運動療法・腰痛体操の目的は、腰痛の予防と改善です。そのためには柔軟性の向上、筋力・筋持久性の向上、バランス能力が必要となります。
これから紹介する体操は、基本的にまだ腰痛が出ていない方を対象にした「予防体操」です。現在腰痛を持っている方は、まず近くの専門医に相談してください。今回は、 腰痛 予防 のための ストレッチ についてご紹介します。
腰痛予防のためのストレッチ
腹式呼吸の練習
体操の前に、まずは腹式呼吸を紹介します。腹式呼吸は腰痛予防につながる呼吸法です。まずお腹を膨らませて息を吸い込み、次にお腹を引っ込ませて息を吐き出すようにします。腹式呼吸を行うことで自然に腹筋が鍛えられ、腰痛予防につながります。
腹式呼吸の練習は、①肺の中の空気を口からゆっくり吐く、②息を止める、③お腹を膨らませながら鼻から息をゆっくり吸う、④吸った時の2倍の時間をかけて口から息を吐く、の手順で行います。
練習する際に、片手で胸が動いていないか確認し、もう一方の手でお腹が膨らむか確認しながら行います。仰向けになって、身近にある1kgぐらいの重り(砂糖の袋、ペットボトルなど)をお腹に乗せると、お腹の動きが分かり練習しやすくなります。
連続して行うと疲れますので、5回程度にとどめます。慣れてくると回数を増やしましょう。腰痛予防の体操は、できるだけ腹式呼吸を行いながらストレッチするようにしましょう。
腹筋のストレッチ
腹筋のストレッチはまず、立った姿勢から手のひらが上を向くように両手を組んで上げ、腹筋を伸ばします。この時、あげた手を無理に反らすとかえって腰に負担がかかります。手は天井に押し上げる気持ちで伸ばしましょう。
続けて、その体勢から体を横に伸ばして、脇の筋肉を伸ばします。手を組むのが苦しい場合は、棒などを持って行うとやりやすいでしょう。
次に椅子に座った体勢から、手を腰に当てて上半身を反らします。そうすることで腹筋を伸ばすことができます。続いて腹ばいになり、両手を立てて上半身を持ち上げ、これも腹筋を伸ばします。
背筋のストレッチ
背筋のストレッチはまず、立っている体勢から腕を伸ばしたまま前屈していきます。このとき膝が曲がらないように注意しましょう。無理に指先を床に付ける必要はありません。次に椅子に座った体勢から、両手を組んで体を前に倒していきます。
次は床に寝転んでいる体勢になります。仰向けになって両膝を両手で抱え込みながら頭を持ち上げ、背中全体を床に押し付けましょう。背中全体を押し付けるときに息を吐くと効果的です。次に四つん這いになります。そのまま腰を落とし、お尻をかかとに付けるように伸ばしていきましょう。
足(付け根・太もも)のストレッチ
足のストレッチはまず、立った姿勢から床に片膝をつきます。両手を立てた膝の上に置き、背すじを伸ばしたまま重心を前の方に移動させ、後ろの足の付け根を伸ばしましょう。
次に床の上に仰向けになり、片膝を抱え込みます。伸ばしたままの足が曲がらないように注意しながら、抱え込んだ足をできるだけ引き寄せ、足の付け根を伸ばしましょう。
次に片側の足の太ももの裏を両手で抱えます。そのあと、その足をゆっくり天井に向かって伸ばして、太ももの裏の筋肉を伸ばしましょう。
その他
座った体勢から足を組みます。その組んだ足の方向へ体をねじります。その際、組んだ足と反対の腕の肘を、組んだ膝に固定するようにしましょう。これで脇の筋肉をひねるように伸ばすことができます。
続いて座った体勢から、片足を組みます。このとき深く組まずに、組む足のくるぶしが逆の足の膝に乗るくらいの浅さで組みます。その足を両手で固定しつつ、背すじを伸ばしながら上半身を前の方に移動させます。これでおしりの筋肉を伸ばすことができます。
最後にバランス能力を鍛えるために、四つん這いバランスを行いましょう。まず、四つん這いになり、片腕、片足を床と並行になるように持ち上げます。そのままできるだけ体がぶれないようにその姿勢を保持するようにしましょう。
目安は10秒くらいです。左右交互にこの運動を行いましょう。このとき持ち上げる腕と足は、左右同じ側でも逆側でもかまいません。腕と足を同時に持ち上げるのが難しい場合には、足だけを持ち上げてバランスをとる練習をしましょう。
まとめ
腰痛予防のためのストレッチ
腹式呼吸の練習
腹筋のストレッチ
背筋のストレッチ
足(付け根・太もも)のストレッチ
その他