日本の腰痛の有訴者数は推定2,800万人とも言われ、40~60代の4割以上と言われています。一言に腰痛と言っても、痛み方は人それぞれで症状も人それぞれ大きく異なります。ただ一つ言える事は、「腰痛にならなければ良い」ということです。
すでに 腰痛 がある方は、自身の腰痛に対して知識を身に着け、ケアをしていくことがとても大切になります。
腰痛の見分け方と予防
ぎっくり腰
ぎっくり腰は日本だけでなく海外でもメジャーな腰痛の一種です。あまりに痛みが激しく、その場から動けなくなることから「魔女の一撃」とも呼ばれています。
このぎっくり腰ですが、重たい物を持ち上げようとした時や立ち上がろうとした時に発症するケースが多いです。しかし「物を持ち上げる」等の動作はトドメであり原因ではありません。
多くの場合、O脚やX脚、外反母趾や骨盤のゆがみ、筋肉のアンバランスなどが大きくなった時に発症します。
そうは言っても、骨格のゆがみや筋肉のアンバランスを自身でチェックするのは容易ではありません。なので、ぎっくり腰の前兆をご紹介します。
両足をそろえて膝を伸ばしたまま片足を後ろに下げます。かかとをしっかり地面につけ、体重をかけたまま足を開けるだけ開きます。(アキレス腱を伸ばすストレッチ)
左右両方行い、どのくらい足を開けるかをチェックします。左右で大きな差がある場合はぎっくり腰になるリスクがとても高くなっていますので、全身のストレッチや長めの入浴を行い、固くなった筋肉をほぐし、疲れを取り除きましょう。
ヘルニア
腰痛の中でも、ヘルニアを抱えている方は大変多いかと思います。しかし、ヘルニアに関する知識は国外と比べてとても低いと言われています。
国際疼痛学会などの報告では「ヘルニアそのものは痛くない」と言われています。実際に、画像上は重度のヘルニアなのに痛みやしびれが全くない方も多くいます。
ヘルニアの痛みが強い方は、脳がその痛みを記憶し、増幅していまいます。ですので、痛みを脳が記憶する前に対処する必要があります。
腰に痛みがある方、足にしびれがある方は簡単な検査法がありますのでチェックしてみて下さい。
まず、仰向けになります。家族や友人などに手伝ってもらい、仰向けに寝たまま片足ずつ膝を伸ばしたまま持ち上げてもらいます。このとき、太ももの裏に痛みが走り70度以上持ち上げられない場合はヘルニアを疑います。
ヘルニアはお腹の中の圧力が大きく関係しています。お腹の中の圧力が低いとヘルニアになりやすく、症状も悪化しやすくなります。また、ヘルニア以外の腰痛にも大きく関与しています。
お腹の中の圧力を上げるにはお腹の筋肉を鍛えることが大切になります。普段運動をしていない方やお腹が出てきた、という方は、ぜひお腹を鍛えてヘルニアを予防、改善してください。
慢性腰痛
腰痛を訴える方で一番多いのが、この慢性腰痛です。慢性腰痛とは、よく分からない腰の痛みの事を言います。「何となく腰が痛い」「動くと痛い」「何もしなくてもとても痛い」症状や程度もバラバラです。しかし、多くの場合筋肉のアンバランスや骨格のゆがみが原因の多くを占めます。
では、筋肉のアンバランスや骨格のゆがみはどのようにして起こるのでしょう。筋肉のアンバランスとは普段使う筋肉と使わない筋肉の筋力差であったり、固い筋肉と固くない筋肉、疲れが溜まっている筋肉と溜まっていない筋肉の差を言います。
デスクワークがメインの方の場合、座っていることが多いので下半身の筋肉が弱くなっている事が多く、営業など外回りの方は下半身の筋肉は強いが、上半身の筋肉が弱っている場合が多くあります。
よく使っている筋肉は衰えない代わりに疲れを蓄積しやすく、使っていない筋肉は固くなっていきます。この筋肉のアンバランスと普段の姿勢が骨格のゆがみを作り、慢性腰痛を生み出します。
腰痛の予防と改善
腰痛の予防と改善方法はイコールと言っても過言ではありません。腰痛の予防と改に大切なのは、筋肉をしっかりとつける事。とくにお腹や腰回り、体幹と呼ばれる部分の筋肉が重要になります。
痛みがあると動きたくないものですが「安静は劇薬の処方」とも言われています。炎症が起きていない場合や普段と比べ痛みが特別強くなければ、積極的に運動を行って下さい。
また、筋肉が固くならないようにストレッチを行い、疲労が溜まらないように私生活に気を付けましょう。職場などではイスに深く腰掛け背筋を伸ばすように気を付けてください。劇的な改善はなくとも、続けることで症状は緩和されていきます。
痛みがひどい場合は医師に相談し、適切な治療を受けながら腰痛を改善していきましょう。
まとめ
腰痛の見分け方と予防
ぎっくり腰
ヘルニア
慢性腰痛
腰痛の予防と改善