皆さんのなかで、腰が痛いと感じたときにまず「疲労骨折かも」と検討をつける方は少ないことでしょう。 腰 のような大きな骨が 疲労骨折 をすることを認識していなくても仕方がないのかもしれません。
しかし、腰骨は思っている以上に簡単に骨折するのです。今後に備えて心がまえを持っておきましょう。
腰が痛い!腰痛と疲労骨折の違い
疲れて腰が折れる?
体育の授業以外でスポーツをされている方は、それなりに頑張り屋さんタイプの皆さんです。ごく一部の天才肌の方を除いてはスポーツの練習は根気よく繰り返し同じ動作をコツコツと、ほとんど毎日取り組めるかどうかが上達を左右します。
それは必要不可欠なことではありますが、同じ動作を繰り返しているうちに自然に骨が折れることがあります。からだを鍛えているのになぜ、と思われるかもしれませんが、折れた時点で疲労の限界に達しています。
腰が痛くて後ろに反らすことがつらいと気がついたときは、疲労骨折へのスタートラインに立っていると考えて良いです。練習はほどほどにと言われても、なかなかむずかしいことでしょう。ご自身で練習量の調節ができない場合もあります。
そんなときは、ひとまず病院へ行って休むようにしてください。生まれつき腰椎分離症の方もいらっしゃいますが、多くはスポーツをしていて発症します。
特に野球、サッカー、柔道、バレーボール、テニスなど腰を使うスポーツは要注意です。子どもの頃から頑張っていて、中高生の頃に疲労骨折をするとその後も再発しやすくなります。
疲労骨折は分離する一歩手前の段階ですが、早期治療によって癒合する可能性もあります。分離症を防ぐことができれば競技人生への影響も小さくて済みます。
病院へ行かないとダメ?
病院へ行って「しばらく練習を休むように」などと言われたら困る、などと考えてはいけません。スポーツを長く続けたいのであれば、休むことは必要不可欠です。
仕事でも学校でもスポーツでも、休むことに罪悪感を覚えることは全くありません。周囲の人々にとやかく言われても、ドーンとおおらかに構えていれば良いのです。周りは言いたいことを言いっぱなしにするだけで、たとえ親でも最終的にどうなろうとも責任をとってくれるわけでもありません。
疲労骨折はレントゲン検査でははっきりとはわかりませんが、椎弓部が少し硬化したり細くなっているのが確認できます。
次にMRI検査を受けます。疲労骨折であれば、患部が白く映ります。この段階で「腰椎疲労骨折」と確定診断されます。
最後に、CT検査で疲労骨折の進行度を調べます。程度を確認して、使用するコルセットを決定するのです。
今すぐ治せるのか?
親に言われて嫌々習っているというのでもなければ、1日でも早く競技に復帰したいところでしょう。疲労骨折の治療は大きく3つあります。
1つめは「安静」です。ただちにスポーツの練習は中止です。必要であればコルセットなどで固定します。1~2ヶ月ほど、固定が必要となる患者さんが多いようです。あまりに激しい負荷のかかる練習を行っていた場合は、3、4ヶ月ほど固定するように言い渡されることもあります。
季節の移ろいを感じるほど休んでいて本当に大丈夫なのだろうか、と不安になってくるでしょうが自分との戦いに勝ってください。
2つめは、「リハビリ」です。安静期間を無事に終えるとリハビリです。最初は運動禁止で、日常生活のリハビリを開始します。何ヶ月かかるかは個人差があります。その後ようやく運動を徐々に再開していきますが、無理はしません。痛みが生じない範囲で少しずつ動かして経過をみます。
そんなこんなで結局1年くらい経ってしまうと不安はピークに達します。多くの患者さんは、リハビリの段階で多少なりとも無理をしてしまいます。「1年かけてゆっくり」というのは究極の理想論かもしれませんが、疲労骨折は同じ部位が再骨折することが多いので、大げさなことではありません。
3つめは、「手術」です。滅多にありませんが骨折の転移が著しい場合、手術を受けることもあります。術後のリハビリは最短でも半年はかかります。
初期の段階で思いきって病院へ行くことが人生を左右するといっても過言ではありません。
まとめ
腰が痛い!腰痛と疲労骨折の違い
疲れて腰が折れる?
病院へ行かないとダメ?
今すぐ治せるのか?