こむら返りは通常“足がつる”という言い方で知られています。“足がつると”は、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が急激に収縮した状態で激しい痛みを伴います。原因は、スポーツの後に起こることが多いのですが、夜間寝ている時にも起こってきます。
また、大人だけでなく子供にも起こり、妊娠中も起こりやすいことから発症原因は多岐に及びます。
そこで、今回は、 こむら返り の 原因 について掘り下げていきたいと思います。
こむら返りの発症原因は多岐に及びます!(前編)
発症の特徴の見極めが適切な原因把握につながる!
時間帯では、大きく分けると昼型と夜型があります。昼型はスポーツ中に起こりやすく、夜型は寝ている時に起こります。スポーツの種類では特に水泳中の発症が知られています。ライフステージでは、成長期の子供、妊婦、中高年によくみられます。
更に、交感神経の緊張、病気、薬の副作用、栄養不足などでも起こります。このことから、まず、こむら返りの発症の特徴を見極めることが適切な原因把握につながります。
昼型は急激な運動・筋肉疲労・電解質のバランス異常
昼型の発症パターンはスポーツ中に起こりやすく、①準備運動なしで急に運動をした場合、②無理をして筋肉疲労を起こした場合、③運動後に多量の発汗があった場合です。
具体的なメカニズムは、①は運動の速度・量が急に上昇するため筋肉の対応能力を超え、筋肉の伸展・収縮の調和が崩れるからです。②は筋肉内に疲労物質(乳酸など)が溜まり、酸素や栄養分の補給が間に合わず筋肉の動きが鈍るためです。
③は発汗時に筋肉の動きに関係するカリウム、マグネシウムなどが失われ、電解質のバランス異常を起こすためです。
夜型は睡眠中の膝・足首の伸展体勢の持続
夜型は、寝ているときの体勢が完全に足が伸びているからです。ふくらはぎが長時間伸びきっていると元に戻ろうとして収縮する力が働きます。その時、急激に収縮する異常収縮を起こします。
通常は、無意識のうちに寝返りをしてふくらはぎの伸びきりを解消し、異常収縮を起こさないようにしています。つまり、夜型は睡眠中の膝・足首の伸展体勢の持続が関係しています。
水泳中にはリスク因子がいくつも重なる
水泳中でのこむら返りは、急激な下肢の体動制限と痛みの苦痛で大変厄介です。水の中では泳ぐという動作から手足の動きが激しくなります。地上にいる時とは格段の差があります。昼型の発症パターン①と②が正に当てはまります。
更に、水に入っているので身体が冷えて下肢の血行が悪くなります。そして、水泳の最大の特徴である水の中で地に足がついていない状態が続くため、徐々に骨盤が緩み足の筋肉が伸びやすくなり発症します。
従って、水泳中にはこむら返りのリスク因子がいくつも重なるということを認識する必要があります。
まとめ
こむら返りの発症原因は多岐に及びます!(前編)
発症の特徴の見極めが適切な原因把握につながる!
昼型は急激な運動・筋肉疲労・電解質のバランス異常
夜型は睡眠中の膝・足首の伸展体勢の持続
水泳中はリスク因子がいくつも重なっている