胸やけなどの症状がある逆流性食道炎。生活習慣、特に高脂肪・高カロリーの食生活が発症の主な原因です。逆流性食道炎は、適切な対処をしないと胃がんを引き起こす原因にもなる恐ろしい病気です。
今回は、 逆流性食道炎 の 治し方 と対処法を紹介します。
放置すると胃がんになることも!?逆流性食道炎の治し方と対処法
胃の入り口が緩む?逆流性食道炎の仕組みと主な症状
健康な人の場合、胃と食道の境目にある噴門(ふんもん)は、胃液を逆流させないために、しっかりと閉じています。けれども、何らかの原因で噴門が開いた状態になってしまうと、胃液が食道へ逆流してしまうのです。
胃液には、コンクリートを溶かしてしまうほどの強酸性の胃酸が含まれています。胃の粘膜は、胃を胃酸から守る働きをしますが、食道にはその粘膜がないので、胃液が食道に触れると炎症が起きてしまうのです。これが、逆流性食道炎と呼ばれる病気です。
逆流性食道炎の主な症状には、胸やけや呑酸(どんさん)、物を飲み込んだときにのどがつまるような感じがする、咳、ゲップがあります。
胃酸が食道に逆流してしまう原因は?
胃酸が食道に逆流してしまうのは、閉まっているはずの噴門が緩んでしまうからです。それでは、噴門が緩む原因を説明します。
脂肪分の多い食事、アルコールの摂取
食べ物から摂取した脂肪が十二指腸にたどり着くと、消化を促すCCKというホルモンが分泌されます。急にたくさんの脂肪分が体内に入ると、このホルモンは脳の満腹中枢に胃と腸の出入り口を閉めるように頼み、同時に噴門は緩めるようにするのです。
また、アルコールの摂りすぎも噴門を緩める原因の1つになります。
肥満、姿勢の悪さ
肥満の人は、噴門が緩みやすくなります。また、猫背や前のめりをするくせのある人の噴門も緩みやすくなります。どちらの場合も、胃が外側から圧迫されてしまうからです。
加齢
噴門は、加齢が原因でも緩んでしまいます。
そして、胃酸の増え過ぎも、胃酸が逆流する可能性を高くします。甘い食べ物やタンパク質の多い食べ物を食べたり、アルコールを摂取したりすると、胃酸は多く分泌されるようになります。また、喫煙も胃酸を増やします。そして、太り気味の人は、胃酸が多く分泌されるのです。
逆流性食道炎を治し、予防する生活習慣
逆流性食道炎を治すためには、噴門が緩まないように、そして、胃酸が出すぎないように、生活習慣や食生活を見直す必要があります。
まず、脂肪分の多い食品を一度に多く摂らないことが重要です。また、アルコールや喫煙も控えなくてはいけません。そして、特に食事の後は、前のめりや猫背にならないように気をつけましょう。
さらに、太っている人はダイエットをするなどして体重を減らすことが、逆流性食道炎を治したり、予防したりすることにつながります。
逆流性食道炎を薬や手術で治す方法
逆流性食道炎を治すためには、胃酸を食道に逆流させないように生活習慣を改善するようにしなくてはいけませんが、薬や手術による治療が必要な場合もあります。逆流する胃酸の量を少なくするために、胃酸を抑える薬が使われます。
また、胃酸の酸性を中和する制酸薬が使われることもあるのです。ただ、薬は全ての人に効くわけではありません。
例えば、食道裂孔ヘルニアが原因の逆流性食道炎の場合は、手術が必要になることもあります。正常な場合、胃は横隔膜の下にあり、噴門は開かないように横隔膜で周りから抑えられています。
けれども、肥満などが原因で胃が上に持ち上げられて、胃が横隔膜の上に出てしまうと、噴門が開いた状態になり、胃酸が逆流しやすくなってしまいます。
食道裂孔ヘルニアの手術は、内視鏡を使って開腹手術よりも体に負担が少なく行うこともできます。手術では、食道の周りにできた横隔膜の隙間を縫い、胃の一部を食道に巻き付けて縫って胃酸が逆流しないようにします。
胸やけが治まらないときは、病院へ
逆流性食道炎が長く続くと、胃がんを引きおこす原因になってしまいます。生活習慣や食生活を改善しても、胸やけやのどが詰まった感じが治らない場合は、すぐに適切な医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
放置すると胃がんになることも!?逆流性食道炎の治し方と対処法
胃の入り口が緩む?逆流性食道炎の仕組みと主な症状
胃酸が食道に逆流してしまう原因は?
逆流性食道炎を治し、予防する生活習慣
逆流性食道炎を薬や手術で治す方法
胸やけが治まらないときは、病院へ