歩いていると股関節周りに痛みを感じる…といった経験をされた方もいらっしゃると思いますが、 股関節の痛み を伴う怪我は数多くあります。
数多くある怪我のなかで、代表的な症例とされる怪我の一例を紹介するとともに、それぞれの怪我に共通することや怪我を見極めるための注意点などをご紹介します。
股関節の痛みが気になる。考えられる怪我は??
変形性股関節症
股関節の軟骨が加齢や摩耗などが原因によってすり減ってしまうことで症状がおこります。
この症状が起きてしまう背景には、小さいころに先天性股関節脱臼を経験した場合の後遺症や、生まれつき股関節のお皿の部分が浅い作りの臼蓋形成不全などが多いといわれていますが、加齢により軟骨がすり減ることで起きることもあります。
症状としては、歩いているときなどに、股関節のあたり(脚の付け根部分)に痛みを感じ、股関節の動きに制限が出てしまいます。症状がひどい場合には、人工関節置換術や、骨切り術などの手術をしなければならないこともあります。
大腿骨頭壊死症
太ももの骨である大腿骨の骨頭部分の血流が悪くなり、骨の細胞が死んでしまうといった病気です。発症の原因は不明されていますが、ほかの病気の治療にステロイドの多量摂取や、アルコールをたくさん飲まれる方に発生率が高くなっているといった報告もあります。
大腿骨頭の壊死が進行してしまうと、大腿骨の骨頭や股関節が変形してしまい痛みが強くなってしまいます。この場合にも、治療として人工関節置換術などの手術が行われる場合もあります。痛みは、初期のころは少し気になるような軽い痛みの場合が多いようです。
大腿骨頭頸部骨折
骨粗しょう症が進行しているさいに、転倒などを機に、大腿骨骨頭と大腿骨をつないでいる頚部を骨折してしまった状態です。特に、高齢者の女性に多くみられています。
症状としては、骨折が起きているため、痛みと腫れがあり、歩くことも難しいです。治療方法としては、だいたいは骨接合術や人工股関節置換術などの手術がおこなわれます。
鼠径部痛症候群
捻挫や骨折などの器質的疾患がない状態にもかかわらず、股関節に痛みを感じる場合には鼠径部痛症候群が疑われます。主に、サッカー選手に多くみられる傷害といわれています。
キック動作などで股関節をよく使うことによって、股関節周囲にある筋肉などが痛みを発することにより起きます。症状は保存療法で改善されることが多いですが、慢性的な怪我のため完治には時間がかかることが多いです。
特に、治療をすすめるなかで大事なのが、キック動作に協調性をもたらすことです。
脚のみを使ってキック動作を行ってしまうと股関節に大きな負担をもたらしてしまいますが、ボールを蹴る脚と反対の腕を引くようにしたキック動作をおこなうと、股関節の負担を軽減することができるだけでなく、軽い力でボールに強い力を与えることができるようになります。
ほとんどの股関節疾患に共通すること
これまで紹介した症例は代表的なものでありますが、多くの股関節疾患に共通していえることもあります。それは、股関節の周辺に痛みを感じることです。このことより、痛みがあるという点から障害を特定することは難しいです。
そのため、痛み以外の特徴を照らしあわせてみることも大切です。そのほかに早く正確に怪我を確定するためには、痛みを感じた場合には早めに病院へ受診することがおすすめです。
怪我の特徴をあげて、ご自身で情報収集する、周りの方からの経験談などから怪我の見当をつけることも可能ですが、鵜呑みにしてしまうのではなく、きちんと専門家のもとで診断してもらい、リハビリなどのケアを行うことが重要になります。
いち早く怪我を治すためにも、正しい診断と治療を行なっていきましょう。
まとめ
股関節の痛みが気になる。考えられる怪我は??
変形性股関節症
大腿骨頭壊死症
大腿骨頭頸部骨折