突然激痛が襲ってきて、まさに、七転八倒しもがき苦しむような頭痛が 群発頭痛(ぐんぱつずつう)です。痛みは、なかなか収まらず数分で治る場合は稀です。平均3時間〜4時間は痛みが続き、人によって1日中続くこともあります。
何もする事が出来ず、ただ痛みに耐えるだけの群発頭痛。毎年同じ時期に現れるので、その頃になると恐怖感に襲われ、とても憂うつになる方もいます。
恐るべきその痛み!謎多き群発頭痛とは?
群発頭痛とは
群発頭痛はまだその原因が解明されていません。血管性の頭痛であろうと言われており、目の後ろにある動脈が腫れて痛むのではないかと推測されています。
症状は主に頭の片側が痛み、目の奥がドリルやキリでグリグリと突き刺されて入るほどの激痛で、あまりの痛さに叫んだり、壁に頭を打ちつけたりする方もいます。
激痛とともに目は充血し、涙と鼻水が止まらないのが特徴的な症状です。
この痛みは、出産時よりも痛いようです。心筋梗塞、尿路結石と並ぶ3大痛の1つと言われています。あまりの痛さに自殺を考える人もいるようで、拳銃の保持が許されているアメリカでは痛みに耐えきれず実際に自殺する方もいます。
ですので、別名「自殺頭痛」とも呼ばれます。名前の由来ですが、群発地震のように一定の時期に何度も繰り返し症状が現れることから、この名が付きました。20代から40代の働き盛りの男性に多く、1,000人に1人が発生します。男性の発症率は、女性の3~7倍です。
群発頭痛の原因
群発頭痛の原因はまだ不明な部分が多いです。おそらくは脳の血管が膨張することによって起こるのではないかと考えられていますが、偏頭痛のように三叉神経が刺激されて起こる頭痛ではないので、市販の鎮痛剤は全くといっていいほど効きません。
必ず病院で薬を処方してもらう必要があります。しかし、安価とはいえず、頭痛のたびに服用しなければならないのでかなりの負担となり、問題となっています。
タバコやアルコールが引き金になって起こることが多いので、この時期はタバコを控え、禁酒しなければなりません。群発頭痛の時期が過ぎるとお酒もタバコも大丈夫になります。
また夜勤などや仕事のし過ぎやストレスが原因とも言われています。パソコン中心のデスクワークを深夜までする生活が続く、責任ある地位の男性に多いというデータもあります。
夜中や明け方に痛むことが多く、寝るのが怖くなり寝不足になったりします。生活のリズムの乱れにより体内時計が狂い、自律神経が正常に働かないことこそ1番の原因とも言われていますので、長期的な生活の改善が必要です。
群発頭痛の治療法
群発頭痛患者の治療は主に毎分7リットル以上の酸素吸入とスマトリプタンという皮下注射を行います。
市販のコポコポといった酸素吸入や、スポーツ選手用の酸素ボンベが効かないわけではありませんが、ほとんど効果はありません。
かなりの量の酸素が必要ですので、必ず病院で酸素吸入するべきです。病院によっては高額ではありますが、携帯用の酸素ボンベを貸し出してくれるところもあります。
スマトリプタン注射は糖尿病患者と同様に、家庭でも打つことが出来る注射です。いずれも医師と相談して進めていきます。
群発頭痛の種類
群発頭痛には2種類あります。
群発頭痛が1週間から数ヶ月続いた後は症状は見られず、また翌年の同時期に群発頭痛に襲われる、「反復性群発頭痛」です。
もう一つは、1年を通してほぼ毎日のように同じ時間帯に群発頭痛がある「慢性群発頭痛」です。
群発頭痛の予防
群発頭痛は発作が起きる時期と時間帯が、ある程度予測がつく頭痛です。ノートなどに頭痛が起こった日付などをメモしておき、その時が近づいたら予防の準備をします。
保険適用外ですが、カルシウム拮抗薬という予防薬もあります。ただし心不全の副作用が報告されていますので医師と話し合い、服用するかどうかは決めます。またこの時期、飛行機には乗らずに規則正しい生活をして、お酒タバコは前もって控えておきましょう。
生活の改善
群発頭痛はそもそも不規則な生活習慣による自律神経の乱れから引き起こされています。夜勤や深夜までのパソコン、飲酒喫煙など、昼夜逆転の生活で狂ってしまった体内時計は、毎日少しずつの改善で徐々に元に戻ります。
規則正しい生活、適度な運動を日々の習慣にすることを心がけ、健康で快適な毎日を取り戻しましょう。
まとめ
恐るべきその痛み!謎多き群発頭痛とは?
群発頭痛とは
群発頭痛の原因
群発頭痛の治療法
群発頭痛の種類
群発頭痛の予防
生活の改善