首や肩、背中、肩甲骨周囲などの部分の重さやだるさ、私たちは日常生活の中で頻繁に“肩こり”を感じています。
日本人においては誰もが感じたことのある肩こり。ところがこの 肩こり という言葉は 英語 には存在しない?欧米人は肩こりを感じない?
気になる噂を検証してみましょう。
英語で“肩こり”は何という?肩がこるのは日本人だけ?
英語に肩こりという言葉は存在しない?
肩こりを英語に直訳すると“Stiff Shoulder”という言葉が出てきます。Stiffは硬い、Shoulderは肩という意味ですから、“硬い肩”ということになります。ところがこのStiff Shoulderという言葉は欧米人には正しく伝わらないようです。
欧米人は肩がこらない?
Stiff Shoulderが通じない。では、欧米人は肩がこらないということでしょうか。
いいえ、そんなことはありません。日本人であれ、欧米人であれ、骨格構造や付いている筋肉は同じです。肩こりとは筋肉の使い過ぎによる筋肉の過緊張状態であり、欧米人であっても筋肉を使いすぎると同様の状態に陥ります。
これはどちらかというと肩こり(Stiff Shoulder)という概念の違いによるものではないかと思われます。実は英語では同様の症状に対して、“Stiff Neck”や“Stiff Back”という言葉が存在します。日本語に訳すと、“硬い首”と“硬い背中”、要は首や背中がこっている、ということです。
どの部位がこっていると“肩こり”?
考えてみると、日本人の使っている肩こりとはどの部分を指しているのでしょうか。
肩こりと聞いてまずイメージするのは首の根元から肩の関節にかけての筋肉の膨隆部です。よく肩たたきといって叩いているこの筋肉は“僧帽筋”と呼ばれる筋肉が中心になって構成されています。
ところがこの部分、英語でShoulderと呼ばれることはありません。英語でいうShoulderとは体幹と腕をつないでいる、いわゆる“肩関節”と呼ばれる部分です。そのため欧米人が首の根元から肩関節にかけての、僧帽筋膨隆部のこりを訴える場合にはStiff Neckという呼び方となるのです。
また、肩甲骨の内側、脊椎に沿っている筋肉のこりに対しても日本人は肩こりという言葉を使います。これは欧米にとっては背中、Stiff Backという表現になるのです。
このように同じ部位の同じ症状であってもその呼称が異なることから、英語には肩こりという言葉が存在しない、欧米人は肩がこらない、という話が出てきたといわれています。
意識することで肩がこる
上記のような呼称の違いに加えて、日本人と欧米人の肩こりへの意識の違いが、肩こりの有訴率の違いに影響するという面白い話もあります。
日本人の中でも、いつも肩こりに悩んでいるような肩のこりやすい人、逆にほとんど肩こりを気にしたことがない人がいます。確かに、生活様式の違いや運動習慣などから、肩の筋肉のこり具合には個人差が生じます。
しかし、肩こりに悩んでいるという割に肩の筋肉が柔らかい人、筋肉が硬くなっているにも関わらず肩こりを気にしない人、というのも多いです。
欧米人に関しても日本人同様に筋肉はこっているのに、それを意識していないということも、欧米人は肩がこらない、といわれる理由の1つであると思われます。
確かに肩がこっている、肩が重いというのは、筋肉の使い過ぎで血流が阻害されているというSOSのサインです。しかし、“病は気から”という言葉があるように、肩こりに関しても気にしすぎることが、肩こり悪化の1つの原因となりえます。
肩こりは適度にほぐしながらも、気にしないというのも対処法ではないでしょうか。
まとめ
英語で“肩こり”は何という?肩がこるのは日本人だけ?
英語に肩こりという言葉は存在しない?
欧米人は肩がこらない?
どの部位がこっていると“肩こり”?
意識することで肩がこる