風邪やインフルエンザ・花粉の飛散・ハウスダストと、世の中は鼻づまりを引き起こす要素に満ちあふれていると言っても過言ではありません。これらの外部要因を引き金として、 鼻づまり の症状を引き起こす直接的な 原因 について、三つに分けてご案内します。
鼻づまりを引き起こす三つの原因
鼻づまりになる理由
鼻づまりになるのは、鼻の穴(以後、鼻腔と表します)に何らかの障害が出来て、呼吸する空気の通りが悪くなるからです。鼻腔は、外部から異物が侵入しないように、とても複雑で繊細な構造をしています。
そのため、わずかな腫れや異物の混入、気象条件の変化によって過剰に反応し、鼻孔がふさがれた状態になり、鼻づまりを引き起こしてしまうのです。
鼻づまりになる原因としては、鼻水の分泌や鼻粘膜の腫れ、鼻腔内の変形などがあげられます。そしてこれらは、何らかの病気と係わっているケースが少なくありません。
鼻水による鼻づまり
急激な冷気を吸ったときや、タバコの煙、香料などによって鼻水が出て、一時的に鼻づまりになることがあります。これはアレルギー性の鼻炎とは違い、急激な変化に対する血管の収縮・拡張運動によるもので、血管運動性鼻炎と呼ばれています。
アレルギー性鼻炎においても、鼻水が出て、鼻づまりを起こすことがあります。これらの鼻炎による鼻水は比較的さらりとしているので、鼻づまりの症状としても軽い場合が多く、それほど悩まされることもなく治まります。
鼻水が出るということは、身体が異物を排出しようとしていることです。鼻をかまずに、いつまでも鼻腔内でグズグズさせていると、細菌感染による二次的な炎症を引き起こしかねません。速やかな対処が望まれます。
鼻腔内の炎症
鼻炎において鼻づまりの直接的な原因となるのは、鼻粘膜の腫れ、浮腫(ふしゅ)と呼ばれるものによります。浮腫とは、水分によるむくみのことを言います。
これは、何らかの刺激により鼻粘膜を通る毛細血管が拡張し、血液中の水分が血管からもれ出てしまうことによって起こります。もともと鼻腔内は複雑な形をしているので、わずかな浮腫によってかんたんに鼻づまりを引き起こしてしまいます。
風邪をひいたときなど、はじめサラリとして水っぽかった鼻水が、だんだん粘り気をまし鼻づまりを引き起こしてしまうことがあります。やがて黄色や緑色っぽい粘り気のあるものに変わります。これは風邪の症状の段階で治っていく兆候でもあります。
慢性的な鼻づまりで悩まされている人の多くは、副鼻腔炎(ふくびくうえん)と診断されているようです。風邪ウイルスの二次感染による急性副鼻腔炎などは、鼻づまりの他にも頭痛などの症状が表れます。
副鼻腔炎というのは、鼻の粘膜の炎症が、副鼻腔と呼ばれる空洞化された骨の中までに広がり、痛みや粘り気のある鼻水の分泌を促してしまう病気です。
この粘り気のある鼻水が、鼻腔内に溜まり鼻づまりを引き起こします。
鼻腔の変形による鼻づまり
日本人の多くは、鼻の形に異常があると言われています。先天的な方もいらっしゃるでしょうし、子供の頃の骨の発育形成期に、何らかの外傷を受けたりして、左右の鼻腔のバランスがずれている方も少なくありません。
しかも幼少の頃ですので、記憶に残っていなかったりします。この鼻腔内の形の異常を、鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)と言います。いつも左右どちらかが鼻づまりになるという方は、鼻中隔湾曲症である可能性があります。
鼻中隔湾曲症は、矯正手術によって治す方法と、点鼻薬による対症療法があります。ただし点鼻薬はあくまでもひどい場合のみの一時的な使用にとどめて下さい。常用すると、血管が拡張し鼻粘膜が肥厚し、ますます鼻づまりを起こしやすくなります。
副鼻腔炎による炎症が繰り返されると鼻たけといわれるポリープが出来ることもあります。ポリープの除去は医師への相談が必要になります。
まとめ
鼻づまりを引き起こす三つの原因
鼻づまりになる理由
鼻水による鼻づまり
鼻腔内の炎症
鼻腔の変形による鼻づまり