一般的には、立っているときよりも横になっているときのほうが腰痛は楽になると考えられていますが、寝方によってはかえって悪化する一方です。
人は人生の約3分の1を睡眠に費やしています。寝方を改善することは人生を変えると言っても過言ではありません。以下、 腰痛 に良いとされている 寝方 を挙げていきます。
腰痛を寝方から見直す
横向きの寝方
一つめは、横向きに寝ることです。無理に背骨を伸ばそうと力まずに横向きになってみてください。
腰の痛み具合によっては違和感があるかもしれません。その場合は、左向きと右向きで試してみてどちらが楽か確かめてみましょう。ご体調や腰の痛みは日々変化するでしょうから、毎日楽な姿勢も変わってくると思います。
向きを決めたら、背中をえび反り(くの字)のように丸めて膝と股関節を曲げた状態が、一般的には良いとされています。ご自身に合わなければ、される必要はありません。
人は無意識に動物の治癒本能として、からだに最も負担のかからない姿勢をとります。横向きになってからだの力を抜いて、動きに身を任せてみると良いかもしれません。
それでもまだ何か物足りない場合は、抱き枕やクッション、枕などを膝の間に挟んでみてください。上半身と下半身の不自然なねじれを防ぐ一助となってくれます。
また、からだが沈まないよう、少し固めのお布団やベッド、低反発マットを使用すると良いでしょう。その際、なるべく新しいものが理想的です。古い物や長く使っているものはどうしても経年劣化によりお尻の部分が沈みがちになります。
愛着や思い出のあるものでしたら、他の使い道を考えつつ新しいものを使用すると良いでしょう。
最後の仕上げに、腰の少し上くらいの位置からお尻にかけて大きめのバスタオルなどを巻いて横になってみてください。寝ている間の腰部の不自然なねじれや曲がりを防ぎ、腰への負担が軽減され楽になります。
巻き方やタオルの厚みはご自身に合うものを見つけてください。
仰向けの寝方
二つめは、仰向けのほうが楽な場合です。仰向けに寝るときに、ぜひ試していただきたいおからだの倒し方があります。
まず、お布団の上に座ります。次に、両膝を立てて(つまり足を伸ばさずに)、ゆっくりからだを倒します。そして両膝を立てたまま、腰を敷布団へ押し付けます。
この際、息を吐きながら、尾てい骨を少し持ち上げるようにしながらお腹に力を入れると腰が押し付けられます。
ゆっくり5つくらい数えたら、その後ゆっくり息を吐きつつ力を抜いてください。この所作を5~6回ほど繰り返すと腰痛が軽くなり、楽に仰向けで寝られるようになると思います。
ご体調や体型によって持ち上げるのがむずかしい方は、そのまま安静になさっていてください。
また、ふだん深く呼吸をする習慣のない方がいきなり腹式呼吸を意識すると、むせ返ってしまって危険なこともありますので、ご注意ください。
うつ伏せの寝方
三つめはうつ伏せ寝です。一般に、うつ伏せ寝は常に腰を反らせている状態のため神経を圧迫して腰に負担をかけることになり、少なくとも腰痛は悪化します。
けれども地上の動物の休む姿勢としては自然ですし、どうしてもうつ伏せで寝ないと落ち着かないという方は、片方の膝を横に出して寝ることで腰の反らしすぎを防ぐ効果を期待できます。
このとき、お腹や骨盤の下にクッションを入れるとより楽になります。
治らなければ病院へ
どのような寝方をする場合も、とにもかくにも「ゆっくり動く」ことが大切です。特に外出先では、慌てることなくゆっくり駅のホームのベンチなどで休み休みご自宅を目指したほうが悪化しないと思われます。
寝方を見直してみても腰痛に改善の兆しが見られない場合は、ほかの病気の可能性も視野に入れて一度病院へ行ったほうが良いでしょう。
まとめ
腰痛を寝方から見直す
横向きの寝方
仰向けの寝方
うつ伏せの寝方
治らなければ病院へ