夜中に寝ていると、不意に足がつる、これを「こむら返り」と言います。統計によると成人のおよそ3割の方が平均で一カ月に一回は、その症状に悩まされています。なぜ「 こむら返り 」が起こるのか?予防するためにはどうすればよいのか? 治療 法と併せてご案内します。
こむら返りに効く治療、予防法とは?
こむら返りとは何?
人間の足のスネ、その裏側の柔らかい部分のことを「こむら」と言います。通常ふくらはぎと呼んでいる部分です。
なぜ「こむら」と呼ぶかというと、ふくらはぎのぷっくりとした部分が「こぶ」のようにみえることから「こぶら」、転じて「こむら」になったという説と、肉の塊りのことを「叢(むら)」と呼んでいたことから、ふとももの大きな肉の塊りに対して、「小叢(こむら)」という説があります。
「こむら返り」とは、こむら、つまりふくらはぎの筋肉がひっくり返ったような状態になるということから命名されました。俗にいう「足がつる」という症状です。激しい運動の最中や後、またはその日の夜寝ているときなどに突然、発症することがあります。
こむら返りはどのようにして起こる?
直接的な原因は、筋肉疲労による誤作動です。激しい運動や山登りなど、長い時間にわたって足に負担をかけていると、足の筋肉は緊張し続けていることになります。
この筋肉の収縮した状態が長く続くと、脳からの神経伝達がうまく働かなくなることがあります。このときに筋肉が過剰に収縮してしまうのです。
就寝時も同様です。寝ているときの姿勢というのは、おおむね脚を伸ばした状態になります。したがってふくらはぎの筋肉は緊張した状態を保っていなければなりません。
やがて神経の誤作動により、「こむら返り」が起こるのです。特に激しい運動をした日、その最中に発症しなかったとしても、その日の夜、睡眠中に起こることが多いようです。
妊娠中の女性、とくに胎児の大きく育ってきた妊娠後期の方にも、多くの発症事例があります。急激な体重増加による足腰への負担、そして体型の変化による神経の圧迫、血行不良などがその原因です。また水分、ミネラル分の不足なども「こむら返り」を起こしやすい原因となります。
激しい運動の後、就寝前など適度なマッサージをして、ふくらはぎをほぐしてあげること、水分補給につとめることなどが予防になります。
こむら返りが起こってしまったときの対処・治療
「こむら返り」が起こってしまったら、足のつま先を顔の方へゆっくりと引き寄せます。こうすることによって収縮していたふくらはぎの筋肉が伸び、痛みが軽減します。
また蒸しタオルなどで温めると血行が良くなり、緊張していた筋肉がほどけていきます。決して冷やしてはいけません。筋肉の緊張と弛緩をうまくコントロールできるような生活習慣が望まれます。特に就寝前の温浴、マッサージなどは効果的です。
食生活においても、血行をうながし循環をよくする栄養素を摂り込むことが大切です。ビタミンEは血液の流れを良くし、筋肉のけいれんを防ぐ役割があります。またマグネシウムには筋肉を弛緩させるはたらきがあります。
一日の目標摂取量は、ビタミンEが267mg、マグネシウムが1,000mgです。
こむら返りに効くツボ
「こむら返り」に効くツボをご紹介します。つまり足の血行を良くするツボということです。
ふくらはぎの一番盛り上がった部分の中心を「承筋(しょうきん)」と言います。足の疲れやむくみをとるのに効果的なツボです。
「承山(しょうざん)」はふくらはぎの盛り上がる手前、ひざの裏とかかとを結んだ線のちょうど真ん中に位置するツボです。足の疲れ、腰痛にも効果があります。
「承間(しょうかん)」は承筋と承山の真ん中に位置するツボです。足の疲れやむくみの解消にも効果のあるツボです。
「こむら返り」が起こったら、これらのツボを押すことで解消されます。しかしながら実際には、「こむら返り」の最中に自分で指圧することは難しいかもしれません。他の方に手伝ってもらうか、また日常の生活サイクルの中に、指圧・マッサージを取り入れることで大きな予防効果があります。
まとめ
こむら返りに効く治療、予防法とは?
こむら返りとは何?
こむら返りはどのようにして起こる?
こむら返りが起こってしまったときの対処・治療
こむら返りに効くツボ