脊柱管狭窄症 の手術を無事に終えられた患者さん方は、これで元通りの生活に戻ることができるとホッとされていることでしょう。けれども リハビリ をしないことには始まりません。
今後の暮らしぶりをイメージしながら根気よく続ける必要があります。
脊柱管狭窄症の回復はリハビリ次第?その方法とは
日常の所作を見直す
リハビリというと病院へ通ってするものとお考えの方も多いでしょうが、早期の機能回復にはご自宅や日常でのリハビリをどれだけまじめにできるかのほうが効果を左右します。
これは手術を選択した場合、保存的療法をとった場合どちらにも再発防止の意味をもちます。
血流の改善や狭窄部位の圧迫を緩和し、痛みの軽減と症状の悪化を防ぎます。「わたしは狭窄症だから」という弱気な気持ちで日々を過ごすことは身体能力を低下させますし、精神的にも不安定になりやすくなります。
「毎日少しずつ良くなっている」といいきかせて思い込むくらいの気迫でリハビリに取り組みましょう。
第一に、「姿勢の改善」です。
狭窄症を発症する方はもともと姿勢に問題がみられることが多いようです。子どもの頃は親に毎日背筋を伸ばすように注意されていても、そのうちいわれなくなります。
椅子に座るときは深く腰をかけて長時間座りっぱなしにならないようにしましょう。椅子によっては背もたれに寄りかかりたくないような疲れやすいつくりのものもあります。
そのときはクッションや座布団をあてるなどの工夫をしましょう。立ち上がるときは、静かにゆっくり起立します。
勢いをつけると腰や足を痛めやすいので、抵抗があるかもしれませんが杖を使用するのもおすすめです。
歩き回るのも良し
歩くことは足腰を鍛える最も手軽な方法です。胸をはって堂々とではなく、気持ち少し前傾気味で歩きましょう。
猫背にならないようにとからだを反らすと症状が悪化することがあります。
人目が気になるほど背中を丸めて歩くことは必要なく、「この傾度だと症状が落ち着くな」というのをみつけて杖を使いましょう。
長時間頑張って外を歩くのは事故も心配ですし控えるべきです。
室内を歩くほうが疲れにくくたくさん歩けるというメリットがあります。
腕を大きく振り、大股でやや早足で少し前傾姿勢で必要なら杖をもってというのはなかなかむずかしいことですが、挑戦はしましょう。少し息が上がると気分も頭もスッキリします。
ただし歩いてみて痺れや痛みを感じたときにはすぐに中止してしばらく安静にしましょう。
仰向けに横になり膝を曲げて休みます。膝を曲げたほうが良いのは、膝を曲げずに仰向けになりますと、自然にからだが反ってしまうためです。
痛みと痺れの症状に見舞われることを恐れていつまでも横になっているのもよくありませんが、休むときは休み余計な負担を腰にかけないようにしましょう。
体幹を鍛える
腰に負担をかけないようにしつつ、インナーマッスルを鍛えましょう。
行うのが面倒くさくなるような、汗だくになるものではありません。
椅子に座ったままできるのは、腹式呼吸です。
腹式呼吸でどうやって体幹を鍛えるのか疑問に思うかもしれませんが、ふだんは知らず知らず呼吸が浅くなっていますので、驚くほど効果があります。
うまく呼吸できずにむせってしまう方もいらっしゃいます。
①平らな椅子に座り、頭上で両手を合わせます。姿勢は良くしましょう。
②力まずにゆっくりとお腹をへこませながら息を吐きます。8秒ほどかけて全部吐いたら、次は8秒ほどかけて息を吸います。
これを10~20回繰り返し1日3セットほど行うのが理想です。朝昼夕にそんな時間はないという方がほとんどでしょうから、平日は1日1回、休日は1日3回など工夫しましょう。
全く取り組まないよりは1日に少しでも行うほうが習慣として身につきます。
次はアニマルストレッチです。
①四つんばいになります。
②そのまま右足をまっすぐ後方へ伸ばします。
③同時に左腕をまっすぐ前方へ伸ばします。その状態で15~20秒ほどキープします。
④手足を反対にして同様にします。これを3セットくらい頑張ります。
体型的にこの姿勢はむずかしいという場合は、まずは腕のみから始めてみましょう。
脊柱を支える筋肉が強化されて痛みや痺れが緩和されます。
まとめ
脊柱管狭窄症の回復はリハビリ次第?その方法とは
日常の所作を見直す
歩き回るのも良し
体幹を鍛える