西洋薬での副鼻腔炎の治療により眠気や下痢などの副作用が起こることがあります。漢方薬は、病状や体質に合ったものを服用することで副作用を避け、長期的治療を可能にします。
また、 漢方 治療は免疫力や自然治癒力を高めるなどの体質改善、 副鼻腔炎 の発症や症状の悪化を防ぐといった効果が期待できます。
漢方による副鼻腔炎の治療
漢方とは
漢方は、古代中国で確立され、長い年月の中で人々の経験や知恵によって発展してきた伝統医学で、漢方医学とも言います。
西洋医学は原因や病名が分かっている病気の治療を得意としますが、漢方医学は西洋医学では治療法が少ない病気や未病段階の不調なども得意としています。
漢方医学の診療は、病態のほかに「証」と「気・血・水」というオリジナルの概念で体質を診断し、患者の体全体をとらえて漢方薬を処方します。
これらの診断は専門的な知識が不可欠ですので、医師や専門家の指示に従い適切な服用を心がけましょう。
漢方薬の特徴
漢方薬は、漢方医学に基づき、自然界にある植物や動物、鉱物などから作られる生薬を2種類以上組み合わせた薬です。
生薬を煎じて飲む方法と、生薬を煎じたものを凝縮して乾燥させ顆粒にしたエキス顆粒剤を飲む方法があります。
ほとんどの病院で処方される漢方薬はエキス顆粒剤です。エキス顆粒剤は飲みやすく持ち運びしやすいので、継続して服用するのにとても便利です。
漢方薬は基本的に食後2時間くらいの空腹時に服用します。腸で吸収されるため、空腹時の胃が空の状態に服用することでよりよい効果を表すのです。
胃の弱い方が空腹時に漢方薬を服用することで胃の調子を崩すことがありますが、その場合は食後に服用するのがよいでしょう。継続して服用することが大切です。
医師の処方による漢方薬は148種類あり、健康保険が適用されます。ただし医療機関によっては健康保険が使えない自由診療となる場合がありますので、事前に確認しましょう。
また、漢方薬局の漢方薬は健康保険が適用されませんので、注意が必要です。
漢方薬治療のメリット
漢方薬による治療のメリットとして、眠くならない、腸内環境に影響を与えない、体質改善が期待できる、という点があげられます。
西洋医学の副鼻腔炎の治療では、抗生物質や炎症を抑える薬を服用するため、眠くなったり下痢が続いたりといった副作用が現れる場合があります。
漢方薬には眠くなる成分が入っていないため眠くなることがなく、腸内細菌のバランスを崩すこともないため下痢などの不調を避けることができます。そのため、長期的治療が可能となります。
また、本来の健康な状態に体を戻す治療ですので、免疫力や自然治癒力が高まるなどの体質改善、副鼻腔炎の発症や症状の悪化を防ぐなどの効果が期待できます。
副鼻腔炎の発症のきっかけとなる風邪などのウイルスや細菌感染を予防できる健康な体に導くのです。
生活習慣の改善による相乗効果
漢方医学には養生といった独自の発想があり、治癒を促すための食事や生活についての決まりのようなものがあります。
漢方薬の服用と同時に食養生などを取り入れ生活改善をすることで、より効果的な治療を目指します。
漢方医学では、副鼻腔炎は体の冷えが原因と考えられていますので、体を冷やさないこと、冷たいものをとりすぎないことが大切です。
そして、バランスのいい食事をし、適度に運動をすることも心がけましょう。
副鼻腔炎に効果がある漢方薬とツボ
副鼻腔炎に効果がある漢方薬には、葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)などがあります。
いずれも症状や体質に合ったものを服用しなければ、効果が得られなかったり、持病の悪化などの副作用が起こったりする場合がありますので、医師や専門家の指示のもと服用しましょう。
ツボは漢方医学の概念で、指圧などで刺激することで症状の緩和を促します。
副鼻腔炎に効果があるツボには、上星(じょうせい)、印堂(いんどう)、迎香(げいこう)などの顔のツボのほかに、合谷(ごうこく)、内廷(ないてい)などの手や足のツボがあり、副鼻腔炎の症状である、鼻水、鼻づまり、頭痛などの辛い症状の緩和に効果があります。
ツボは、少しずつ力を入れ、痛いけれど気持ちがいいと感じる強さで押します。ゆっくりと息を吐きながら押し、息を吸いながら力を抜きます。
いつでもどこでも気が向いたときに手軽に試せるので、一日の中で気分転換をかねて試すとよいでしょう。
まとめ
漢方による副鼻腔炎の治療
漢方とは
漢方薬の特徴
漢方薬治療のメリット
生活習慣の改善による相乗効果
副鼻腔炎に効果がある漢方薬とツボ