腰痛改善のために、腹筋を鍛えるということがよく言われるのですが、実はあまり腹筋ばかり鍛えてもかえって悪化させてしまうこともあるのです。というのは、身体の中でも腰部は、様々な筋肉に保護され支えられているからです。特に 背筋 とのバランスは 腰痛 改善にとって大切な要素です。
背筋を鍛えて腰痛を改善する
背筋の役割
二足歩行を選んだ人間は、二本足で立ったときに、重力に対して逆らいつつもバランスを保つ生活をしなければならなくなりました。動物で言うところの前足を、手という道具として使うことによって、さらに様々な道具を生み出し、生活をより便利に向上させ、文化を発展させてきました。
そして多様な生活習慣の中で、腰痛という症状が増えて来たのも事実です。
人間の身体は、背骨を中心とした周囲に様々な筋肉があり、それぞれが動作に応じた役割をこなすようになっています。
これらの筋肉を抗重力筋(こうじゅうりょくきん)と言い、下腿三頭筋(かたいさんとうきん)、大腿四頭筋(だいたいよんとうきん)、でん筋、脊椎起立筋(せきついきりつきん)、腹筋群の五つがあります。
脊椎のうち、もっとも負担の大きい腰部を支えているのが、抗重力筋のうちの、腹筋群と脊椎起立筋です。よく言われる背筋とは、この脊椎起立筋のことを指します。
背筋と腰痛の関係
背筋(脊椎起立筋)は、身体を後方に反らすときに使われる筋肉です。腹筋(腹筋群)は身体を前方に曲げるときに使われる筋肉です。
これらの筋肉は、腰椎を取り巻くように支え、様々な動きに柔軟に対応します。しかしながらこれらの筋肉が疲労し、持久力や柔軟性が失われたり、筋力そのものが衰えたりすると、脊椎骨や椎間板、じん帯とのバランスが崩れて思うように動けなくなり、腰痛を発症するのです。
重い荷物を持ち上げるときは、腕の力だけではなくお腹にも力を入れなければなりません。このときに腹筋と背筋、さらに横隔膜が緊張し、腹腔(ふっこう)と呼ばれるその内部の圧力を高めて背骨を支えます。
腹筋と背筋は腰部のコルセットのような役割を担っていると言えるでしょう。腹筋にも背筋にもある程度の筋力が必要です。腰痛改善のためには、バランスよく鍛えることが必要になってきます。
背筋ストレッチによる腰痛改善
腰痛改善のために、緩んでいる腹筋を鍛えることはもちろん大切です。しかしながら腹筋ばかりを鍛えてしまうと、バランスが悪くなりかえって悪化するケースもあります。
腰痛改善のためには、腹筋だけでなく背筋も鍛えることが必要です。背筋と腹筋をバランスよく鍛えることによって、筋肉でコルセットのような状態を作り出し、腰痛を改善していきます。
ひとくちに背筋を鍛えると言っても様々な方法があります。よく知られているのは、子供の頃やらされた体力テストでの背筋力の測定方法です。身体をうつぶせの状態から思い切り反り返す運動です。しかし、この方法はあまりお勧めできません。
なぜならば勢いをつけなければならないこと、息を止めてやってしまうことが理由に挙げられます。どちらも腰痛改善に不可欠な、筋肉の柔軟性と血行の促進ということからかけ離れてしまうからです。
背筋を鍛えるということは、肩甲骨を柔軟にするということでもあります。どのようなトレーニングがあるかはあまり知られてはいませんので、いくつかご紹介します。
アッパーバックエクテンションという方法があります。背筋をしっかり伸ばせるように首周りからほぐしていくストレッチです。腰部にクッションなどを挟んで仰向けに寝ている状態でも、椅子に座っている状態でも構いません。やんわりと背中を反らして大きく伸びをするストレッチです。
その状態から左右に交互に身体を倒し、わき腹にある広背筋のストレッチに入ります。決して呼吸を止めないで下さい。吸って吐いてを繰り返し5呼吸くらい、そしてそれを3セットこなすことによって、ずい分と背筋はほぐれてきます。
さらにキャスターの付いた椅子に座った状態から、机の辺縁をつかみ、両肘を開き、椅子を前後させる方法や、壁に手を付きバンザイをする形で身体を沈めていくストレッチもあります。
まとめ
背筋を鍛えて腰痛を改善する
背筋の役割
背筋と腰痛の関係
背筋ストレッチによる腰痛改善