頭痛を訴える方々の中でも、最も多いと言われているのが 緊張型頭痛 です。肩こりや首の痛みなど日常的な作業やストレスから発症する場合が多くあります。
痛みを緩和させるためには温浴などの日常的なケアと共に、適切な 薬 を服用することも効果的です。
緊張型頭痛の薬による治療
緊張型頭痛とは
同じ姿勢を長時間続けたりすることにより筋肉が緊張し、首や肩の凝りから派生する頭痛を緊張型頭痛と言います。
筋収縮性頭痛と呼ばれていましたが、眼精疲労や、筋肉の収縮を伴わず発症するタイプもあることから緊張型頭痛と呼ばれるようになりました。
後頭部、あるいは頭の両側において、締め付けられるような痛み、重く鈍い痛みを感じるところは、片頭痛の症状と似ているのですが、比較的長い時間続くこと、嘔吐や吐き気を伴わない、光過敏とはならない、午後に発症することが多い、高齢での発症が多い、以上のような点で区別することが出来ます。
片頭痛と緊張型頭痛とでは、治療法が異なりますので、適切な診断を受け、治療することが大切です。
緊張型頭痛の治療法
緊張型頭痛は精神的な緊張や、肉体の特定部位の過渡な緊張により起こる頭痛ですので、治療方法は当然その原因を除去、緩和することを目的とします。
日常的には筋肉の緊張を和らげるということになりますから、マッサージ、体操やストレッチなどを適度に取り入れ、入浴等によって身体を温め、血行を良くすることによって、多くの場合緩和されます。
市販されている頭痛薬の服用も効果的です。
ただし頭痛薬は比較的手軽に入手しやすくなっていますので、多飲、依存的にならないように注意が必要です。薬の使用頻度が高まってくるようでしたら、医師に相談しましょう。
また頭痛の原因が、精神的なストレスに起因する場合には、薬物療法に合わせて心理療法などを行うこともあります。
緊張型頭痛の薬
緊張型頭痛を訴える方々に最も服用されているのは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)という類の薬です。
これはステロイドを含まない抗炎症効果のある薬の総称です。炎症を抑え、痛みを和らげ、解熱作用のある薬です。
NSAIDsは塩基性のものと酸性のものとに分かれており、酸性系の薬の方が抗炎症にも解熱に対しても強い効果が見込まれます。
アスピリンなどがそれに当たります。アスピリンには、炎症、発熱作用を持つプロスタグランジンという物質の生成を抑制する働きがあります。
プロスタグランジンというのは体内の様々な機能を調節する潤滑油のような役目を担っていて、各部位の痛みを検知して、報せてくれる働きがあるのです。
つまりアスピリンはこの物質の働きを抑えて、痛みを報せないということになります。
痛みというのは本人にしかわからないもので、その痛みを緩和させることは大切です。
けれども薬物に依存しすぎると、治すべき炎症に気付かずに過ごすことになりかねません。慎重な服用が望まれます。
また緊張性頭痛の治療には筋肉の緊張そのものを取り除くための筋弛緩薬や、精神を安定させるための抗不安薬が用いられることもあります。
筋弛緩薬
筋弛緩薬には直接筋肉に働きかける末梢性筋弛緩薬と、中枢神経に働きかけ筋弛緩作用を促す中枢性筋弛緩薬とがあります。緊張型頭痛に用いられるのは中枢性筋弛緩薬になります。
この筋弛緩薬は文字通り筋肉の緊張を和らげる効果があります。筋肉が弛緩されることによって血管が拡張され血流が増加します。それによって老廃物も一緒に流し出されます。
主な筋弛緩薬にはエベリゾン、チザニジン、アフロクァロンなどがあります。
抗うつ剤と抗不安薬
頭痛の要因となっている過渡なストレスを取り除くために抗不安薬や抗うつ剤を処方されることもあります。
これらの薬剤は気分をリラックスさせ精神を安定させる作用のほかに、自律神経を安定させる作用もあります。
ジアゼパムやアミトリプチリンなどが挙げられます。
薬によっては服作用の強いものもあり、また依存的になってしまう可能性もあります。医師の指示に従い、適切な服用を心がけましょう。
まとめ
緊張型頭痛の薬による治療
緊張型頭痛とは
緊張型頭痛の治療法
緊張型頭痛の薬
筋弛緩薬
抗うつ剤と抗不安薬