半月板損傷は治療方法の選択を大切にしなければ将来に大きく影響する怪我です。目先の自分だけのことを考えた治療を選択すると、将来の自分にさらなる怪我を残してしまうこともあるのです。
いつまでも楽しく生活できるためにも、 半月板損傷 のさまざまなポイントをご紹介します。
半月板損傷を詳しく知り治療法の上手な選択を
半月板とは?
半月板とは、太ももの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨)との間に挟まれている繊維軟骨のことで、膝の安定や、クッションの役割などをしています。
半月板を上から見ると、内側と外側に存在していて、内側と外側で非対称のC字型をしています。まれに、円盤形になっているかたや、厚みが少ない方などもいるといわれています。
この半月板はほとんどの組織に血液が流れていないため、損傷してしまうと回復できない部位ではありますが、外周の一部には血液が流れているため、半月板の外周の損傷では回復が見込まれる場合もあります。
半月板損傷の病態
半月板損傷は、受傷原因がさまざまな怪我と言われています。そのため、病態もさまざまあります。半月板単独で損傷する場合や、靭帯損傷に合併して損傷してしまう場合もあります。
損傷の形もいくつかあり、斜断裂や横断裂、縦断裂、バケツ柄断裂などがあります。この損傷の形はMRI撮影で確認ができます。
半月板損傷の特徴
半月板損傷は、外傷や先天的な半月板の形、加齢変化などが原因で起こることが多いと言われています。
外傷による損傷では、軽い外傷が繰り返される場合や、ひねりや衝撃などの大きな外傷により生じる単独損傷、靭帯損傷に合併して起こる場合があります。
半月板の形が外側円盤状だと外傷による損傷が起きやすいといわれています。ちなみに、この形状は日本人に多いと言われています。
加齢変化が起こりはじめる中高年の方は軽い衝撃でも半月板を損傷しやすいので、より注意が必要です。
半月板損傷の症状
半月板を損傷してしまうと、その断裂の形態によって症状はさまざまですが、主な症状膝関節の痛みや関節可動域の制限、膝が腫れる(水が溜まる)、太ももの筋肉が萎縮するなどがあります。
また膝を動かした場合に引っかかり感や不安定感がある場合もあり、バケツ型の断裂になると膝を完全に伸ばせなくなってしまいます。
半月板損傷の治療方法
半月板には大きく分けて2種類の治療があります。保存療法と手術療法です治療方法を選ぶポイントがいくつかあり、損傷部位や臨床症状、合併損傷の有無、断裂の形、現在のその人の状況などを考慮して判断されます。
ただ、半月板は膝関節を稼働させるために重大な役割を担っていますので、できる限り保存療法を選ぶという考えの医師が多いといわれています。
保存療法は、主に疼痛をコントロールし、半月板の損傷によって引き起こされる膝周辺の筋力の低下を予防し改善する、関節の拘縮の改善などを目的として行われます。
手術療法では、損傷した部分を縫合する方法や半月板自体を摘出してしまう方法があり、半月板の治癒、疼痛の原因を除去することが目的として行われます。
血液が流れている半月板の外周部分では、術後の回復が見込めるため、縫合術を行う場合が多いとされていますが、それ以外の部分では摘出手術が選択されることが多いです。
ただし、半月板は膝関節を正常に動かすためにとても重要な働きを担っており、切除してしまうと膝の軟骨がすり減ってしまうことや、関節症性変化が起きてしまう可能性が高いため、できる限り半月板の除去手術は選択しないことをおすすめします。
このように、半月板損傷の病態や症状、治療方法はさまざまなものがありますが、まずは、将来の自分のことを考えた治療を選択することが重要です。これからの自分っをしっかりと見据えた治療方法を医師としっかりと相談したうえで選択することをおすすめします。
まとめ
半月板損傷を詳しく知り治療法の上手な選択を
半月板とは?
半月板損傷の病態
半月板損傷の特徴
半月板損傷の治療方法