もしもあなたが膝の違和感に気がついたら、まず原因を知るために整形外科で診察してもらう必要があります。膝の病気が進行すると生活の支障となり大変です。病気を理解したうえで悪化を防ぐための努力をはじめましょう。
今回は、 変形性膝関節症 についてご説明いたします。
その症状は変形性膝関節症かも?膝の悪化防止に役立つはなし
変形性膝関節症とは?
年齢を重ねると心配になってくる関節症。中でも膝痛を抱える中高年は多く、膝痛をひきおこす病気で最も多いのが変形性膝関節症です。変形性膝関節症は膝の軟骨がすり減り、炎症が起こるなどして痛みが生じる病気で、動かした時だけ痛むという特徴があります。
一方、動かさない時にも痛みがある病気では関節リウマチの他、半月板の損傷や痛風などもありますので、病名特定には整形外科でレントゲン検査などの診察を受ける必要があります。
軽度から重度までの症状
では変形性膝関節症はどのような症状から始まるのでしょうか。初期段階では、膝を動かすと音がする、起床時に膝がこわばる、歩行が長時間になると痛むなどの症状がみられます。
この時、以前は柔らかくツルツルだった軟骨が劣化し擦り減り始めていると思われます。軟骨は4ミリほどの厚さでタイヤのゴムのような硬さですが、年齢とともに少しずつザラザラになり柔軟性が失われ、関節がダメージを受けやすくなります。
それから数年を経て中度に移行すると、短時間の歩行でも痛みが生じ、階段の上り下りがつらく感じます。姿勢をみると起立しても膝が伸び切らない様な状態となります。
また、摩擦によって剥がれた軟骨組織の破片が原因で炎症がおこり膝に関節液が溜まるという症状がでることもあります。関節液が溜まると痛むため注射器で抜くなどの処置が必要になります。
さらに軟骨がすり減った重度では、動かさなければ痛まなかった痛みが常にあるようになり、歩行が困難になります。60代以降ではこのような症状が多く見られます。
原因について
大まかに変形性膝関節症を発症する要因としてあげられるものは、老化、肥満、O脚、体質、その他スポーツによる怪我などがあります。
これまでの流れでみると変形性膝関節症による痛みの原因は軟骨の擦り減りのように思えますが、実際には擦り減っていても痛みが生じない例も多く見られます。つまり痛みの原因は関節のバランスの崩れであると思われます。
具体的には筋力の低下、体内コラーゲンやヒアルロン酸の減少、その他身体のゆがみなどの要因が影響し合っていると推測できます。
その中でも筋力低下により太ももの筋力が弱まると膝関節の負担を補えず関節のバランスを崩す原因となります。またコラーゲンの減少により滑膜が薄くなると軟骨がダメージを受けやすくなります。
他にはO脚やX脚による長年のアンバランスな負担が軟骨の擦り減りに影響している場合も多いようです。
治療法いろいろ
変形性膝関節症では痛みを抑えるための薬物療法(消炎鎮痛剤の服用や関節内注射)や温熱療法(赤外線や温湿布など)、矯正のために足底板やサポーターを使用するなどが主な治療となります。そのほか体重を減らす必要がある場合は食習慣や運動の指導が行われます。
重度になり痛みがひどい場合はヒアルロン酸の注射、さらに進行すると人工関節置換術などの手術も行われます。
変形性膝関節症は軟骨がすり減ることによって起こり、軟骨の再生は不可能であるため治療は簡単ではありません。しかしながら痛みを軽減し、不都合を感じさせないよう膝のバランスを整えることは可能であるといえます。
そこでできるだけ病気の進行を遅らせるための治療として筋力トレーニング、併せてストレッチが重要です。またコラーゲンやグルコサミンなどの栄養補給も効果が期待できます。
筋力トレーニングとストレッチの重要性
適度な運動により膝関節の周りの筋肉や靭帯を鍛えることで関節の負担は軽くなります。また毎日のトレーニングで筋肉が柔軟になり、痛みの原因の一つとなる筋肉の緊張をほぐす効果が期待できます。
ただしトレーニングを独自に行う場合はなるべく膝への負担が少ないウォーキングなどの有酸素運動から始め、スクワットなどで太ももを中心に強化する筋トレを取り入れていきます。
また、年齢を重ねると筋力の低下とともに関節が固くなってきます。筋力トレーニングの前にはストレッチを行う必要があります。
ストレッチを行うと関節が柔らかくなり可動域が広がり運動がスムーズになります。同時に血行が良くなり新陳代謝も上がります。これにより軟骨が関節液から栄養補給しやすくし、老化の進行を遅らせる効果があると思われます。
まとめ
その症状は変形性膝関節症かも?膝の悪化防止に役立つはなし
変形性膝関節症とは
軽度から重度までの症状
原因について
治療法いろいろ
筋力トレーニングとストレッチの重要性