鼻づまりの原因が何であるかということと、症状の状態や患者の年齢層によって手術の方法が変わってきます。現実問題としては、複数の要素が絡み合うことがありますので、いくつかの手術を組み合わせることが多くなります。 鼻づまり の原因と、適応する 手術 についてご案内します。
手術で解消する鼻づまり!その原因と適応する手術法
- 目次 -
鼻づまりの主な原因
おおよそ鼻づまりになるのは、風邪やインフルエンザなどのウイルスによる鼻孔内の炎症か、もしくは花粉やハウスダストなどによる鼻粘膜の損傷という原因が考えられます。
また生来の鼻のかたちにより左右どちらかの鼻孔がふさがりやすい方も少なくありません。このような方々を鼻中隔湾曲症と言います。
鼻中隔湾曲症というのは、左右の鼻孔を隔てる二枚の板状の骨とそれらをつなぐ軟骨からできています。出生時には真っ直ぐなのですが、成長と共にゆがんでしまいます。なぜゆがんでしまうかと言うと、三枚の板状の骨が同じように成長することがむずかしいからです。
外部からの衝撃もあります。ですから大人の人の鼻は曲がっている場合が多いのです。この湾曲のひどい状態を鼻中隔湾曲症と言います。そのままでもとりあえずは生活に支障はないかもしれません。しかし鼻づまりの悪化や、睡眠中の呼吸障害などへ発展することもあります。
鼻中隔湾曲症は、骨のゆがみですので自然と治ることもありません。治すためには、手術が必要になります。医学はずいぶんと進歩しました。より安価に、手軽にできるようになったことから、矯正手術に踏み切るという方は大勢いらっしゃいます。
鼻中隔矯正手術(びちゅうかくきょうせいしゅじゅつ)
成長と共に形成されていくのが鼻中隔という骨ですので、鼻中隔矯正手術を施すことのできるのは、鼻中隔の成長の定まった年齢以降、だいたい16歳以上ということになります。
この手術は、鼻腔から1㎝程度のところを切開し、ふぞろいに湾曲してしまった鼻中隔の骨と軟骨を切除します。左右の鼻腔の通りが均等になるように矯正します。通常、粘膜下下鼻甲介骨切除術と併用して行われます。
この手術は1時間程度で終わりますが、術後1週間ぐらいは止血のためのガーゼを鼻腔内に入れておきます。そのため息苦しく感じることもありますが、特に出血をうながすような行為をひかえておけば、術後1カ月で完治します。
鼻茸切除術(はなたけせつじょじゅつ)
鼻茸といわれる鼻腔内の炎症を切除する手術です。局所麻酔を施し、専用の掘削機械のようなもので切除します。止血用のガーゼは1週間ほど必要です。鼻茸の大きさによって術後の経過に違いが出ます。
鼻腔粘膜焼灼術(びくうねんまくしょうしゃくじゅつ)
腫れた粘膜を焼いて減らす方法です。比較的安価で、身体にも負担のない手術です。
局所麻酔のあとに、鼻の穴から高周波メスを入れて炎症のある粘膜を焼きます。レーザー治療や高周波凝固法、化学的焼灼などのさまざまな方法が行われています。
術後1カ月は鼻血の出やすい状態が続きます。また、しばらくの間はできるだけ鼻をかまないよう注意が必要です。
粘膜下下鼻甲介骨切除術(ねんまくかかびこうかいこつせつじょじゅつ)
粘膜の骨を切り取って、粘膜を減らす手術法です。骨にかかわる手術ですので、骨の成長段階に行われることはありません。16歳以上が対象となります。
術後2週間ほどは鼻腔内の洗浄が必要になります。この手術は、鼻中隔矯正手術とセットで行われることがあります。その理由についてご説明します。
成長段階においてひずみの出てくる鼻中隔は、複雑に湾曲しているので、単純に片方が狭くてもう片方が広くなっているとは限りません。
さらに、人間の身体には不便さを解消しようとする自律神経のはたらきがあります。
片方だけの鼻孔がせまく、左右のバランスが悪いと感じた自律神経は、もう片方の広い方をせまくしてバランスをとろうとします。そのため鼻孔内の粘膜と骨が張り出してくるのです。したがって、本来なら鼻中隔湾曲により広いはずの鼻腔がせまくなり、鼻づまりが起こりやすくなるのです。
まとめ
手術で解消する鼻づまり!その原因と適応する手術法
鼻づまりの主な原因
鼻中隔矯正手術(びちゅうかくきょうせいしゅじゅつ)
鼻茸切除術(はなたけせつじょじゅつ)
鼻腔粘膜焼灼術(びくうねんまくしょうしゃくじゅつ)
粘膜下下鼻甲介骨切除術(ねんまくかかびこうかいこつせつじょじゅつ)