皆さんは片方だけ 鼻づまりの状態に見舞われたら、どう思われますか?両方でなくて良かった、片方なら何とか我慢できると安堵している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その症状は片方が鼻炎でもう片方は健康という保証はありません。もしかすると重篤な病気のサインである可能性もあります。油断せずにチェックしてみましょう。
両方より怖い?片方だけの鼻づまり
体質によるところが大きい病気
一つは「慢性副鼻腔炎」です。慢性的な症状になると鼻の中に「水ぶくれ」のようなデキモノが誕生します。このデキモノを鼻茸(はなたけ)とよび、鼻粘膜がキノコ状に膨れたものをイメージしてください。鼻茸ができたばかりの症状の一つに、左右交互の鼻づまりがあります。
その後で両鼻の鼻づまりでピンチに陥り、耳鼻科に駆け込むケースが多いようです。
二つめは「鼻中隔側湾症」です。鼻の穴のことを「鼻腔」とよび、二つの鼻腔を仕切っている壁の部分が鼻中隔です。鏡でご自身のお鼻をよく観察してみてください。全くの左右対称ではないのがわかるかと思います。
鼻中隔も鼻の中心ではなく、左右どちらかに大きく曲がっていることがあります。曲がっているのは生まれつきだったり、長年の寝相、副鼻腔炎の症状などさまざまですが、片方だけ鼻づまりの原因にもなります。
運悪く発症する可能性のあるベスト3
虫歯になったことのない方は意外に思われるかもしれませんが、お口とお鼻はつながっていますので虫歯が原因で鼻づまりが起こることがあります。
虫歯が悪化すると、上あごの歯の根元が副鼻腔(鼻の奥にある空間)に飛び出すようになってしまい、虫歯菌が副鼻腔に侵入して化膿します。これを「歯性上顎洞炎」とよびます。蓄膿症とよく似た症状ですので、虫歯のせいとは気づかなくても無理はありません。
虫歯をずっと我慢していて、片方鼻づまりの自覚のある方はそろそろ観念してまずは歯医者さんに、その後耳鼻咽喉科に診てもらいましょう。
そして、「副鼻腔真菌症」です。副鼻腔にカビが侵入し、抵抗力がないと増殖して炎症が起きます。片方だけ鼻水、鼻づまりが梅雨~夏のかけてだけ毎年あるような、という方は要注意です。
原因はアスペルギルスというカビで、どんなに清潔を心がけているご家庭にもいる繁殖能力の高い菌です。湿度の高い梅雨~夏の間、増殖します。
通常、吸い込んだカビは免疫反応によって撃退されるのですが、体力が落ちていたりして抵抗力が弱いと発症することがあります。
最後は、「上顎洞ガン」です。上顎洞(副鼻腔の一つ)にガンができます。詳細な原因は現在のところ解明されておらず、死に至ることもある恐ろしい病気です。
食べ過ぎが内臓のガンを引き起こすように、体質に合わない細菌やホコリ、タバコなどの悪性物を吸い続けると個人差はありますが上顎洞の粘膜が傷つきます。
慢性化した炎症は、呼吸をしている限り自然に治ることは期待できません。細胞がガン化してしまいます。片方だけの鼻水、鼻づまりが黄色くネバついていたり血が混じっていたら早急に病院へ行きましょう。
単に鼻がつまっていることも
寝不足で歯茎が腫れるように、病気でなくとも片方鼻づまりになることはあります。そんなときは鼻の中が最も清潔なお風呂上がりの寝る前に横になって、小鼻の脇の「迎香」というくぼみを押してみましょう。
両方のくぼみに人差し指を1本ずつ当てて、下から上へ軽く押し上げるように3秒ほど押します。あまり強く押すと鼻血が出るかもしれませんので、加減してください。
10秒くらい休んだらもう一度、を3回繰り返してひと晩休んで経過をみます。病気でないとすれば、血流が良くなって鼻づまりが解消しているはずです。
まとめ
両方より怖い?片方だけの鼻づまり
体質によるところが大きい病気
運悪く発症する可能性のあるベスト3
単に鼻がつまっていることも