皆さんは 腰が痛い ときにまず何を原因と考えるでしょうか。仕事で座りっぱなしだから、妊娠出産後ずっと痛い、年のせい、などといろいろご自分なりに納得しようとされていらっしゃることでしょう。
もしかして 内臓 の調子が悪いのかもしれない、と考える方は稀でしょうが、可能性はどなたにもあります。当てはまることがないか確認してみましょう。
腰が痛い原因は内臓にあり?
食べすぎが元凶のこと
お腹いっぱい食べて、横になることができる状況であればゴロゴロしたくなるのは自然です。しかし、あまりにも食べすぎていると横になるのはかえって胃腸に負担がかかってしまいます。逆流したりまた戻ったりを繰り返しながら少しずつ消化活動に努める胃腸を想像してみてください。
1年に何度か数えるほどの食べすぎであれば、何とか対処できますが日常的にとなると胃腸も不調をきたします。胃腸が弱くなるとお通じも悪くなり大腸が圧迫されます。そうすると腰まで圧迫されて痛みを感じるようになるのです。
食べすぎてもその後食事を控えたり、運動をしているからプラスマイナス0で問題ないということはないのです。胃腸の周りの筋肉も衰えて硬くなり、血液の循環が悪化して腰痛が生じています。
食べすぎるにしても野菜や果物などビタミンを多く含むものを摂取するように心がけて、塩分や糖分は控えるといくらか改善します。
病気の前兆は必ずある
特に中高年になると食べすぎよりも深刻な場合もあります。内臓疾患による腰痛は、腰痛全体の1%にも満たないものですが命の危険が差し迫っていることもあります。
その症状としては、①休んでも症状がだんだん悪化している②空腹時に痛み、食事中は少し治る③排尿時に痛んだり血尿が出ることもある④月経のときに痛みが強まる、などがあげられます。
子どもであれば、空腹時にお腹が痛いと訴えてご飯を食べ始めるとニコニコになるのは心配ありませんが、大人の場合は何らかの疾患があると疑っても良いでしょう。
1%というのはあくまでも腰痛を診てもらおうと病院へ行き、病気がみつかった患者さんの割合ですから、潜在的にはもっと数が増えます。
腰痛持ち100人中1人いるかいないかが多いか少ないと感じるかは人それぞれですが、他人事とは思わずに病院へ行ってください。それで病気でないとはっきりすれば、それで良いのですから腰痛ごときで病院は…とためらわないで診てもらいましょう。
ガマンできるうちに検査をする
病気は何はともあれ早期発見、早期治療に越したことはありません。ずっとガマンしていてもう限界という状態で病院へ駆け込むと次のような病気の可能性が高いです。
①十二指腸潰瘍。ストレス性の胃炎とは異なる、空腹時の刺すような痛みが特徴です。右下の背中、みぞおちの痛みには要注意です。
②尿路結石。この病名を知らない中高年はいないのではないかというくらい有名です。腰の片側が痛みます。安静にしていてもいなくても強い痛みが起こったり止まったりします。
③子宮内膜症、子宮がん。女性の病気です。腰、下腹部全体に重い痛みが続き、すっきりしません。早期の治療をしないと妊娠に影響を及ぼします。
④腎盂腎炎(じんうじんえん)。背中の下部が全体的に痛みます。発熱や膀胱炎のような症状があらわれます。患者さんによっては高熱でダウンします。
⑤肝炎。右脇腹から背中にかけて痛みます。倦怠感やだるい感じが続きます。
⑥膵炎、膵臓がん。不摂生の蓄積で急に倒れることがあります。急性膵炎は飲酒後、脂肪の多い食事の後に起こりやすいです。胆石が原因となることもあります。
以上のように、遺伝性の疾患でもなければ大抵の原因は腰の痛みを感じるかなり前から内臓で静かに進行しているのです。
まとめ
腰が痛い原因は内臓にあり?
食べすぎが元凶のことも
病気の前兆は必ずある
ガマンできるうちに検査をする