頻繁に偏頭痛がある方たちの多くで悩んでおられることが、どうやって急激な激痛を抑えるか、です。前兆のある方は予防もできますが、いったん頭痛がはじまってしまうと、どうしてよいやら。
ここでは、 偏頭痛 の 治し方 の基本療法をご紹介いたします。
偏頭痛の治し方の基本は薬物療法
基本は薬物療法
偏頭痛の治し方として、食事療法あるいは偏頭痛特有の激痛を解消できる独自の方法などを実践しておられる方も大勢いらっしゃいますが、効果の観点からいいますと、偏頭痛の治し方の基本は薬物療法になります。
薬物療法には、頭痛の発作が起こったときに対処する急性期療法、そして頭痛の発作を起こりにくくするための予防療法にわけられます。
多くの方では急性期療法を行いますが、痛みが強く回数が多い方には予防療法を取り入れています。どのような薬物を使用するのか、それらのメリットとデメリットをご紹介いたします。
消炎鎮痛剤
薬局で市販されている炎症を抑えるための鎮痛剤は、痛みがひどくなっていない段階で服用することで効果を発揮します。しかし、痛くなりそうだからといった段階で予防の意味で鎮痛剤を服用することは避けてください。
乱用を続けると薬物性頭痛を招く可能性があります(10日以上続けて服用しないでください)。鎮痛剤は痛みがすでにひどくなっているときに服用しても効果があまりありません。
エルゴタミン製剤
偏頭痛の原因は血管の拡張です。病院で処方されるエルゴタミン製剤は、血管拡張を抑える作用をもっていますので、前兆のある方や頭痛が全く起こっていない段階で服用すると効果を発揮します。
しかし、血管障害や心疾患のある方は使用ができず、痛みが出ているときに服用しても効果があまりありません。稀に吐き気、めまい、手足のしびれを感じる方もおられますので、そのような場合は使用を中断します。
トリプタン系製剤
トリプタン系製剤は、病院で処方される最新の偏頭痛薬で、偏頭痛の痛みの原因となる物質「神経ペプチド」の放出を抑え込み、拡張した血管を収縮させ、三叉神経が受けた刺激の情報を大脳へ伝達することをブロックする、というトリプル作用が特徴です。
この薬は痛みが出た後でも速やかに効果を発揮します。また、痛みだけではなく、吐き気や嘔吐、光過敏や音過敏も抑えます。しかし、血管障害や心疾患のある方には使用ができません。
偏頭痛の予防効果のある薬物
抗うつ薬、β遮断薬、抗てんかん薬(バルブロ酸)、カルシウム拮抗薬、は偏頭痛を予防する効果がある薬物として知られています。病院で処方してもらいます。
薬物療法はなるべく避けたい
偏頭痛の痛みは辛いけれど、薬には頼りたくない、そう考えておられる方は大勢います。薬物乱用になりたくない、胃が荒れる、など理由は様々です。
偏頭痛に悩む多くの方は、日常生活において偏頭痛がなるべく起こらないような環境づくりをしておられます。偏頭痛の誘発要因を排除することが主な対策(人によって効果の差があります)です。まず、空腹時に偏頭痛が起こりやすいため、3度の食事を規則正しく食べることが大切です。
また、チョコレートとワインも偏頭痛を起こしやすいようですので、なるべく摂取しないようにします。睡眠も大切です。特に寝不足は注意してください。
月経関連偏頭痛の方は、前もって偏頭痛が起こるタイミングと期間がわかっているので予防薬を服用しています。ホルモン療法や経口避妊薬を服用されている方は、偏頭痛の痛みが出たらすぐに継続を中断しています。
偏頭痛に効果があるといわれている漢方薬やハーブ茶を飲む方もおられます。カフェインも鎮痛作用があります(カフェイン過剰摂取には注意してください)ので、ちょっと痛いなぁというときにコーヒーを飲む方もおられます。
それでも偏頭痛が起こったら
とにかく安静にしてください。激痛を抑えることが肝心ですので、前述の病院で処方された薬物を服用する、冷却シートで患部を冷やすなどしてください。決して我慢せず、速やかに対処を実践してください。
まとめ
偏頭痛の治し方の基本は薬物療法
基本は薬物療法
消炎鎮痛剤
エルゴタミン製剤
トリプタン系製剤
偏頭痛の予防効果のある薬物
薬物療法はなるべく避けたい
それでも偏頭痛が起こったら