腰の痛みや肩の痛みなどで通院する人が多い整骨院ですが、実は本当の専門分野は別にあることをご存知でしょうか。意外と知られていない 整骨院 の専門分野を知れば整骨院の利用方法がもしかしたら変わるかもしれません。
整骨院の本当の専門分野ってご存知ですか?
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打撲
身近なケガである打撲は整骨院の専門分野の1つでもあります。打撲を詳しく説明すると、直接的な外力が加わることによって主に皮下組織や筋肉が損傷する傷口伴わないケガを指します。
症状としては損傷を受けた部位の鈍痛、患部の腫れ、皮下出血が表れます。整骨院での治療は大まかに2段階に分かれます。
急性期では患部の炎症が強いため、患部の冷却と干渉波による電気治療を行い、冷湿布を患部に貼り包帯で軽く圧迫をします。
炎症が落ち着いた慢性期では冷却は行わず患部の温熱療法に切り替わります。温熱療法は整骨院の方針により違いはありますが、ホットパック、赤外線、極超短波(マイクロ波)が一般的です。電気治療や冷湿布といった処置は急性期と変化はありません。
包帯による圧迫は慢性期では行いません。急性期は打撲の場合は概ね3日間だと言われており、皮下血腫(いわゆる内出血)が現れ始める頃が慢性期に移行する時期だと言われています。そのため、皮下血腫が出現した場合は自宅でも積極的に患部を温めることが効果的です。
捻挫
動き回るスポーツに頻発する捻挫も整骨院の専門分野の1つです。捻挫はステージが第1度~第3度と分類されており、第1度と第2度が整骨院の専門分野であり第3度は手術療法が適用されるため整形外科の領域となります。
第1度は足首の靭帯の繊維の一部分が断裂した状態で、症状としては軽度の痛みや患部の腫れが出現します。動作への影響は軽微です。
第2度は足首の靭帯の部分断裂と多くの場合、関節を覆う関節包の一部断裂が伴います。症状としては、動作時の痛み、圧迫痛と患部の腫れ、それらの影響による動作への支障などが挙げられます。
また、軽度の血腫が出現することもあります。血腫が認められた場合には骨折との鑑別が必要となるため必ず整骨院や整形外科を受診する必要があります。
第3度は足首の靭帯と関節包の完全断裂であり激しい痛みと動作困難、広範囲の血腫が認められます。骨折を伴っている場合も多いです。
整骨院での捻挫の主な治療は患部の冷却と電気治療、包帯による固定です。第1度であれば概ね1週間、第2度であれば2~4週で治癒すると言われています。
脱臼
脱臼を受傷する機会はそれほど多くはありませんが、整骨院での治療が可能となるケガの1つです。脱臼は肩関節、肘関節、顎関節で発生する頻度が高く、その頻度は全体の8割を占めます。
脱臼の症状は非常に激しい患部の痛みと変形、血腫、関節を他動的に動かしても弾力性の抵抗で元の状態に戻ってしまう弾発性固定が挙げられます。脱臼というと関節が通常では動かない方向へ動くようなイメージが持たれがちですが、実際は殆ど弾発性固定により動かすことはできません。
脱臼を受傷した直後に整骨院を受診した場合、整復とよばれる関節を元の位置に戻す応急処置的な治療が行われます。
その後、整形外科へ申し送りが行われ診断名が付けられます。整復後の治療は診断が行われた整形外科で行われる場合が多いのですが、患者の希望があれば整骨院での治療も可能です。
その場合、干渉波による電気治療、温熱療法、運動療法、包帯による固定が行われます。
骨折
多くの骨折は整骨院の専門分野ですが、近年では柔道整復師の経験不足から治療を断る整骨院も増加しているようです。
症状は通常では動くことのない方向へ患部が動く異常可動性と患部を動かした際に発生する軋轢音、激痛と激しい患部の腫れと広範囲の血腫が挙げられます。脱臼と同様に骨折直後の治療は整復が行われます。
しかし、骨が飛び出ているような複雑骨折の場合は整骨院の専門外のため整形外科の受診が必要となります。また、頭部の陥没骨折や頚部の骨折も整骨院での治療は適していません。
整復後の治療は脱臼と同様に整形外科への申し送りが行われます。整骨院での治療を選択した場合、湯内での運動療法、超音波療法、温熱療法、ギブスや包帯、固定素材を使用した固定が行われます。
腰痛や五十肩は整骨院の専門外?
実は整骨院の本当の専門分野は上記の打撲、捻挫、脱臼、骨折のようなケガなのです。
そのため、腰痛や五十肩は多くの整骨院が取り扱っているものの専門分野とは言い難いです。
しかし、適切な治療は受けることができるため、整骨院での治療は間違いというわけではありません。より適切な治療を望む場合は整形外科を受診する必要があるのです。
まとめ
整骨院の本当の専門分野ってご存知ですか?
打撲
捻挫
脱臼
骨折
腰痛や五十肩は整骨院の専門外?