脊椎の変形する脊椎側弯症の大部分は原因不明の突発性のものです。低年齢で起こりはじめると変形が進むことがあります。
一方で原因が明らかで脊椎が曲がる病気があります。生活に支障が出たり痛みなどの症状をともなったりします。重度の 側弯症 の状態を 手術 により改善させることが行われます。
これで改善 脊椎側弯症の手術による治療
側弯症のちがいと手術
学校の検診などで脊椎の変形がみつかることがあります。また鏡を見たときに左右の肩の高さが違ったり、肩掛けかばんが左右のどちらかだけずりおちてしまったりするなどで気づくこともあります。
これらの現象を保護者などが気づいて脊椎側弯症が見つかることがあります。
こうした側弯症は思春期以降のとくに女性に多く見られます。その多くは成長の段階で起こり、それとともにある程度変形が進みます。成長がとまるとその時点で変形が止まるものが多いです。
脊椎が変形するもののうちの4分の3はこのタイプといわれています。その原因はまだよくわかっていません。変形が小さいと痛みをともなうようなことはほとんどありません。
ただし突発性脊椎側弯症でも低年齢で起こりはじめると、変形が大きく進んでしまうことがあります。その場合は手術が必要なことがあります。
原因が明らかな側弯症とは
それとはことなり年齢に関係なく変形が起こり、変形が急速に進行するタイプの側弯症があります。生まれつき脊椎の形成がうまくいかない方がいます。脊椎の形成異常にともなう脊椎の変形症です。
さらにポリオ(急性灰白髄炎、脊椎性小児まひ)による脊椎の変形、進行性の筋ジストロフィーなどです。これらの病気で脊椎が変形することがあります。これらはそれぞれの病気の治療が必要になります。もちろん変形が進みますと手術が必要なことがあります。
変形の進行と手術
脊椎の変形が進行してある程度以上になると、生活上支障が出がちです。胸のあたりの脊椎の変形が進行してしまうと、肺を圧迫して肺の機能低下を起こします。
こうした変形は運動に支障を及ぼすことがあります。また腰の部分の脊椎が変形をおこすと腰痛を生じることがあります。
側弯症はなるべくはやくみつけることがたいせつです。はやめに治療を開始できれば軽症の変形にとどめることができるからです。場合によっては運動療法だけでほぼもとの状態にもどせることもあります。
または下記に示すように曲がりがあるレベル以上になりますと、手術により曲がりを補正します。
側弯症の検査
病院ではX線などによる検査で脊椎の曲がりぐあいを検査によって明らかにします。そして変形の進行の度合いなどを調べます。
20度ぐらいまでの曲がりならば経過を観察しながらの運動療法や定期的な検査がおこなわれます。手術はまずおこなわれません。
側弯症の装具による治療
20度を超えるような曲がりには、変形の補正にはギブスによって固定したり、装具を用いて変形の進行を抑えたりする治療がよく行なわれます。
これらの治療によってある程度の改善効果が期待できます。この場合にも手術はあまり行われません。
側弯症の手術
曲がりが50度ほどにもなりますと、装具による治療には限界があります。そこで変形の場所や進行の度合いによっては、手術を選択したほうがいい場合があります。
こうした手術は変形した場所をなるべくまっすぐにすることを目標に行います。したがって場合によっては補強のための金属などで脊椎を固定することが行われます。
手術は年齢、健康のぐあい、変形の進行具合、支障の状況などのさまざまな要素を考慮しておこなわれることになります。
また一度におこなわずに順序をおっておこなわれることがあります。まだ成長期の場合には、その後の成長を考慮に入れて様子をみながら再手術や固定器具の交換手術が必要なことがあります。
側弯症の手術の手法にはさまざまなものがあります。それぞれ特徴がことなります。長年にわたる治療が必要になりますから、よく調べて疑問な点は担当医師にたずねて納得の上で選択するようにします。
まとめ
これで改善 脊椎側弯症の手術による治療
側弯症のちがいと手術
原因が明らかな側弯症とは
変形の進行と手術
側弯症の検査
側弯症の装具による治療