一般的に、目が疲れた時には、疲れ目に良いという市販の目薬をさします。しかし、自分の疲れ目の原因はあまり深く考えないで目薬をさしていませんか。疲れ目は目を酷使した時と言われますが、年齢、職業、生活環境、栄養不足など、いろいろな因子があると考えられます。
そこで、目が疲れる機序、 疲れ目 の原因を踏まえた 目薬 について説明します。
疲れ目の目薬はあなたに合っていますか!
疲れ目はどのようにして起こるのでしょう
人間の目をカメラに例えると水晶体がレンズに相当します。カメラで鮮明な画像を撮るためにはレンズのピントを合わせる必要があります。
カメラのピント合わせは機械が行いますが、水晶体は毛様体筋という筋肉が、緩んだり緊張したりしてピントを調整しています。つまり、毛様体筋の働きがスムーズにいかない状態が疲れ目を引き起こしていると言えます。
毛様体筋の働きとは
至近距離の文字を見る時、毛様体筋が緊張して水晶体を膨らませてピントを合わせています。しかし、加齢とともに毛様体筋の筋力が衰えて至近距離のピント調整力が弱くなり近くのものが見にくくなります。
一方、遠くのものは毛様体筋を緩めて水晶体を薄くしピントを合わせるので、筋力が弱くなってくる老年期には遠くのものの方が見やすくなります。このように毛様体筋は水晶体の厚みを調整する働きがあります。
毛様体筋の働きを阻害するもの
毛様体筋の疲労につながるものとして、長時間に渡って細かい字を見たり、裁縫や編み物などで目を酷使することです。また、涙が少なく角膜が乾燥したり、凝視して瞬きが少ないと毛様体筋が緊張し続けて疲労しやすくなります。
毛様体筋に負担がかかるものとしては、眼鏡やコンタクトレンズの度が合っていない場合です。度が合っていないとピントを合わせようと脳が毛様体筋に働きかけて、必要以上に負担をかけることになります。
毛様体筋のリフレッシュを阻害するものとして、睡眠不足や適宜休憩をとらないことです。必要な栄養や酸素が不足して疲労物質が蓄積し筋力の回復がスムーズにいかなくなります。
市販の疲れ目用目薬の成分と効果
ピント調節機能を改善する目薬の成分は、メチル硫酸ネオスチグミンがあります。毛様体筋に直接作用して筋肉の働きを良くする効果があると言えます。
これは、毛様体筋の酷使や加齢によるピント調節力の衰えに適切です。従って、仕事や趣味などで目を使いすぎたなと思われるときや、自身の年齢から老眼が考えられる場合に選択される目薬と言えます。
新陳代謝の改善や代謝の促進を促す目薬の成分では、L-アスパラギン酸カリウム、タウリン、ビタミンB6があります。
睡眠不足で毛様体筋の疲労物質が蓄積され、十分に疲労が改善されない場合に適しています。細胞内の電解質を調整し浸透圧を維持したり、余分な水の排泄を促進します。
また、ビタミンB群は筋肉のエネルギー代謝に補助酵素として関わり欠かせない栄養分です。疲労物資を速く排泄させて、新鮮な酸素を行き渡らせる必要があります。従って、休憩がとれなかったり、睡眠不足がある場合に使用すると効果的です。
角膜の乾燥防止の目薬の成分では、コンドロイチン硫酸ナトリウムがあります。涙の量が少なく乾燥しやすい場合や目が充血している場合に適しています。
ドライアイと診断された人は特に目が乾燥しやすいので、用法に従って点眼し角膜の表面を潤して目の保護をする必要があります。角膜や結膜が乾燥すると傷ができやすくなり目の炎症につながります。炎症は目への負担を大きくして目が疲れやすくなります。
以上のように、自身の現在の状態を把握して薬の成分を参考にしていただき、適切な目薬を使用することでより効果的に疲れ目を改善していくことができます。
まとめ
疲れ目の目薬はあなたに合っていますか!
疲れ目はどのようにして起こるのでしょう
毛様体筋の働きとは
毛様体筋の働きを阻害するもの
市販の疲れ目用目薬の成分と効果