こどもの側弯症で、10歳以降に発症して急激に進行する 側弯症 として思春期特発性側弯症があります。日本人の約2%にみられると言われ、発症の原因・要因は明確にはわかっておらず、遺伝的なものが考えられています。
女子では初潮前や骨の成熟が未熟な時期に進行しやすいと言われています。ほとんどが学校の健診で指摘されることが多いのですが、気づいたら早めに整形外科を受診するほうが良いでしょう。
側弯症は、進行をなるべく予防することが重要で、若年者はできるだけ手術をしない方法(保存的加療)が取られますが、重度の場合、手術適応になる場合もあります。
保存的加療では、超早期であれば姿勢の指導で進行を防げることもあります。中等度の側弯になると装具療法が行われます。
骨の成長が止まるまで、定期的にレントゲンを撮り、経過をみていきます。
思春期に起こるこどもの側弯症
側弯症とは何か
一般に脊柱側弯症とは、脊柱が何等かの原因により、正面からみると横に、同時に捻じれを伴いながら湾曲してしまうことを側弯症といいます。
側弯症には、生まれつきの先天性側弯症、原因不明で成長期に急に現れる特発性側弯症、外傷や姿勢により起こる機能性側弯症があります。体の中心が曲がってしまうことで、骨格全体が歪み、その他のいろいろな不調が出ます。進行が進むと呼吸器や内臓にも影響がでます。
思春期に起こる特発性側弯症
特発性側弯症の中で、最も多いのが10歳以降に発症する思春期特発性側弯症です。特に女子に好発し、成長とともに進行します。成長期が過ぎると湾曲の進行は落ち着きます。
現在、側弯検診が小学校5年生と中学2年生の2回集団で行われており、早期に発見されやすくなっています。指摘されたら、早めに整形外科を受診して、経過を見ていくことで、適切に対処することができます。
側弯の程度はレントゲン写真をもとに、コブ角を計測し判断します。基本的にコブ角25度以上が側弯治療の対象となります。
側弯症の症状
側弯症の症状は、脊椎の変形であり、一般的に痛みなどの自覚症状はありません。側弯度(上記のコブ角)が50度を超える重症例では心肺機能の低下や内臓機能の低下が起こる可能性もあります。また、腰背部痛が多く見られます。
しかしながら、思春期特発性側弯症は、現在集団検診で10度以上から注意喚起を行うなど早期に発見できることが多く、ほとんどが無症状で指摘されるようになり、早く対処できるようになりました。
自宅でできるチェック方法
ほぼ無症状なので、発見のきっかけは学校検診か、自宅などの入浴中に家族や友人が背中の変形に気づくことが多いです。自宅でできる簡単なチェックポイントがあります。
①立った状態で背中の脇線の高さが左右同じかどうか。②肩の高さが左右同じか。③立った後ろ姿の肩甲骨の突き出方が左右対称か。④前屈したときに背中の面の高さが左右同じかどうか。
以上の4つのポイントを家族に定期的にチェックしてもらうことで、早期に側弯を発見する手助けになります。
側弯症の一般的な治療法
側弯症は通常進行性であり、特に成長期で身長が著しく伸びている時に最も進行する可能性が高くなります。整形外科でレントゲンなどの画像をもとに、側弯度を計測して治療方針が決められます。側弯度25度未満の軽度の場合は経過観察で施術の必要はありません。
しかし、25度以上になると、コルセットを用いた装具療法で、進行を防止します。一方、側弯度が50度を超えてしまった場合は、装具療法では進行を防ぐことができないため、手術が必要となります。
どちらにしても、早期に発見して早期に対処を行うことが非常に大切になります。
まとめ
思春期に起こるこどもの側弯症
側弯症とは何か。
思春期に起こる特発性側弯症
側弯症の症状
自宅でできるチェック方法
側弯症の一般的な治療法