるのです。
慢性副鼻腔炎の原因は明確にはわかっておらず、ウイルスの感染やアレルギー、遺伝的要因もあるとされています。
また、歯が原因で起こる慢性副鼻腔炎もあり、上の奥歯の膿瘍(のうよう:膿が溜まり赤く腫れた状態で、口腔にできることが多く痛みを伴う)から副鼻腔に細菌が入り込むことで発症します。治療は抗生物質と痛み止めを長期に服用し、炎症と痛みが落ち着いてから歯の治療を行います。
逆に副鼻腔炎から歯の痛みが出ることもあります。副鼻腔と上の歯が近いことから、虫歯や膿瘍がないにもかかわらず歯が痛んでしまうことがあるのです。この場合どんなに歯の治療をしても痛みが引かないばかりか、悪い部分がない歯を治療するわけですから歯にいいわけがありません。
歯の痛みと副鼻腔炎の症状があることを歯科医に必ず伝え、歯の異常があるのかどうか診てもらう必要があります。歯に異常がなければ、副鼻腔炎の治療をすることとなります。
副鼻腔炎による発熱に要注意!
副鼻腔炎では熱が出ないこともありますが、発熱する場合は微熱が多いと言われています。風邪から副鼻腔炎を発症したのであれば発熱じたいは風邪によるものが多いのですが、高熱を伴う副鼻腔炎は危険な症状を引き起こすケースがあるため注意が必要です。
まず、副鼻腔炎によって発熱するしくみをみてみましょう。
風邪やアレルギー性鼻炎による鼻水を放置すると、鼻腔から副鼻腔へ細菌と炎症が広がり、身体はその炎症と戦うために発熱します。
また、膿の混じった鼻水がのどに流れる後鼻漏(こうびろう)により、のどに炎症が起こることで発熱することがあります。このように、副鼻腔炎は風邪と同じように体内で炎症を起こすことから発熱することがあるのです。
発熱や悪寒が起こるときは、副鼻腔以外の部位にも炎症が広がっていることが考えられます。特に高熱が続く場合はかなり進行している可能性があります。
視覚に異常があったり、目の周囲が腫れたりしているのであれば極めて深刻な状態です。数分から数時間で失明してしまう恐れがあるため、速やかに医師の診察を受けましょう。
副鼻腔炎は、頭痛や咳、鼻の症状などから風邪と判断してしまうことが多く、治療が遅れることも少なくありません。副鼻腔炎が重症化すると失明の可能性や髄膜炎を引き起こすことがありますので、早期の治療がとても重要です。
ネバネバした鼻水が大量に出るなどの症状があり、発熱があるときには副鼻腔炎を疑い、耳鼻科で適切な治療を受けることが肝要です。
副鼻腔炎の重症化を防ぐためにできること
熱が出た際の対処法として、できるだけ鼻をかむようにしましょう。これは、鼻水を出すことで熱を放出するためです。また、副鼻腔に鼻水が溜まっていることで症状が悪化してしまいますので、悪化を防ぐためにもできるだけ鼻をかみ、副鼻腔に鼻水を溜めないようにすることが大切です。
症状が悪化する原因として、風邪以外にストレスまたはホルモンバランスの乱れがあげられます。風邪をひかないような生活習慣や、適度にストレスを発散することなどが副鼻腔炎の予防につながりますので、食生活を整える、適度な運動をするなど、日々の生活を見直してみましょう。
かなり症状が進行した慢性副鼻腔炎や、鼻茸といって鼻にポリープのようなものができてしまうと、手術を避けられなくなってしまいます。今回お伝えした症状などを参考に、少しでもおかしいなと感じたら、できるだけ早く医療機関を受診し治療するよう心がけましょう。
まとめ
副鼻腔炎による発熱は危険なサイン!?
発熱を伴うことがある、副鼻腔炎のさまざまな原因と症状
副鼻腔炎による発熱に要注意!
副鼻腔炎の重症化を防ぐためにできること