体の中にある プリン体とは どのようなものでしょう。大部分は細胞の中でつくられプリンとも呼ばれます。食べ物に由来するプリン体もあります。食べ物に含まれる核酸がプリン体やピリミジンにまで分解されてできます。
このように体内でプリン体は生じるものです。プリン体の体内での本来の役割などを示します。
プリン体とは体にとって厄介者か
核酸をかたちづくるプリン体
体の中でプリン体にはDNAをかたちづくる分子の一部として、遺伝暗号としての重要な機能があります。つまりDNAやRNAなどの核酸の一部を構成しています。核酸の塩基部分にあたるのでプリン塩基と呼ぶこともあります。
遺伝子の4種の遺伝暗号のうちのふたつがプリン塩基のアデニンとグアニンです。そして、残りのふたつがピリミジン塩基です。
プリン体は単独で存在するときには、アデニル酸とグアニル酸のかたちで存在します。プリン体の体内での供給もとは細胞の中です。体をかたちづくる細胞は役割を終えると、核のなかの核酸が分解されて、アデニル酸とグアニル酸の2種のプリン体が生成します。
つねに体内にあるプリン体
このプリン体は核酸の分解とはべつの方法でも作られています。これを生合成といいます。
それにはアミノ酸のグリシン、アスパラギン酸、グルタミンのほかに、リボース5-リン酸、二酸化炭素、N5、10-チモステロール、さらにATPやGTPのエネルギーを必要とします。
このようにプリン体は日常的に体の中で作られ、過剰であれば排出される物質で、つねにある濃度で体内に存在するものです。
プリン体は尿酸で排泄
健康な場合には、体内のプリン体の量は一定に保たれるのがふつうです。しかしプリン体の代謝が十分に機能しない場合には、食物からのプリン体の摂取を控えることが望まれます。
プリン体のうちアデニル酸は肝臓でヒポキサンチンを経て、キサンチンへと変えられます。一方、グアニル酸はグアノシン、グアニンを経て同じキサンチンに変化します。
こうして生じたキサンチンはまとめて尿酸になり尿より排出されます。尿酸として排出される量はおよそ0.5g/日です。
プリン体と高尿酸血症
プリン体は、上に示したように体外に排出される際には、最終的に尿酸に変えられます。しかし高尿酸血症の場合には、血中の尿酸値が健常者よりも高くなります。
この状態がつづき血液中の尿酸がある濃度に達すると、もともと溶けにくい尿酸は飽和してしまい、体の末端部分で結晶として析出してしまいます。こうなると神経を圧迫するなどして痛みが生じたり、血行が悪くなったりします。
高尿酸血症は、他の生活習慣病とともに改善すべき生活習慣がその主原因にあげられています。したがってさまざまな生活習慣、とくに運動、食生活の乱れ、ストレス、喫煙、飲酒などの見直しを同時に進めるとよいです。
プリン体とのつきあい方
上で示したように、プリン体そのものは体内につねに存在しているものです。そして体を維持するうえで欠かせない遺伝子DNAやRNAをかたちづくるものでした。その他にもさまざまな機能をもつとされています。
上で示したように健康な人の場合には、むやみにプリン体の摂取について気にする必要性はないといえます。
ただし高尿酸血症と診断された人や、そのような血液検査結果が続いている人の場合には、食べ物からプリン体を多く含むものばかりをとり続けることは避けたほうがよいといえます。
これによって生活習慣病のリスクを減らすことも合わせてより体への負担を減らすことができます。
もちろんそういった診断を受けた場合には医師のアドバイスを受けて、高尿酸血症の薬を使うなどの処置も合わせて行うことになります。
まとめ
プリン体とは体にとって厄介者か
核酸をかたちづくるプリン体
つねに体内にあるプリン体
プリン体は尿酸で排泄
プリン体と高尿酸血症