医師に訴える大半の頭痛が 緊張型頭痛 であることから、この頭痛で悩まされている方々が沢山いらっしゃることがわかります。
緊張型頭痛は良性の頭痛(放っておいても命にかかわらない)とはいえ、頭全体を締め付けられるような痛みには我慢できません。肩や頸のコリからくる緊張型頭痛には、元々のコリをほぐすことで頭痛を緩和することができます。
今日は、簡単にできる肩や頸のコリをほぐす方法として、ツボのマッサージを中心にご紹介します。
緊張型頭痛:肩こりによる頭痛にはこのツボを刺激しよう!
緊張型頭痛の原因となる肩や頸のコリ
緊張型頭痛は、肩や頸筋のコリが原因で起きる他に、不安やうつなどの精神的な要因や偏頭痛と鑑別が難しい境界的な症状の場合などがあります。筋緊張型頭痛がどうして起きるのか全容は未だ解明されていません。
肩や頸筋のコリが原因の場合、肩や肩甲骨周囲、首筋の筋肉が頭部を覆う筋肉と連続しており、これらの筋肉のうっ血による老廃物の蓄積や栄養・酸素不足によって起きる筋肉のこわばりがコリとなり、その影響が頭部の筋肉に伝わるために頭痛が生じると考えられています。従って、この場合、肩や頸のコリをほぐすことで、頭痛が和らぐということになります。
ツボって何?刺激するとどうして効くの?
ツボは正式には「経穴(けいけつ)」と言います。押したり、鍼やお灸で刺激をすると気持良さを感じたり、刺激した場所とは異なる遠隔の内臓の働きが活発化したりすることが経験的に蓄積され、民間療法として主に中国で発展した治療法です。
全身に約360個の経穴があることが知られており、これらを刺激することで中枢神経系を介して全身や遠隔臓器の血流を良くしたり、動きを活発化させることで、症状を緩和したり正常化させると言われています。
日本でもツボ治療は盛んにおこなわれていますが、現在ではその有用性が世界的にも認められ、WHOが経穴を系統的に標準化したり、米国でも代替医療の一角として盛んに研究され、実践の医療に応用されています。
肩や頸のコリに効くツボはここだ!
明らかに肩や頸のコリが原因である緊張型頭痛の場合は、ツボ刺激をすることが有効なことがあります。
一般の方ができるツボの刺激方法としては、簡単な順に、伸ばす(ストレッチ)、押す、温めるの3つがあります。そして、ツボの場所としては、風池(フウチ)、天柱(テンチュウ)、肩井(ケンセイ)の3カ所をお勧めします。
風池の場所は、後頭部と頸の境目で、うなじの生え際の両側のくぼみの部分です。天柱の場所は、風池の1センチ程度内側の部分です。肩井の場所は、首の付け根から肩のラインのちょうど真ん中の部分です。
緊張型頭痛を感じたり、肩や頸のコリを感じたら、まず風池、天柱、肩井の三カ所のストレッチを行ってみて下さい。頸を前に倒し10秒間、続いて後ろに倒して10秒間の繰り返しを5回程度行ってみてください。さらに肩の上げ下げを10秒間づつ同様に5回程度行ってみてください。このストレッチ体操はたいへん簡単ですので、職場の休憩時間などでも行うことができます。また、毎日習慣的に行うことで予防効果も得られます。
ストレッチでは物足りないという方は、3つのツボを押してみてください。押し方は風池と天柱は、両手の親指で挟み込むようにゆっくり八分程度の力で5秒間程度押してください。5秒間休んだらまた5秒間押すことを5回程度繰り返してください。あまりに強く押し過ぎると炎症(モミ返し)が起きて却って痛みがひどくなることがありますのでご注意ください。
肩井は反対側の中指と人差し指で「ぐっ」と少し強めに10秒間押してください。10秒間休んだらまた10秒間押すことを5回程度繰り返してください。このツボ押しも比較的簡単にできますので、毎日行うことで少しずつコリを和らげることが期待できます。
最期に温める場合ですが、蒸しタオル(濡らしたタオルを電子レンジで温めると簡単にできる)を使って、3つのツボとその周囲を温めます。当然のことですが、ゆっくり入浴することも効果的です。コリは慢性的な症状であることが多いので、根気よくツボ刺激を毎日続けることが大切です。
まとめ
緊張型頭痛:肩こりによる頭痛にはこのツボを刺激しよう!
緊張型頭痛の原因となる肩や頸のコリ
ツボって何?刺激するとどうして効くの?
肩や頸のコリに効くツボはここだ!