若い人から働き盛りの人、高齢者まで、多くの日本人にとって腰痛は非常に身近な問題です。運動不足や不良姿勢、過労など、腰痛の原因は人によって様々です。
そして、 枕 はそんな 腰痛 の原因の1つになることがあります。腰痛になりにくい枕選びについて考えてみましょう。
腰痛の意外な原因。正しい枕の選び方
枕と腰痛
枕が変わると夜眠れない、という人がいるように、人の睡眠習慣において枕というのは非常に重要な役割を果たしています。
硬さや高さ、素材など、その人によって最適な枕というものは変わってきます。身体によく合った枕は快適な睡眠をサポートしてくれますが、反対に、合っていない枕は腰痛の原因にもなりかねません。
腰痛と枕というと、一見あまり関係がなさそうに感じる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、合わない枕が原因で寝違えた、ということはありませんでしょうか。枕が原因となる首や肩の痛み、慢性的な肩こりなどの症状を経験したことがある方は多いかと思います。
私たちの身体は、軸となる脊椎を中心として支えられています。この脊椎は椎骨という小さな骨が集まって構成しており、首から胸、腰にかけて身体を支える軸としての役割を担っています。
脊椎はゆるやかに前後方向へとカーブを描く形をしており、それぞれの動きが連動することで、人体の複雑な動きを実現しています。
そのため、首や肩に問題が起これば、当然それをサポートするために腰への負担は高まりますし、この脊椎の動きを支えている腰の筋肉にも痛みが生じやすくなってしまうのです。
適切な枕の選び方
では、腰痛を引き起こさない、正しい枕というものは、どうやって選べば良いのでしょうか。
まず、枕は頭だけを乗せるものではありません。頭と首、そして肩の3点を安定させてくれるのが、良い枕です。
私たちの身体というのは、普段立っているときから、身体に対して頭と首が少し前方に位置しています。自分で自分の頭の位置を確認することはできませんが、他人を横から見るとわかりやすいかと思います。
この頭、首、肩の自然な位置関係を寝ているときにも実現してくれるのが、身体にフィットした枕です。
このために必要な高さには個人差がありますが、目安として男性であれば後頭部は5~6cm、首の部分が7~8cm、女性であれば後頭部が3~4cm、首の部分が5~6cmであるといわれています。
首の部分は緩やかに前方に凸のカーブを作っているため、一般には後頭部よりも首の部分の方が少し枕が高くなります。
また、枕の硬さにも注意する必要があります。硬すぎる枕は、頭を乗せても後頭部の一部分しか支えることができておらず、非常に安定感が悪くなります。一方、軟らかすぎる枕は、頭の重みで大きく凹んでしまうため、高さが変化してしまいます。
枕と寝返り
そして、もう1つ、重要となってくるのは枕の横幅です。これは、睡眠中の寝返りに影響を及ぼします。
睡眠中に安楽に寝返りをうつことができるかどうか、これは腰痛を直接引き起こす原因ともなってしまいます。私たちは睡眠中に、何度も何度も寝返りをうっています。これは、同じ姿勢を続けることで、筋肉への血流が阻害されることを防ぎます。
血流の悪化は筋肉の疲労を十分に回復できなかったり、酸素供給が不良となったりすることで、腰痛を引き起こします。そのため、血流を阻害しないためにも、適度に寝返りをうつことができる環境というのが大切になってきます。
横幅が狭い枕を使っていると、寝返りをうったさいに、頭が安定しなくなってしまいます。枕の横幅としては、一般には60cm程度は必要であると言われています。これは寝返りをうっても、頭が外れない大きさです。
慢性的な腰痛の影には、合っていない枕があるかもしれません。一度、ご自分の使っている枕についても考えてみましょう。
まとめ
腰痛の意外な原因。正しい枕の選び方
枕と腰痛
適切な枕の選び方
枕と寝返り