常日頃から腰痛に悩まされている方は、夜寝ているときも腰が痛くて目が覚めてしまうことがあります。また、これから寝ようとしているのにひどい 腰痛 のために 眠れない 、ということもあります。様々な要因が考えられますが、そのうちのいくつかと、対処法についてご案内します。
腰痛で眠れないいくつかの原因と対処法
起きているときの腰への負担と睡眠
二足歩行で生活している人間は、立っていることですでに腰への負担は計り知れないものがあります。人間の身体はその負担を軽くするために、背骨はS字に曲がり上半身の重さをあらゆる方向に逃がす仕組みになっています。
そして背骨の周囲の筋肉と、腰部周辺の筋肉が連動して、複雑な上半身の動きを支えています。したがって筋肉の負担は計り知れないものがあります。腰痛の原因が筋筋膜性腰痛と言われる筋肉痛である場合が多いのは、そのためです。
睡眠とは休息です。筋肉や神経の疲れをいやし、翌日の生活へのエネルギーを蓄えることです。充分な休息となるように、眠る体勢や寝室の環境、寝具の選択などがとても重要な役割を示すことになります。
睡眠環境を整える
眠るときの環境については充分気を配ってきたつもりでも、ベッドの硬さや枕の高さ、あるいは音楽、アロマ効果などによって睡眠の充実度はずい分と変わってきます。寝室の壁の色や遮音効果も含めて、もう一度睡眠環境を見直してみることも必要かもしれません。
寝返りを打つたびに激痛が走り、夜中に目覚めてしまうことがあります。寝返りを打つという行為は、ごく自然に体が要求しているのです。つまり同じ姿勢でいることに不快を感じているのです。
寝返りを打たないで済むにこしたことはないのでしょうが、それも寝具によるでしょうし、あまりに長時間同じ姿勢でいると床ずれを起こすこともあります。気分転換程度の適度な寝返りは必要です。
ただし、寝具、特にベッド、もしくはマットレスの素材、硬さ、柔らかさ、というのは睡眠にとってとても重要な役割を占めています。
願わくば、適度に寝返りを打てるような硬さのベッド、マットレスが望ましいでしょう。そして横になったときに、体圧の集中する腰や肩に負担の少ない構造の寝具をお使いになることをお勧めします。
寝付けないときの対処法
腰痛がひどくて安静にしてゆっくりと眠りたいのに、なかなか痛みに気を取られて寝付けないときがあります。そのような場合には先ず、身体にとって最も楽な姿勢というのを見つけましょう。
仰向けで寝る場合には膝を少し立てる感じで、膝の裏にクッションなりを挟んで寝ると、腰への負担を軽くすることが出来ます。また横向きの姿勢では、背中を丸め膝を抱えるようにすると楽になれるようです。この場合、両足の間に抱き枕やクッションなどを挟んでおくと、より効果があります。
腰の周辺が熱くほてっていたり、明らかな炎症や腫れが見受けられる場合は冷やすことによって痛みが和らぐのを待ちますが、そうでない限りは出来るだけ温めて休むことをお勧めします。また身体全体をしっかりと温めておくと、冷えていく過程で眠気を誘発することが出来ます。
それでも眠れないようなら、痛み止めを服用することもやむをえません。何より睡眠が大切です。ただし、薬の服用は慢性化しないように注意が必要です。腰痛は出来るだけ予防に努めることが大切です。
ベッドの中で出来る腰痛体操
布団の中で出来る腰痛体操もあります。腰痛体操をやり、いくらかでも痛みを和らげれば、心地良い眠りに誘われるのではないでしょうか。
片足ずつ、交互に上げてほぐす方法もあります。また、両足の裏をくっつけて、それを出来るだけ身体に近づけるように、少しずつ股関節を開いていきます。股関節を開き、腰部の筋肉を伸ばし、ほぐすことによって腰痛は和らいでいきます。
太ったお相撲さんがよくやる股割りという体操に似ています。お相撲さんが、あの巨体で腰痛にならないのは、股割りをやっているお陰なのです。ベッドの中でストレッチをやり、ほどほどに疲れて眠気に誘われたら成功です。
まとめ
腰痛で眠れないいくつかの原因と対処法
起きているときの腰への負担と睡眠
睡眠環境を整える
寝付けないときの対処法
ベッドの中で出来る腰痛体操