座骨神経痛 は、座骨神経が圧迫・刺激されることによって痛みやしびれの症状がでます。腰痛が主ですが、臀部、大腿部の後ろ側、脛、足先まで痛みやしびれが起こり、更に歩行障害が現れる場合もあります。高齢者に多いですが、若い人にも見られます。
そこで、座骨神経の部位、働き、なぜ圧迫や刺激が起こってくるのかを突きとめ対処していくことが重要です。
座骨神経痛は原因を突きとめて対処しましょう!(前編)
人体最大・最長の神経
座骨神経は脊髄から伸びている神経で、腰椎の4番と5番から出ている神経と仙骨前面の1~3番から出ている神経が合流して束になっています。そして、梨状筋(仙骨から股関節にかけて繋がっている筋肉)の下から大腿の後ろを通り膝の裏の上まで続いています。
そこから総腓骨神経(ふくらはぎ側)と脛骨神経(脛側)とに分かれ、足の甲と足の裏まで続いています。人体の中でも最大の神経でペンの軸ぐらいの太さがあります。また、非常に長くて1m程あります。
運動コントロールと皮膚感覚に関与
座骨神経は抹消神経の1つで、脊髄と全身の体の筋肉と連携し、全身の運動をコントロールしています。私たちが歩行したり、転倒しないようにバランスをとったりできるのは、脳(中枢)から脊髄を経由し抹消神経である座骨神経に指令がでているからです。
そして、皮膚に近い位置を走行していることから下肢の皮膚感覚にも影響しており、非常に重要な神経と言えます。
圧迫・刺激する原因と発生機序
原因として比較的多いのが、ぎっくり腰と梨状筋症候群です。ぎっくり腰を繰り返えすと、座骨神経が出ている腰椎付近の軟部組織や筋肉の損傷が再燃し、神経を圧迫したり刺激しやすくなります。
また、梨状筋の炎症や緊張状態が高まると、その下を通る座骨神経を圧迫して神経の走行に沿って痛みがでます。
次に、変形性腰椎症と腰部脊柱管狭窄症があります。これは、腰椎が老化によって変形したり、脊柱管が狭くなり神経を圧迫し痛みが現れるものです。
その他に帯状疱疹があります。帯状疱疹に罹患し一旦治癒しても、神経節に潜んでいた水痘ウィルスの活性化によって座骨神経痛が起こることがあります。
最近増えてきたのは椎間板ヘルニアです。腰椎の椎骨間にある椎間板(衝撃吸収材の役割)が飛び出して(ヘルニア)脊椎にある神経を圧迫します。
症状は痛みやしびれだけではない!
座骨神経の主な症状は、腰・臀部・大腿の裏・足にかけての痛みやしびれ、足の筋力に左右差がでる、足に力が入らないなどです。酷くなると歩行困難になる場合があります。
また、足の冷えも症状としてあり、温めても冷えが取れないなどがあります。ほとんどは片側ですが、両側に出る場合は肛門周囲へのしびれや排尿障害、便秘なども現れる場合があります。このような場合は、できるだけ早く受診して専門治療を受けましょう。
まとめ
座骨神経痛は原因を突きとめて対処しましょう!(前編)
人体最大・最長の神経
運動コントロールと皮膚感覚に関与
圧迫・刺激する原因と発生機序
症状は痛みやしびれだけではない!