「 これからランニング始める時に気をつけたいランナー膝とは(前編)」では、 ランナー膝 (腸脛靭帯炎)がおこる原因をご説明いたしました。後編では、ランナー肘にならないための対策方法をご紹介いたします。
これからランニング始める時に気をつけたいランナー膝とは(後編)
ランナー膝にならないための対策方法とは
腸脛靭帯炎やランナー膝は軽度の物であれば、3~4日程度の間、膝を使う運動をやめて休養をとることで痛みが解消します。痛みが強い場合は炎症を抑える薬や湿布、アイシングなどで痛みを和らげることが可能です。また、医療機関で行われる物理療法やストレッチなども効果を発揮します。
しかし、少しの休息で治るからといってランナー膝をおこす原因を正さないことには何度でも再発し、そのたびにトレーニングやランニングを中断しなければなりません。
また、重症化してしまうと痛みで膝の曲げ伸ばしができなくなり、膝をかばうような歩きかたになってしまいます。そうなってしまうと、体全体のバランスが崩れてしまい、膝だけでなく他の部分にも影響があらわれてスポーツどころではなくなってしまいます。
ランナー膝を根本から解消するためには運動量、姿勢、運動用の靴、環境の4つに気をつけながらランニングを行うことが重要です。
まず、運動量ですが急激な運動量の増加やランニング初心者にも関わらずハイペース、長距離のランニングは膝を痛めてしまう原因となります。
また、十分なストレッチを行わずにランニングを行うことも各関節や筋肉、靭帯などが硬い状態でのオーバーユースとなってしまうため、避ける必要があります。
まったく運動をしたことが無い方がランニングを始める時は十分にストレッチを行い、20~30分程度で息が軽く弾む程度からランニングをはじめてみてください。続けていくことで体が慣れてきたら無理の無い範囲で少しずつ時間やペースを調整することが大切です。
次に大切なのが姿勢です。正しい姿勢がとれていないと体はバランスをとるために歪に力が入った状態になってしまいます。また、悪い姿勢で運動をすることで、本来負荷がかからない部分に負荷がかかってしまい、ランナー膝だけでなくさまざまな症状をひきおこしてしまいます。
ランニングの際には左右のバランスを意識し、背筋をまっすぐに伸ばし、つま先ができるだけ進行方向に向くようにしながら行うようにしましょう。
次に気をつけなければならないのが靴です。長年使い古した靴は靴底がすり減ってしまいます。さらに普段の歩きかたによっては踵の外側がすり減ってしまっていて、いくら意識をしても膝の外側に負荷がかかってしまう場合があります。
また、ズックやスリッポンなどの靴は靴底が薄く、走っている際の衝撃をダイレクトに受けやすくなっています。走る際の衝撃は膝だけでなく、踵や骨盤にも影響を及ぼし、スポーツ障害を引き起こす原因となります。
ランニングをする際には普段履いている靴を使用するのではなく、ランニングシューズや靴底のクッション性が高い運動靴などを利用するようにし、靴底がすり減ってきたと感じたらできるだけ早く新しい靴に履きかえるようにしてください。
最後に重要なのがランニングをする環境です。例えばランニングをする場所がデコボコの激しい道や坂道、堅いアスファルトなどの上の場合は膝への負荷が強くなります。
また、陸上競技で使われるようなトラックなどの場合は同じ方向に長時間走りまわることが多いため、円の外側の腸脛靭帯に負荷がかかりやすい状態です。
ランニングを行う際にはなるべく平坦な芝生や土の上を走るのが、もっとも膝への負担が少なくランニングを行うことができます。
以上の4つのことに気をつけることで膝への負担が減り、ランナー膝になりにくくなりトレーニングやランニングを長く続けることができます。
また、ランニングの前には必ずストレッチをするように心がけてください。ストレッチをすることで関節が柔らかくなり、足が接地する際の衝撃や急な負荷にも対応しやすくなり、ランナー膝だけでなく怪我の防止にも繋がります。
まとめ
これからランニング始める時に気をつけたいランナー膝とは(後編)
ランナー膝にならないための対策方法とは