人間の関節は体全体に300箇所前後あると見られています。その一つ一つは体の複雑な動きに対応する構造になっています。だからこそ関節痛の種類もさまざまであると言えます。
ここでは代表的な 関節痛 について部位別にご紹介します。
関節痛の部位別にみる主な病気
膝の痛み
膝の痛みといえば、まず第一に中高年に多くみられる病気として変形性関節症があります。老化により軟骨がすり減り、スムーズに動かなくなることが原因です。
症状としては膝に違和感を感じる、鋭い痛みとジンジンした痛みがある、動かすとギシギシきしむなどがあり、水がたまることもあります。
若年層にみられる関節痛としては離断性骨軟骨炎があります。これは過度な運動により軟骨の一部が壊死しておこる病気です。症状には急に動かせなくなる、激しい痛みがある、何か挟まっている感じがするなどがあります。
肘の痛み
肘の痛みはスポーツなどによる肘の酷使によっておこる場合が多いようです。野球、ゴルフ、テニスはスイング時に肘に圧力がかかりますので注意が必要です。なかでも野球は投球時、肘にストレスがかかりますので、継続するためには筋力アップやフォームの改善が必要であると思われます。
肩の痛み
最も多いのは加齢によっておこる五十肩です。急に肩関節周辺に炎症がおこり痛みが生じます。患うと腕をあげることができない状態になります。五十肩は安静にするより適度な運動やマッサージをした方が良いとも言われます。
1年ほどで自然に治ることが多いようですが、安静時にも痛む場合は長期化する恐れもありますので病院で相談が必要です。
その他に、胸郭出口症候群という病気があります。手がしびれたり冷たく感じるなどの症状がでます。原因は鎖骨周辺の血管と神経の圧迫です。姿勢が悪い人に起こりやすい病気です。
また肘と同様、若年時の過度な運動によっておこるものとして野球肩があります。関節唇という軟部組織が損傷しておこる関節痛です。この場合、安静にすることによって回復を促します。
腰の痛み
腰痛は年齢に関わらず、多くの人が経験します。ぎっくり腰は急性の腰痛のことをいい、関節のねんざや靭帯損傷、肉離れなど原因はいくつかあります。
これに対し慢性の腰痛である椎間板ヘルニアは軟骨の一部が飛び出して神経を圧迫して痛みを起こします。運動などによる腰への負担に加え加齢も関係していることがあります。
また、中高年に多い腰痛では背骨の老化による変形性脊椎症があります。腰が重たく感じたり中腰やあぐらをかくのがむずかしくなります。
その他の腰痛では女性に多い骨粗鬆症が原因となることがあります。骨粗鬆症は腰痛や背骨の痛みなどをひきおこします。
なお、若年層の腰の痛みには内臓やほかの運動器の病気が影響していることもあります。
手足の痛み
手足は特に活発に動かす場所なので、疲労による関節痛も多い部分です。代表的なものに腱鞘炎があります。手足の指を酷使したときに起こる炎症です。
足の関節痛としては外反母趾があります。開張足であることや長年の歩き方の癖が関係すると考えられます。
その他の病気による手足の痛み
関節痛をひきおこす病気でもっとも注意したいものには膠原病があります。膠原病は自己免疫疾患ともいわれ、いまだ原因は完全には解明されていません。
関節リウマチはその中のひとつで左右対称の関節に炎症がおこります。痛みは手足にあり、特に朝はこわばったように感じます。
もうひとつ関節痛を起こす病気で忘れてはいけないのが痛風です。突然足の親指の根もとが赤く腫れて痛くなるという症状が現れます。20歳前後の男性に多く発症し、放っておくと腎臓に悪影響を及ぼします。
他には、インフルエンザにかかった時に関節痛を感じることがあります。ウィルスを攻撃するための体内物質が影響していますので数日で痛みはおさまると考えられます。
まとめ
関節痛の部位別にみる主な病気
膝の痛み
肘の痛み
肩の痛み
腰の痛み
手足の痛み
その他の病気による手足の痛み