みなさんは「 ツボ 」にどのようなイメージをお持ちでしょうか。 五十肩 になっても湿布や飲み薬などと比べて馴染みが薄く、本当に効くのか訝しく思う方も多いかもしれません。
しかし、ヒトのからだには余程無茶な症状で無ければ自然治癒力が備わっているのです。ぜひ一度、ツボ押しをお試しになってはいかがでしょうか。
つらい五十肩をツボ押しから改善する
足うらにあるツボ・五十肩点
五十肩の正式な病名は、「肩関節周囲炎」といいます。筋肉、関節包、靭帯、腱板などの組織の炎症が起き、肩関節の可動域に制限が発生します。40~60代の方に多いようです。
さて、足うらにある「五十肩点」というツボは、併せて肩のほうもしっかり刺激すると血流が促されて症状が軽くなります。右肩が悪いときは右足を、左肩が悪いときは左足を刺激してください。予防のためには、面倒くさがらずに両足を揉むことをおすすめします。
五十肩点の位置は、薬指と小指の股の間からまっすぐ下がったふくらみの部分です。人差し指の付け根の下から小指の方向に、首から肩に効くツボが並んでいます。この部分を丹念に刺激すると、首から肩にかけての血流がスムーズになり、肩のコリがほぐれていくのが実感できるでしょう。
より効果的な揉み方は、人差し指の方から小指側へ向かって流れるようによく押し揉むことです。根を詰めずに出来るだけ姿勢を良くして血流をイメージしながら揉むと良いでしょう。
腕にあるツボ
一つは、手首に近い腕先の外関(がいかん)ツボです。前腕外側で手首の関節の真ん中から指2本分くらい手前のところを強く刺激してください。
二つめは、尺沢(しゃくたく)です。肘の内側にある横ジワの線上で、親指寄りのツボです。親指の先をツボに置き、ゆっくり息を吐きながら押します。圧痛が強いのは強く押しすぎということですので、ゆっくりやさしく押しましょう。
腰にあるツボ・大転子(だいてんし)
直立して腸骨の下に手を当てて、足を上げると大きな骨の角が動くのがわかるでしょうか。これが大転子です。まず、壁にすりこぎを直角に立てて、細い側が大転子に当たるようにします。次に、ひびきが感じるように押し付けます。
そして、左側の痛みには右足の大転子、右肩の痛みには左足の大転子を刺激します。いずれの刺激も1日に何回でも行うことができます。
肩にあるさまざまなツボ
一つは、肩ぐうです。肩の先端にあるツボで、腕を真横に上げるとくぼみができるところです。肩ぐうのツボは、反対側の手の中指で押します。二つめは、雲門(うんもん)です。肩関節の根元から少しだけ胸の側に入った鎖骨の下のくぼみの部分です。指で少し強めに押してください。
そのほかにも、肩井(けんせい)、天穴(てんけつ)、腎穴(じんけつ)などのツボがあります。背中にあるツボなどご自身では届きにくいところは、家族や親しい方に押してもらえば良いコミュニケーションの時間にもなります。
どちらの部分のツボを押すときにも、いきなり押すのではなく、痛みのある肩全体を温めて、お風呂上がりなどに行うと良いでしょう。
ツボ押しの注意点
次のような状態の方は、ツボ押しはお控えください。①ツボ周辺に怪我や火傷などの異常がある場合、②飲食後30分以内、サウナに入った後、③飲酒時、④発熱時、⑤手術後、⑥妊娠中、特に安定期前は危険です。
また、痛みがひどいときには、「さする」だけでも十分です。力任せや長時間同じツボを刺激し続けるのも避けましょう。炎症を起こしたり、筋肉を傷つけてしまう恐れがあります。「正しいツボ押し」の方法が、ご自身にも合っているとは限りません。
いろいろ試してみたけれど、やっぱり湿布や飲み薬のほうが効くようだと分かればそれで良いのです。
まとめ
つらい五十肩をツボ押しから改善する
足うらにあるツボ・五十肩点
腕にあるツボ
腰にあるツボ・大転子(だいてんし)
肩にあるさまざまなツボ
ツボ押しの注意点