「座骨神経痛は原因を突きとめて対処しましょう!(前編)」では、座骨神経とはどのような神経なのか、また座骨神経痛の発生機序についてご説明いたしました。後編では、座骨神経痛の診断と治療法、そして予防法についてご説明いたします。
座骨神経痛 を予防するには、継続的な筋肉運動、筋肉ケア、体重管理が大切です。
座骨神経痛は原因を突きとめて対処しましょう!(後編)
原因の確定診断で治療が決まる
通常は腰や足の症状がでるため整形外科を受診します。そして、座骨神経痛が疑われる場合は、座骨神経を圧迫・刺激している原因を診断してもらいます。その中で、腫瘍、内臓異常、感染症が疑われる時は、神経内科や内科を紹介されます。
ここでは整形外科的治療についてご説明します。ぎっくり腰などの患部の捻挫によって炎症や腫れがある場合には、安静と冷却が必要です。その後、回復を促進するため、筋肉をほぐしたり血液循環を良くするために理学療法が行われます。
整体やカイロプラクティスも併用して自然治癒を促す場合もあります。骨盤のズレがある時には固定が必要で、軟性コルセットが多く使われます。痛みを和らげるには非ステロイド性の鎮痛薬や座薬、腰椎脊柱管狭窄症には血液循環が良くなる薬が処方されます。
重症な場合は神経ブロックや手術を適応
特に痛みが酷い場合は、注射による麻酔薬で、選択的神経根ブロックや仙骨硬膜外ブロックをします。まず、保存的療法で様子を見ますが、痛み、間欠跛行(痛みやしびれで歩行困難になり休息するとまた歩行が可能)、排泄障害(排尿障害や便秘)などで日常生活に支障をきたす場合は手術が検討されます。
手術には内視鏡手術、椎弓切除術(全切除)、開窓術(部分切除)があります。内視鏡手術では、小さな穴を開けて黄色靭帯を切除し神経根への圧迫を取り除きます。椎間板ヘルニアの時に行われます。
椎弓切除術及び開窓術は、椎弓の全切除及び部分切除によって脊柱管狭窄症による圧迫を改善するものです。以上のような神経ブロックや手術は、専門医の高度な技術によって実施されます。
継続的な運動、筋肉ケア、体重管理が大事
座骨神経痛は筋肉の強化が予防や改善に効果があります。この場合の筋肉の強化とは、継続的に筋肉を動かすことで丈夫な筋肉にすることです。従って、ゆっくりと無理なく歩く散歩が良いとされています。
但し散歩の前後で大事なことは、散歩の前にストレッチをし、終わったらまたストレッチとマッサージをすることです。運動前の筋肉の準備と運動後の筋肉のリフレッシュでしっかりケアをします。
また、正しい姿勢で歩くことで骨盤のズレも調整されていきます。更に、運動不足が解消され体重管理にもなります。腰部への負担を軽減するには体重管理が重要になります。
日々の生活習慣やスポーツ、加齢による老化現象は徐々に腰部に負担をかけています。つまり、座骨神経痛を回避するには、継続的な筋肉運動、筋肉ケア、体重管理が大事であると言えます。
まとめ
座骨神経痛は原因を突きとめて対処しましょう!(後編)
原因の確定診断で治療が決まる
重症な場合は神経ブロックや手術を適応
継続的な運動、筋肉ケア、体重管理が大事