腰痛は未だ不明な点が多いため、有効となる対処方法も諸説がありますが、 筋肉 の疲労や使い過ぎによる 腰痛 は筋肉を鍛えることにより防止や改善が見込めます。急性の場合は安静も必要ですが、腰痛は運動することも治療になるのです。
筋肉が原因で発症する腰痛とその改善方法
急性の腰痛と慢性の腰痛の違い
急性の腰痛とは主にケガが原因となり受傷する腰痛です。ぎっくり腰や腰部の打撲などが当てはまります。炎症が強いため痛みが激しい場合も多く、身体を動かすことが苦痛に感じます。患部を冷却し炎症を抑えることが初期の段階では重要となります。
それに対し慢性の腰痛は日常生活での繰り返しによる腰の筋肉への負担が原因となり発症する腰痛です。炎症は弱く痛みも鈍い場合や重く感じるといった場合が殆どです。患部を温め血流の促進や筋肉の緊張を和らげることが回復の近道となります。
急性の腰痛の原因となりやすい筋肉
普段の生活で最も身近な急性腰痛であるぎっくり腰は、実は原因となる部位が無数に存在します。そのなかでも比較的原因となる頻度が多い筋肉が大腰筋です。大腰筋は股関節を持ち上げる働きを行う筋肉であり、腰から大腿骨に付着する筋肉です。
この大腰筋が柔軟性を失うと、何気ない動作時にぎっくり腰を発症するリスクが高まります。柔軟性を失う原因としては大腰筋の疲労が挙げられます。腰を屈める機会が多い人や激しいスポーツを行う人は特に疲労が蓄積されやすく、ぎっくり腰を発症しやすい傾向にあります。
柔軟性の低下を防ぐ方法としては大腰筋の静的ストレッチが有効です。反動を付けずに時間を掛けて筋肉を伸ばす方法なのですが、柔軟性の低下防止の他にも筋肉のリラクゼーション効果もあり、腰痛の防止には大変効果的です。
急性の腰痛は後遺症を残す場合も稀にあるため、こうした予防が非常に重要なのです。
どの筋肉が慢性の腰痛を引き起こしているのか
慢性の腰痛の原因となる筋肉も様々な筋肉が関係しています。最も慢性の腰痛に関連が深いとされている筋肉は急性の腰痛の原因ともなる大腰筋、その他に腰方形筋、多裂筋、腹横筋です。腰方形筋は腰を左右に曲げる働きを行う筋肉であり、腰を覆うように付着する筋肉です。
多裂筋は、腰の捻りや前後左右に曲げる働きを行う筋肉であり、背中から腰に掛けて付着する筋肉です。腹横筋は他の3つの筋肉と違い、その名の通り脇腹に付着しており主に呼吸時に働く筋肉です。これら4つの筋肉は一見別々の働きを担っているように思われますが、共通点があります。
それは体幹のインナーマッスルであり、腰部の安定性を保つうえで大変重要な役割を担っている点です。インナーマッスルは身体の深層部分に付着している筋肉で、力は弱いですが、適切な姿勢の保持や身体動作の補助的な役割を担っている筋肉です。
インナーマッスルが委縮状態や緊張状態に陥ると、適切な姿勢の保持が困難になり慢性の腰痛が発症するのです。
慢性の腰痛を運動で改善する
インナーマッスルの委縮や緊張が原因で慢性の腰痛が発症するならば、委縮や緊張が発生していない、又はしにくい状態を保つことが腰痛の改善や防止に繋がると言えます。ですが、ただ闇雲に体幹の筋力トレーニングを行うだけでは逆効果になりかねません。
なぜならば、インナーマッスルは力の強い筋肉と上手くバランスを取って腰部の安定性を維持しているのですが、力の強い筋肉だけが筋力の向上をしてしまうと、力の弱いインナーマッスルが力の強い筋肉を支えきれずバランスが崩れてしまいます。
その結果、慢性の腰痛の原因となるインナーマッスルの委縮や緊張状態が発生してしまいます。さらに、通常の筋力トレーニングは殆どが力の強い筋肉を向上させるためのものであり、インナーマッスルへの効果は限定的なのです。
そのため、インナーマッスルを集中的に使用するトレーニングを行う必要があります。最も手軽で効果が見込める体幹トレーニングとして挙げられるのがアームレッグレイズと呼ばれるトレーニングです。
四つん這いの状態で片側の腕と、腕と逆側の足を地面と水平になるように上げ、その状態を数十秒キープするトレーニングなのですが、その際に腹部を凹ませた状態を維持しゆっくり深呼吸をすると腹横筋も同時にトレーニングできるため非常に効果的です。
腰痛は急性、慢性に関わらず、予防できるため、まずは原因となる筋肉の筋力の向上を図ることが重要なのです。
まとめ
筋肉が原因で発症する腰痛とその改善方法
急性の腰痛と慢性の腰痛の違い
急性の腰痛の原因となりやすい筋肉
どの筋肉が慢性の腰痛を引き起こしているのか
慢性の腰痛を運動で治す