腰痛を発症した場合、整形外科を受診することは多いと思われますが、実は整形外科では診断や治療を行っても効果がない腰痛もあります。もし 腰痛 の原因に思い当たる節がないようでしたらそれは 整形外科 の診療範囲外の腰痛かもしれません。
整形外科を受診して原因が分かる腰痛と分からない腰痛
整形外科で診断可能な腰痛
整形外科で診断可能な腰痛は、原因がケガや何らかの動作によるものである場合、またはX線やMRIなどの検査で筋肉や骨に異常が認められる場合です。
例を挙げると、サッカーのプレイ中に選手との接触により腰を強打した場合の腰痛や、重いものを持ち上げようとした瞬間に腰に激痛が走るぎっくり腰、骨粗しょう症による腰椎圧迫骨折に伴う腰痛が該当します。
整形外科で診断可能な腰痛は適切な治療が受けられますが、そうでない腰痛は痛み止めや湿布等を処方されて治療が終了してしまう場合もあるのです。
整形外科で診断不可能な腰痛
整形外科では検査をする対象が主に骨と筋肉のため内臓の異常が分かりにくい場合があります。そのため、内臓が原因で発症する腰痛はよほど重篤なものでなければ整形外科で診断が難しく、単なる疲労や炎症による腰痛と判断されてしまう場合もあります。
原因が分からず慢性的に腰痛に悩まされている人は内科、産婦人科を受診するのも良いかもしれません。
また、近年では心因性の腰痛があることも分かっています。心因性、つまりストレスが原因となって発症する腰痛も整形外科では診断も治療することもできません。
ストレスを常に感じていると自覚があり腰痛に悩まされている人は、誰かにそれを話すことや気分転換をすることが腰痛の治療に繋がる可能性があります。
原因が分からないこんな腰痛は整形外科に行きましょう
腰痛の症状にもいくつかタイプがありますが、原因不明の激しい腰痛は早急に整形外科を受診することをお勧めします。動けない程の腰痛であれば救急車を呼んでもいいかもしれません。激しい痛みを伴う腰痛は、ぎっくり腰が最も有名ですが、それ以外に命に関わる腰痛があります。
それが腹部大動脈瘤破裂と大動脈解離です。どちらも血管の病気であり、非常に高い死亡率が特徴です。急激に発症し放置してしまうとほぼ確実に死に至るため、この病気の事を知っておいて損はありません。
血管の病気は本来整形外科の診療範囲外ですが、非常に重篤な病気であるため整形外科での検査でも診断が可能です。
また、腰痛と共に片側の脚に痛みや軽い痺れを感じるときも整形外科を受診しましょう。脚の痺れや痛みは腰部の脊柱の病気が疑われます。病名としては腰部椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などが該当します。
骨に原因がある場合は自然に治癒することは決してないため、何らかの治療を整形外科で受ける必要があります。接骨院や整体では骨の病気に対しては適切な治療どころか症状が悪化する場合もあり、整形外科が近くにない場合は注意が必要です。
こんな腰痛は整形外科以外の受診を考えてみてもいいかもしれません
女性特有の病気ですが、腰痛と併せて下腹部にも痛みが発生している場合や、月経周期が乱れている場合は子宮内膜症を疑いましょう。もし整形外科を受診しても腰痛の原因が判明しない場合は産婦人科を受診してみても良いかもしれません。
また、単なる筋肉や骨の疲労による腰痛では横になると痛みが軽減しますが、内臓に原因があると痛みの程度に変化がみられません。腹部のガンや腎臓病でも腰痛は発生するため、痛みが一向に和らぐ気配がないようでしたら一度内科を受診してみましょう。
さらに、激しい背中全体に広がる腰痛と共に脚に痛みが放散するような感覚がある場合、糖尿病の合併症である場合があります。糖尿病患者である場合はこのような症状が現れた場合には、整形外科を受診するだけではなく糖尿病治療の担当の医師にも相談することを心がけましょう。
整形外科の治療はすべての腰痛に適応するわけではありません。内臓が原因で発症する腰痛について理解しておくと、原因が分からず何ヵ所も整形外科を受診することがなくなるかもしれません。
まとめ
整形外科を受診して原因が分かる腰痛と分からない腰痛
整形外科で診断可能な腰痛
整形外科で診断不可能な腰痛
原因が分からないこんな腰痛は整形外科に行きましょう
こんな腰痛は整形外科以外の受診を考えてみてもいいかもしれません